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・Day6/Chapter3 散らし花

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 藤滝は、驚いたように、目を見開いた。そして、彼の意図を理解したかのように、目を細めると、彼の耳元でささやいた。
「何がなんだって?」
 聞こえてなかったのか?
 青年は肩を震わせた。
 こんなこと、この男に口が裂けても言えたもんじゃない! それをたった一度でも、なんとかして口をついて言ったのだ。それを再び、伝えなくてはならないのか!?
「く、ください……」
 青年は下唇を噛み締めた。
 屈辱だ。辛かった。
「何を?」
 絶対に面白がっている。そうに違いない。藤滝の声はあきらかに楽しんでいるようだった。
 しかし、ここで、引いて、藤滝がその腕を奥へと進めてきたら、ここは壊れてしまう。
 背に腹はかえられない、とはこういうことだろうか。
「その……だから、あんたの」
 言い切ろうとしたとたん、青年は、髪を掴まれて顔を床に押し当てられた。
「うっ!」
「前にも言ったはずだ。ことば遣いには気を付けろ、と」
「くぅ……くそ、お前っ」
「して、なんだ? 貴様のような分際で、この俺に何を求めるというのだ?」
 傲慢なこの男のものの言い方に、腹が煮えくりかえりそうだった。しかし、ずぷりと彼の手が中へと少しずつ入りこんでくる恐怖に、青年は負けた。
「や、やめて! ください! だから、その、は、入って、くんなっ、ああ……ほ、ほしいのは、ご主人さまのっ!!」
 苦悶から身を捻じ曲げながらも、青年は叫んだ。
 男の指が止まった。青年はそれにほっと胸をなでおろす。だが、次の瞬間、一気にそれは、抜き去られた。
「――!!」
 内部を開き壁を擦りあげて、去って行った指の感覚に、青年は身もだえた。
「はぁ、あ、ああ……」
 額に滲んだ汗が、流れ落ちていく。腰を掲げたままの状態から、一歩も動けない。
「ひっ!」
 まだ指の蹂躙の感覚がとれていない、そこへと熱いものが押し当てられた。青年は息を飲む。
 無理矢理、男の手を挿入されるよりは、まだ、彼のそれのほうがマシだと思った。だから――あんなことを口走って。
 しかし、それすらをも青年は後悔することになる。
「駄犬め。甘やかすのも、今日だけだぞ」
 男は、青年の耳朶を噛んだ。
 途端に押し入って来た熱い肉棒が、青年を奥まで貫いていた。
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