このときをずっと待っていました ~あなたたちを全員ざまぁしてやりますわ~

小倉みち

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反撃

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「ああ、なんということだろうか!」


 芝居がかった口調。

 大袈裟に肩をすくめる。


「私の心が妹のマリーにあることに嫉妬し、彼女を虐めるなんて! ――容姿と同じように、中身さえも醜いのか、我が婚約者ディーナは」


 失礼極まりないことを言う。


 私のことを散々不細工と馬鹿にするが、第一マリーはその不細工の妹だ。

 私をブスだと罵るのなら、それはマリーをブスだと言っているに等しいというのに。


「こんな愚かで醜い女ではあるが」


 殿下は呆れ返ったような顔でゆっくりと首を横に振る。


「こんな女でも、我が婚約者には変わりない」


 ヘンリー王子は、バッと私に向けて指差した。

「せめてもの情けとして、この私がお前をここで断罪してやろう! それが婚約者として、私がお前に出来る精一杯の容赦」


 パチパチパチパチ。


 盛大な拍手。


 しかし、それを生み出しているのは私の両親と妹だけだった。


 水を打ったように静まり返る群衆たち。


 すべての、上位から下位に至るまで、ありとあらゆる貴族たちが、冷めた目つきで彼らを眺めている。


 全員の考えはこうだった。


「何言ってんだ、こいつら」


 さすがの脳みそお花畑連中も、思ってもみない群衆たちの様子に驚きを隠せない。


「な、なんだ……?」

「どういうことだ?」

「話が違うじゃない」


 と、何やらごにょごにょと相談する。


 事前に打ち合わせしていたという事実を、これ以上ないくらいにアピールする彼ら。


 その相談を気の済むまで行ったあと、またヘンリー王子は私に向かって言った。


「……と、ともかく、公爵令嬢ディーナ。お前との婚約破棄並びに、公爵令嬢マリーを虐めたことに対する処罰として、死刑を言い放つ」

「はあ」

「何か言い残すことはないのか? 王子である私の温情で、話くらいは聞いてやろう!」

「左様ですか」


 私は深呼吸し、恐らく彼らが知らない事実をお伝えした。


「先日のことですが」

「先日?」

「国王陛下から、通達があったのをご存じでしょうか? ――私とヘンリー殿下の婚約破棄を命じると、国王陛下から連絡があったはずですが」


 もう既に私たち、婚約破棄してるんですよ。

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