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手紙
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「お父様、お母様。お呼びでしょうか?」
私は、何を言われるのかひやひやしながら扉をノックした。
もしかすると、リアムとジニーの件、気づいているのかもしれない。
それは困る。
私は、両親に心配をかけたくないのだ。
「ああ。シャーロットか。入ってくれ」
父の低い声が部屋の中から聞こえ、私は扉を開いた。
部屋の中では、父は書斎椅子に腰掛け、その隣に母が立っていた。
私は、先ほどの心配は必要なかったことに安堵する。
二人の表情は厳しいものではなく、むしろ何かにたいして喜んでいるようであった。
「どうかしたの?」
私が尋ねると、お父様はコホンと一つ咳払いをした。
「先ほど届いたんだ。手紙が」
「あら、なんのお手紙なんでしょうか?」
「隣国からだ」
「隣国、ですか?」
私はますますわからなくなった。
隣国から手紙が来るようなことは、今までに一度もなかったからだ。
隣国に親戚も知り合いもいない。
仮にいたとしても、私の預かり知らぬところで終わるような、仕事の話だったりするだろう。
私まで呼び出されるような隣国からの手紙の内容には、まったく心当たりがなかった。
「シャーロット、落ち着いて聞いてちょうだいね」
と、お母様は興奮気味に話す。
「一体、どういうことなのでしょうか?」
「お前は、ランスを覚えているか?」
「ランス? ええ、もちろんですとも」
私の前の婚約者だった少年を思い浮かべる。
今とは違い、本当に優しくて思いやりのある少年ーー。
「その子の家族とは、家族ぐるみで仲が良かったのを覚えているか?」
「ええ。良く二つの家族で遊びに行ったりもしていましたね」
「あなたとランスは本当に仲が良かったわね」
お母様は、懐かしさを楽しむように目を細めた。
「でも、ランスとその家族は他国への旅行中に革命に巻き込まれてしまったわ」
「それで、私たちは彼らを必死で探し回ったが、ついぞ見つけることは出来ず」
「私たちは泣く泣く、葬式を上げたのよね」
私は同意を示すために頷いた。
はっきりと覚えている。
当時の私は、急に婚約者をなくしたのをどうしても信じられず、毎日泣き腫らしていたのだ。
「で、本題だが。隣国から来た手紙には、こう書いてあった。その家族が見つかったと」
「えっ!?」
いきなりのことで私は叫び、それがはしたない行いであることに気づくと、慌てて口元を両手で押さえた。
「本当ですか!?」
「ああーーしかし、ほとんどが革命に巻き込まれ、命を落としてしまっている、と。だが、一人だけ生き残りがいるらしい」
「それは……?」
「それは、お前と同い年くらいの青年だと書かれている」
「ランス……」
私は感極まって泣きそうになった。
ランスが。あのランスが。
生きているのだ。
私は、何を言われるのかひやひやしながら扉をノックした。
もしかすると、リアムとジニーの件、気づいているのかもしれない。
それは困る。
私は、両親に心配をかけたくないのだ。
「ああ。シャーロットか。入ってくれ」
父の低い声が部屋の中から聞こえ、私は扉を開いた。
部屋の中では、父は書斎椅子に腰掛け、その隣に母が立っていた。
私は、先ほどの心配は必要なかったことに安堵する。
二人の表情は厳しいものではなく、むしろ何かにたいして喜んでいるようであった。
「どうかしたの?」
私が尋ねると、お父様はコホンと一つ咳払いをした。
「先ほど届いたんだ。手紙が」
「あら、なんのお手紙なんでしょうか?」
「隣国からだ」
「隣国、ですか?」
私はますますわからなくなった。
隣国から手紙が来るようなことは、今までに一度もなかったからだ。
隣国に親戚も知り合いもいない。
仮にいたとしても、私の預かり知らぬところで終わるような、仕事の話だったりするだろう。
私まで呼び出されるような隣国からの手紙の内容には、まったく心当たりがなかった。
「シャーロット、落ち着いて聞いてちょうだいね」
と、お母様は興奮気味に話す。
「一体、どういうことなのでしょうか?」
「お前は、ランスを覚えているか?」
「ランス? ええ、もちろんですとも」
私の前の婚約者だった少年を思い浮かべる。
今とは違い、本当に優しくて思いやりのある少年ーー。
「その子の家族とは、家族ぐるみで仲が良かったのを覚えているか?」
「ええ。良く二つの家族で遊びに行ったりもしていましたね」
「あなたとランスは本当に仲が良かったわね」
お母様は、懐かしさを楽しむように目を細めた。
「でも、ランスとその家族は他国への旅行中に革命に巻き込まれてしまったわ」
「それで、私たちは彼らを必死で探し回ったが、ついぞ見つけることは出来ず」
「私たちは泣く泣く、葬式を上げたのよね」
私は同意を示すために頷いた。
はっきりと覚えている。
当時の私は、急に婚約者をなくしたのをどうしても信じられず、毎日泣き腫らしていたのだ。
「で、本題だが。隣国から来た手紙には、こう書いてあった。その家族が見つかったと」
「えっ!?」
いきなりのことで私は叫び、それがはしたない行いであることに気づくと、慌てて口元を両手で押さえた。
「本当ですか!?」
「ああーーしかし、ほとんどが革命に巻き込まれ、命を落としてしまっている、と。だが、一人だけ生き残りがいるらしい」
「それは……?」
「それは、お前と同い年くらいの青年だと書かれている」
「ランス……」
私は感極まって泣きそうになった。
ランスが。あのランスが。
生きているのだ。
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