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並行な道
誰も知らない
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先輩の上擦った声が僕を動揺させた。自分で触れるのと、誰かに触らせるのではあまりにも違う。だってそこは…。そんな僕の迷いが出たのか、先輩は僕にそっとキスして言った。
「侑が嫌ならしない。…怖いよね?」
僕は先輩と見つめ合って、ゴクリと喉を鳴らした。
「怖いわけじゃないけど、他人に触らせるのは抵抗があるっていうか。」
すると先輩は僕の胸をそっと撫でて言った。
「…もしかして自分で触ったりしてる?」
僕はピクンと身体を震わせて、顔を背けて言った。
「…内緒。嘘。ちょっとだけ。でも別に気持ち良いとか無いよ。怖いから、本当に入り口だけ。」
すると先輩は不意に起き上げるとスマホを手に取った。そして何かを探す様にスクロールすると、寝そべっている僕の隣に並んで仰向けになるとスマホを掲げて映像を見せた。
「これ。入門編みたいな感じの。こんな感じだったら怖くないんじゃないかなって。…それとも俺にしたい?」
僕は先輩の言葉にびっくりして、こっちを向いた先輩の緊張した顔を見つめた。
「…もしどうしても嫌なら、俺がそっちやろうか?俺は、侑ともっとイチャイチャしたいだけだから。」
僕はドキドキして顔を手で覆った。
「あー、先輩いきなり色々ぶっ込み過ぎ!僕そんなの無理。…て言うか、そもそも先輩はゲイなの?女子にもときめく?僕は多分男にしかときめかないから、ゲイなんだと思う。これって大事な事だよね?」
僕たちは散々キスやら触り合いをして来たくせに、肝心の事を話してなかった。すると先輩は僕の顔をじっと見て言った。
「俺は侑にときめく。…どうなのかな。確かに以前のオカズはエロい女の子の漫画とかだったけど。最近は男同士のエロいのばっかり検索してるから、ゲイになっちゃったのかな。」
僕は自分のせいで先輩の趣向が変わってしまったのかもしれないと、思わず呟いた。
「先輩は女子にもときめくなら、僕とこれ以上深入りしない方が良いんじゃない?どう考えても男同士なんてハンデ色々あるよ。堂々と人前で手も繋げないんだから。」
すると先輩は少し苦しげな表情で僕をじっと見て言った。
「俺だって侑に好きだって告白する前にこの気持ちが何なのか色々考えたんだ。それこそ女子とデートだってした。でも何か違うって言うか。部活で侑と話をするだけでドキドキして、それこそ唇に目が引き寄せられて、キスしたいって思ったりする切羽詰まった感情とは違くて。
楽しいけど、それって友達と一緒でさ。侑に感じるドキドキや股間に血が集まるゾクゾクする物とは全然違った。俺、侑は男だとか性別関係なく好きなんだ。だから侑に深入りしない方が良いなんてあっさり言われると辛いよ。」
少し拗ねた様に僕の顔を見つめるから、奥は思わず起き上がって先輩を見下ろして言った。
「ごめん。酷い事言った‥よね。僕は先輩が優しいからって自分勝手な事言ったり、している自覚はあるんだ。僕、先輩のこと好きだけど、利用もしてるんじゃないかって時々自分が嫌になるよ。」
すると先輩も起き上がって、僕の肩に唇を押し当てて言った。
「いいよ、侑に利用されるくらい。少なくとも今、こんな侑を知ってるの俺だけだよね?」
そう言って僕と目を合わせた先輩の、すっかり大人びた瞳は何を考えているのか分からなかった。ただ僕の顔が映って、少なくとも今は僕たち二人だけの問題なのだと思った。
「…そうだね。先輩は僕の恥ずかしい所も知ってる。それってちょっと不思議な感じ。一気に近づくって言うか。そうでしょ?」
先輩は僕の耳を触れるか触れないか、くすぐる様に唇でなぞって囁いた。
「うん。俺の誰にも見せた事がない恥ずかしいところも侑は知ってる。もっと知りたくない?俺は知りたい…。侑のもっと恥ずかしいところ。」
~お知らせ~
短編『僕は傲慢男のセフレ』が完結しました♡健気な不憫受けと無神経?傲慢攻めが溺愛ハピエンにて完結しました💕
サクッと読めますのでよろしくお願いします(ᵔᴥᵔ)ニコニコ♡
他作品の主人公を考えると、侑って拗れてるし欲望には忠実だし、一人突っ走ってる感があって…。いいぞ、もっとやれって感じになっちゃう笑
「侑が嫌ならしない。…怖いよね?」
僕は先輩と見つめ合って、ゴクリと喉を鳴らした。
「怖いわけじゃないけど、他人に触らせるのは抵抗があるっていうか。」
すると先輩は僕の胸をそっと撫でて言った。
「…もしかして自分で触ったりしてる?」
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「…内緒。嘘。ちょっとだけ。でも別に気持ち良いとか無いよ。怖いから、本当に入り口だけ。」
すると先輩は不意に起き上げるとスマホを手に取った。そして何かを探す様にスクロールすると、寝そべっている僕の隣に並んで仰向けになるとスマホを掲げて映像を見せた。
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「…もしどうしても嫌なら、俺がそっちやろうか?俺は、侑ともっとイチャイチャしたいだけだから。」
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「俺は侑にときめく。…どうなのかな。確かに以前のオカズはエロい女の子の漫画とかだったけど。最近は男同士のエロいのばっかり検索してるから、ゲイになっちゃったのかな。」
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「先輩は女子にもときめくなら、僕とこれ以上深入りしない方が良いんじゃない?どう考えても男同士なんてハンデ色々あるよ。堂々と人前で手も繋げないんだから。」
すると先輩は少し苦しげな表情で僕をじっと見て言った。
「俺だって侑に好きだって告白する前にこの気持ちが何なのか色々考えたんだ。それこそ女子とデートだってした。でも何か違うって言うか。部活で侑と話をするだけでドキドキして、それこそ唇に目が引き寄せられて、キスしたいって思ったりする切羽詰まった感情とは違くて。
楽しいけど、それって友達と一緒でさ。侑に感じるドキドキや股間に血が集まるゾクゾクする物とは全然違った。俺、侑は男だとか性別関係なく好きなんだ。だから侑に深入りしない方が良いなんてあっさり言われると辛いよ。」
少し拗ねた様に僕の顔を見つめるから、奥は思わず起き上がって先輩を見下ろして言った。
「ごめん。酷い事言った‥よね。僕は先輩が優しいからって自分勝手な事言ったり、している自覚はあるんだ。僕、先輩のこと好きだけど、利用もしてるんじゃないかって時々自分が嫌になるよ。」
すると先輩も起き上がって、僕の肩に唇を押し当てて言った。
「いいよ、侑に利用されるくらい。少なくとも今、こんな侑を知ってるの俺だけだよね?」
そう言って僕と目を合わせた先輩の、すっかり大人びた瞳は何を考えているのか分からなかった。ただ僕の顔が映って、少なくとも今は僕たち二人だけの問題なのだと思った。
「…そうだね。先輩は僕の恥ずかしい所も知ってる。それってちょっと不思議な感じ。一気に近づくって言うか。そうでしょ?」
先輩は僕の耳を触れるか触れないか、くすぐる様に唇でなぞって囁いた。
「うん。俺の誰にも見せた事がない恥ずかしいところも侑は知ってる。もっと知りたくない?俺は知りたい…。侑のもっと恥ずかしいところ。」
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