結婚させられたくないので魔導騎士団に入団しますっ!

モー子

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本章 ――魔導騎士団の見習い団員――

22-3

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 ルイスに救出され、肩で息をしながら肺に酸素を取り込むセレナ。瑠璃色の目には透明な雫が浮かんでいる。それを目に止め、見悶えるミネルバが口を開いた。

 「うるうるしてるっ! やっぱり、かわいいわっ!!」

 セレナの背を撫でていたルイスを押して除けると、セレナの両手を救い上げギュっと握りしめるミネルバ。セレナはミネルバの異常な様子にのまれ、小刻みに震えてしまっている。

「かわいい……どうしよう、かわいい…」
「や……やめ……っ」


 そして再び、冒頭に戻る訳だ。









 何度か其れを繰り返し、酸欠プチパニックのセレナが出来上がった。完全にルイスの背に隠れたセレナは華奢な身体を小刻みに揺らしながら息を整えている。

 息が整うと、ルイスの背から瑠璃色の大きな目が黒髪の美少女のペールラベンダーの目を覗き込み、ぱちくりと瞬きをした。セレナの手はしっかりとルイスのマントを握っている。

「ルー……っ」
「…大丈夫だ……落ち着けっ」
『姫、大丈夫よ…魔物じゃないわっ 人間の女の子よっ』

 どうにか背中から前に抱え直したいが、がっしりとルイスの背にセレナがしがみついているので、ルイスは成すがまま盾のように立っている事しかできない。

 大きな瑠璃色の目は、窺うようにパチパチと瞬きを繰り返している。それを受けていた黒髪の美少女はようやく佇まいを直しセレナに向き直った。

 ”コホン”

 控えめな咳払いの後、黒髪の美少女はセレナに改まって笑顔を向けた。もう大丈夫なのかと、セレナは一瞬手を緩めルイスの脇の下あたりから顔を覗かせた。

「ごめんなさい。私……可愛いものには目が無くてっ」

 にっこりと微笑むミネルバのペールラベンダーの目が歪んで見える。

「やっぱり、可愛いっ」
「ふえぇぇぇ」

 再びミネルバの白く長い手がセレナに向かって伸びてくるが、今度はそれを植物の蔓が巻き付いて阻んだ。ルイスを盾にセレナは一歩も二歩も後ろに下がっていく。いつの間にか援軍が来ている。

『姫になにするのよっ!!』

 現状、可愛いと言われていようがそれどころではない。
酸素が足りなくなっているセレナは、軽くパニックに陥っているのだ。背中が窓ガラスに付くとヒィと小さく声を上げた。

「レナッ」

 すかさず、ルイスが体を返してセレナをあやす様にマントの中に抱き込んだ。主の危機を感じて湧いて出たスピカが植物の蔓を伸ばしてミネルバを拘束しているのだが、それも目に入ってい無いようだ。

『姫っ しっかりしてっ』
「落ち着いて深呼吸だ レナッ」

 空色のシャツの下からルイスの規則が正しい鼓動と体温が伝わってくる。セレナは頬にあたる固い感触を確かめるようにルイスの胸板にスリスリと顔を擦り付けた。ルイスの身体が硬直し、鼓動が速くなった様だが、そんな事は今はどうでもいい事だった。

 ルイスに言われた様に深く息を吸い込み、酸素を補充し、少し落ち着いた視界に現れた妖精のような見目の小さな友人が映る。涙をためたままの瑠璃色の目の前でスピカがパタパタと羽を揺らしている。その向こうにはたわわに実ったメロンが二つ――。

「大丈夫か? レナ…」
『ひ…め…?』

 心配そうに顔を覗き込んでくる真朱色のつり目にキョトンとしたセレナが映っている。セレナは思い出したように頬に何かを当てるように空気を掴み両手を動かしている。柔らかくて、弾力があって――。

「ぽよんぽよよんって……はっ」
「…戻ってきたか?」
『姫―――?』

 自分を心配する4つの目に、セレナは慌てて感想を述べた――よく通る声で――。

「大丈夫っ 柔らかかったっ!!」

 どっと湧いた笑い声に食堂は包まれた。彼等のやり取りは当たり前だが、食堂の中で注目を集めていたのだ。ルイスのマントの中から顔と手だけ出したセレナが、自分の手で頬を撫でている。

