行方不明だった元婚約者が戻ってきたので、浮気三昧な現婚約者を捨てることにしました

小倉みち

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 イザベラから詳しい話を聞かされたとき、私は思わず叫んだ。


「なんなのよ、あの人たちは!」


「落ち着きなさい、シャーロット」


 お母様に窘められる。

「いついかなるときでも、公爵令嬢としてふさわしい振る舞いをしなさいと言っているでしょう」

「わかっております、ですが」


 私はイライラしている。

「一体全体、どこまで私たちを馬鹿にしてるのでしょうか。自分たちが世界の中心だとでも思っているんでしょうか」


「持っているから、ああするんだろう」

 と、お父様。

「わざわざ我が家までやってきて、無礼な行いをするのだから」

「もう後に引けなくなってしまった、というのもあるでしょうけどね」

 と、お母様。

「彼らの家はもう没落寸前ですから」

「自爆する気でいると?」

「その可能性もあります」


 自爆するなら、本当によそでやってほしい。

 我が家に迷惑をかけないでほしい。


 というか、一刻も早く婚約破棄を受け入れてほしい。


 もう向こうには、どうする手段もないというのに。


「それにしても、慰謝料か」

 お父様は言った。

「どういう理屈と定義で持って、慰謝料を請求しようと言うのだろうか」

「侮辱したの? シャーロット」

 お母様は私に尋ねた。

「いいえ」


 私は断固として首を横に振る。

「私はただ、公爵家の人間らしく振る舞っただけです。振舞おうとしなかったリアムが、私のクラスの子たちから失笑されたんです」

「シャーロットの言う通りなら、あまり気にする必要もなさそうですね」

「まあ、一応様子を見ておこう。連中は何をしでかすかわからないからな」


「……」

「どうしたの? ランス」


 私は、さっきから黙っているランスに声をかけた。


「体調、悪いの?」

「いいや、そうじゃないよ。なんでもない」

「そう……。なら良いんだけど。もし気分でも悪いなら、すぐに部屋で休んでちょうだいね」

「ああ、そうするよ。ありがとう」
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