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2章

2章40話(141話)

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「あの……」
「ああ、すまない。私はきみ個人のことが気になってね」
「私、個人のことですか……?」

 レイチェル様はお茶を飲みながらこくりとうなずいた。私が首を傾げると、彼女はカップを置いてふふっと微笑む。

「カーライル家について、どのくらい知っている?」
「魔法が得意な家門ですよね。色々な魔法を研究していると……」
「そう! だから私はきみに興味があるんだ、エリザベス・アンダーソン。二つの属性を持つ女の子。きみの魔力を見てみたいんだけど、ダメかな?」
「それは」
「ダメ」

 ひょこっと現れたのはソルとルーナだ。レイチェル様はソルとルーナを見て、目を大きく見開いてそれからぱぁっと表情を明るくさせて悶えるようになにかを小声で叫んでいた。

「この子たちはきみの精霊かい!?」
「は、はい、そうです」
「ああ、なんて愛らしい精霊なんだ! 白い烏に白銀のウサギ……! 可愛いな……!」

 嬉々として高い声を上げるレイチェル様に、褒められて満更でもなさそうなソルとルーナ。……一体なんの話をしていたのか……。
 ソルとルーナは胸を張り、「そうだろう、愛らしいだろう」とばかりに堂々としていた。

「私の魔力を見せちゃダメってどういうこと?」

 興奮気味のレイチェル様に代わって、私が質問すると、ソルがじっと私を見た。ルーナはレイチェル様に撫でられて楽しんでいるみたい。

「アミュレットを作るのだろう。魔力は温存しておけ」
「……そっか、うん、そうだよね……」

 カインに頼んだ宝石……いつ届くのかはわからないけれど……。ソルは今日届くって思っているのかも?

「アミュレット作るの?」

 私たちの会話を聞いて、レイチェル先輩ががたっと立ち上がった。そして、目をキラキラと輝かせて、「それ、見学しても良いかなっ?」とずいっと前のめりになって聞いて来た。ソルにちらっと視線を向けると、ソルは呆れたような視線を向けて、「エリザベスが決めろ」と言った。
 決定権が私にあるようでないような感覚……。……レイチェル様の期待に満ちた瞳を見て、ダメです、なんて口が裂けても言えないわ……。

「構いませんけれど、面白くはないと思いますよ……?」
「いやいや、私は魔法に関わることすべてが大好きなんだ! アミュレットはまだ作ったことがなくてね、きみが作るのを参考にさせてもらうよ!」

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