「……レナ…」

 頭の上から呆れた低い声。目の前ではスピカが可笑しそうに羽を羽搏かせたまま笑っている。スピカの植物に絡まれていたミネルバは、セレナの前に浮かんでいる可愛いものに目を止めた。

「……妖精? 連れてる妖精も……っ!! かわいいっ」
『えっ!?』
「スピカっ!」
 
 お腹を抱えて笑い転げていたスピカの蔦は既に緩んでいた様だ。伸びてきた白い手がスピカを包み込むと頬擦りを始めてしまった。

『にゃぁぁぁっ!?』
「可愛い子が可愛いの連れてるなんてっ!!」

 落ち着いたはずが、目下暴走中のミネルバさんでした。

「いい加減に知ろっ ミネルバっ!!」






 
 その後、朝の訓練を終えたラルフと、ミネルバの弟であるティモシーが駆け付け、ミネルバを回収した。ミネルバの可愛いもの好きは、団内で有名な事実だった。姉がすみませんとペコリとティモシーが頭を下げる。その脇でラルフも苦笑をもらしている。
 
 どうやらラルフも可愛いものとしてミネルバに認識されているらしい。

 笑いを集めつつ注目を集めていたセレナ達は、早くこの場を去りたいと嫌がるルイスを宥めながら少しでも視線を避けるように席に着いた。落ち着いたミネルバとの話は弾み、セレナとミネルバは親睦を深めた。

「ミネルバなのでミニーと呼んでください」
「わかった ミニーねっ」

「セレナさんの事はセレナちゃんって呼んでもいいですか?!」
「えぇ!? あたしの事は呼び捨てで呼んでっ 友達でしょ? ミニー」
「くぅぅ セレナっ」

 事あるごとに手を握られるが、暴走から目覚めたミネルバに抱きしめられて窒息することは無くなった。スピカたちがいつも近くにいるが、同性の友達というのは初めてで、セレナにとって喉から手が出る位欲しかったものだ。

「えっじゃぁ、ミニーはあたし達の1つ年上なの?」
「そうよ お父様が、ルイスのお父様リーベルタス伯父様の弟で、従妹でレイナード公爵家の一人娘であったお母様の元へお婿さんに入られたの。そして、私とティムが誕生いたしましたのよっ」
「じゃぁ、ルイスとは従姉弟いとこ又従姉弟はとこなのねっ」

 解りやすい説明だ。あまり人と交流を持たないルイスがほんの少し慣れている様子なのは、そう言った関係からなのだろう。

「ティモシーの事はティムって呼ぶといいわっ」
「いいの?」
「……お好きにどうぞっ セレナ」

 しょうが無しにこの会話に付き合っているディモシーがポツリと返事を返してくれる。ラルフもティモシーもセレナ達と同じサイクルの業務なので、今日はお休みだ。なかなか席を外れる口実が見つから無いようだ。

「それでねっ セレナ…」
「うんうんっ」

 話を聞いていると、ミネルバは他の団員達と北の地の討伐依頼に行っていたらしい。同行したメンバーの中には珍しくルイスと組んだことのある団員も居るらしい。長期の休みが開ければ合流するそうなので、今から楽しみとなった。

 先程の事など何もなかったかの様に親し気に話に花を咲かせる2人に、ルイスは呆れた視線を向けた。いっこうに話が終わりそうにない。後から食事にきた者達までも食事を終え、仕事に行ってしまっている。

「……いい加減にしろ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ミネルバ(ミネルバ・カレ・レイナード)公爵令嬢16歳
 黒髪で長身、アイスブルーの目。たわわなメロンの持ち主。
 水と地の属性持、温度調節が得意。水を凍らせて氷を作って闘う
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
纏まり悪くてすみません(;´Д`A ```
やっと描きたい形になってきそうで、ホッとしてきましたっ^^
読みずらいかもしれませんが、頑張って書いていきたいと思いますっ
その内、人物紹介など作りたいなと、考えてます。
人増えてきちゃったしね…
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