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はじまり
淡い世界
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要塞都市ドミリードは"黄泉の森"のそばにある大きな街だ。その街の周りは高く分厚い壁が覆っている。
黄泉の森というのは、この世界で1番大きい森だ。 ────そして、世界で1番死に近い森だとされている。
魔神を倒して最強と呼ばれた勇者も、この世の魔法を全てマスターした究極の賢者も、この森では生き延びることはできなかった。
────単純に弱すぎたのだ。島を簡単に噴き飛ばせても、古龍を一撃で屠っても、太陽より熱い黒焔を操っても、光よりも早く動いても、空間を切断しても、時間を止めても、運命を改変しても、想像を現実にしても、その森の最奥に辿り着くまでもなく誰もが力尽きたのだ。
もちろん森の浅いところまでは行くことはできる。ただ、そこにでてくる魔物は強力な種族の上に強力な個体だ。殆どの人は太刀打ちできない。この世界の冒険者のランクはF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSという風にSSSになるに連れて強いとされているが、それこそBランク以上が束になって戦わないと勝てないとされている。
何故そんな危険な場所のすぐ近くに都市を作ったかと言うと ────その森から魔物が出てくるからだ。もちろんその魔物は超強力で、小さな街や村は抵抗するまでもなく滅びてしまう。
だからこそ、でてきた魔物をすぐに倒す為にこのドミリードは造られたのだ。
もちろん此処の冒険者は実力者が集まっている。ここの冒険者の仕事のほとんどが森から出てきた魔物や浅いところにいる魔物を狩ることだ。魔物は減らしても減らしても居なくならない上に、放っておくと大量発生してしまう事は歴史が証明している。それに魔物は危険というのが人々の共通認識となっている。
────だからこそ人々は魔物を狩り続ける
冒険者ギルドは静まることを知らず、いつもいつまでも盛況している。
ただし、今日はいつもと違う類の賑わいだが ────
「お前らぁぁぁぁ!準備はいいかぁぁぁ!」
「「「オォォォォォ!」」」
「魔物どもはすぐそこまで迫っている!手足がもげても戦いやがれぇぇ!!!」
「「「「オォォォォォ!!!」」」
厳ついおっさんの叫びに叫びで返す冒険者たち。今ドミリードには魔物が迫っていたのだ。 それも ────千の。
普通だったら冒険者もこの街の人も皆絶望するだろう。だが彼らは違う。ここの冒険者の実力は皆知っているのだ。だからこそまだ誰も絶望などしていないのだ。
そう
────今はまだ誰も絶望はしていない。
女は丘の上から とある都市を見下ろしていた。
『魔物が減って人が増えたか────
調節の時期 ────かなぁ?』
女の眼は赫く嗤っていた。
黄泉の森というのは、この世界で1番大きい森だ。 ────そして、世界で1番死に近い森だとされている。
魔神を倒して最強と呼ばれた勇者も、この世の魔法を全てマスターした究極の賢者も、この森では生き延びることはできなかった。
────単純に弱すぎたのだ。島を簡単に噴き飛ばせても、古龍を一撃で屠っても、太陽より熱い黒焔を操っても、光よりも早く動いても、空間を切断しても、時間を止めても、運命を改変しても、想像を現実にしても、その森の最奥に辿り着くまでもなく誰もが力尽きたのだ。
もちろん森の浅いところまでは行くことはできる。ただ、そこにでてくる魔物は強力な種族の上に強力な個体だ。殆どの人は太刀打ちできない。この世界の冒険者のランクはF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSという風にSSSになるに連れて強いとされているが、それこそBランク以上が束になって戦わないと勝てないとされている。
何故そんな危険な場所のすぐ近くに都市を作ったかと言うと ────その森から魔物が出てくるからだ。もちろんその魔物は超強力で、小さな街や村は抵抗するまでもなく滅びてしまう。
だからこそ、でてきた魔物をすぐに倒す為にこのドミリードは造られたのだ。
もちろん此処の冒険者は実力者が集まっている。ここの冒険者の仕事のほとんどが森から出てきた魔物や浅いところにいる魔物を狩ることだ。魔物は減らしても減らしても居なくならない上に、放っておくと大量発生してしまう事は歴史が証明している。それに魔物は危険というのが人々の共通認識となっている。
────だからこそ人々は魔物を狩り続ける
冒険者ギルドは静まることを知らず、いつもいつまでも盛況している。
ただし、今日はいつもと違う類の賑わいだが ────
「お前らぁぁぁぁ!準備はいいかぁぁぁ!」
「「「オォォォォォ!」」」
「魔物どもはすぐそこまで迫っている!手足がもげても戦いやがれぇぇ!!!」
「「「「オォォォォォ!!!」」」
厳ついおっさんの叫びに叫びで返す冒険者たち。今ドミリードには魔物が迫っていたのだ。 それも ────千の。
普通だったら冒険者もこの街の人も皆絶望するだろう。だが彼らは違う。ここの冒険者の実力は皆知っているのだ。だからこそまだ誰も絶望などしていないのだ。
そう
────今はまだ誰も絶望はしていない。
女は丘の上から とある都市を見下ろしていた。
『魔物が減って人が増えたか────
調節の時期 ────かなぁ?』
女の眼は赫く嗤っていた。
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