73 / 160
貴族学院
昨夜の衝撃
しおりを挟む
昨夜は結局エドワードと並んで横になりながら、ポツリポツリと浮かぶ疑問に答えて貰った。気がつけば眠ってしまったけれど、衝撃的な話だったせいか目覚めてもぼんやりとして頭が重い。
しかも目覚めたらエドワードは隣に居なかった。最近は特にエドワードは朝まで隣に居る事はほとんど無かった。僕は添い寝習慣ももう終わりにしないといけないのかもしれないと寂しく思った。
エドワードはマシュー様とのお兄様契約を変な意味じゃなく嬉しそうに話してくれた。僕は性教育の手解きの方に衝撃が走ってしまったけれど、どちらかというとそれよりは空気の読める貴族令息としてのハウツーを教えてもらう事の方が大事みたいだった。
それでもはっきりとは言わなかったけれど、エドワードがマシュー様から例の手解きを受けたのは間違いなさそうだった。具体的に何をするのかとかは絶対に口を割らなかったけれど、多分僕の見当違いの質問に余裕めいた答えを言っていたから既に教育はなされたのだろう。
ひとつ衝撃だったのは、令嬢もまたお姉様契約を結ぶという事だった。寮生活が無い彼女たちは僕たちとは少し趣きが違うのかもしれないけれど…。エドワードもその点はよく分からないと言っていた。
そんなこんなで僕は受け止めきれないこの話に、どうしてここまで衝撃を受けるのか自分でも驚いていた。僕は最近はすっかりサミュエルとの融合が進んで、自分が17歳の記憶持ちだという事もあまり意識に浮かばなくなっていた。
だからこの衝撃は自分の17歳の心が驚いているのに他ならなかったんだ。一方、この世界の貴族生活に馴染めば馴染むほど、お兄様契約のような事もあるがままに受け止め始めている自分もいるんだ。
僕は鏡の中の自分を見つめながら思った。あの遠駆けの時にエイデン様が口づけたのは、僕とお兄様契約を結べるかどうか試したのかもしれないって。きっと僕はエイデン様のお試しに合格したんだ。
アル兄様のところにも申し込みが沢山来ているとエドワードも言っていた。基本一人だけと契約を交わすというのなら、それを決めるのにあの口づけはうってつけの相性判断だったに違いない。
僕はエイデン様が決して僕のことを好きだとか、そういう事じゃなく口づけした事実に酷くガッカリしてしまったし、胸が痛い気もした。僕は鏡の中の自分にぼつりと呟いた。
「サミュエル、勘違いするな。エイデン様はお前の事を好きなわけじゃない。ただ、可愛い後輩として選んでくれようとしただけだ。」
自分に放ったその言葉は、鏡の中の僕の顔を歪ませた。ああ、あの時感じたドキドキと嬉しくも温かな気持ちは、脆くもパラパラと足元へ崩れ落ちてしまった。僕にはそれをもう一度拾い上げる勇気は無かった。
しかも目覚めたらエドワードは隣に居なかった。最近は特にエドワードは朝まで隣に居る事はほとんど無かった。僕は添い寝習慣ももう終わりにしないといけないのかもしれないと寂しく思った。
エドワードはマシュー様とのお兄様契約を変な意味じゃなく嬉しそうに話してくれた。僕は性教育の手解きの方に衝撃が走ってしまったけれど、どちらかというとそれよりは空気の読める貴族令息としてのハウツーを教えてもらう事の方が大事みたいだった。
それでもはっきりとは言わなかったけれど、エドワードがマシュー様から例の手解きを受けたのは間違いなさそうだった。具体的に何をするのかとかは絶対に口を割らなかったけれど、多分僕の見当違いの質問に余裕めいた答えを言っていたから既に教育はなされたのだろう。
ひとつ衝撃だったのは、令嬢もまたお姉様契約を結ぶという事だった。寮生活が無い彼女たちは僕たちとは少し趣きが違うのかもしれないけれど…。エドワードもその点はよく分からないと言っていた。
そんなこんなで僕は受け止めきれないこの話に、どうしてここまで衝撃を受けるのか自分でも驚いていた。僕は最近はすっかりサミュエルとの融合が進んで、自分が17歳の記憶持ちだという事もあまり意識に浮かばなくなっていた。
だからこの衝撃は自分の17歳の心が驚いているのに他ならなかったんだ。一方、この世界の貴族生活に馴染めば馴染むほど、お兄様契約のような事もあるがままに受け止め始めている自分もいるんだ。
僕は鏡の中の自分を見つめながら思った。あの遠駆けの時にエイデン様が口づけたのは、僕とお兄様契約を結べるかどうか試したのかもしれないって。きっと僕はエイデン様のお試しに合格したんだ。
アル兄様のところにも申し込みが沢山来ているとエドワードも言っていた。基本一人だけと契約を交わすというのなら、それを決めるのにあの口づけはうってつけの相性判断だったに違いない。
僕はエイデン様が決して僕のことを好きだとか、そういう事じゃなく口づけした事実に酷くガッカリしてしまったし、胸が痛い気もした。僕は鏡の中の自分にぼつりと呟いた。
「サミュエル、勘違いするな。エイデン様はお前の事を好きなわけじゃない。ただ、可愛い後輩として選んでくれようとしただけだ。」
自分に放ったその言葉は、鏡の中の僕の顔を歪ませた。ああ、あの時感じたドキドキと嬉しくも温かな気持ちは、脆くもパラパラと足元へ崩れ落ちてしまった。僕にはそれをもう一度拾い上げる勇気は無かった。
63
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる