お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

文字の大きさ
10 / 98
第一章 ヒロイン編

10.

しおりを挟む
ワンピースになっている制服を着て編み込みのハーフアップにしたから少しは大人に見えるかしら。
クラリスお兄様になんて言われるか楽しみだわ。

馬車の中でクラリスお兄様から『似合ってるね、俺の妹が一番可愛いよ。』と制服のご令嬢を見慣れてるクラリスお兄様に言ってもらえて朝から嬉しくて大好きなクラリスお兄様に抱きつき上機嫌です。

学園に着き門のところを通りながら、いよいよあのゲームの開始時点にきた。
私はクラリスお兄様以外の攻略対象とヒロインのイベントが楽しみで楽しみでしかたがない。
もしも、クラリスお兄様がヒロインの攻略対象になってしまったら全力で回避させていただきます。

私はクラリスお兄様が秘かに誰を想っているのか知ってるんですよ!
邪魔はさせませんから!!

そういえば入学式で出会うイベントがありましたよね~。
あれは確か…………。

「おはようクラリス、リティ。」

「おはよう。」

突然現れたカルティド殿下にビックリして悲鳴をあげそうになりましたが、私が考えていて上の空だったみたいで目の前に立っていることさえ気づかなかった。
気付いていたなら挨拶も回避したかったのに……学園ではあまり関わりたくない。いや絶対に関わりたくない!!

「すみません、考え事をしていて気づくのが遅れてしまいましたわ。おはようございます、カルティド殿下。」

「戻ってるよリティ。この前、カルと呼ぶように言ったよね?」

カルティド殿下は笑顔のはずなのに背筋が凍るように寒いです。

「あれは………休みを満喫できるようにその日だけだと思ってましたわ。」

しどろもどろに答えると、カルティド殿下は近づいてきて私の頬に触りながら悲しそうな表情をした。

「リティは俺のことカルともう呼んでくれないんだな。」

それはもう捨てられた仔犬がウルウルと目を潤ませながらこちらを見てるように見えてしまうのは何故だ!
ジーと潤んだ瞳で悲しげに見られ…………。

「でも………不敬で………。」

ああ、もう頬をさわるのやめてください。
気になってしまい何も考えられないじゃないですか!!
しかもカルティド殿下と話してるせいなのか、周りから相当注目を集めてます!!
絶対に私が『わかった。』というまで続けるつもりだ。

「………………わかりました。カル頬を触るのやめたください。注目を集めてしまっていますわ。」

「リティの頬は柔らかいね、ずっと触っていたいな。制服も髪型もいつもと雰囲気が違うから益々可愛いな。」

周りの目が耐えられなくなって結局こうなってしまった。
て言うか、信じられない言葉が聞こえてしましたが!?
クラリスお兄様も目を見開いてカルティド………カルを見てますよ。
後ろにいるレイロ様にセルガロ様も同様の反応ですので、いつもこんな感じではないのでしょうね。

「もしかしてこの前もこんな感じだったのか!?」

「クラリスお兄様の思ってる通りだと思います。」

苦笑いしながら答えると言葉にせず呆れた目でカルを見た時に遠くの方でバターンと大きな音がした。

どうやら人が倒れたようだ。と周りの人達が騒ぎだした。
あまりにも人が多く近寄れず人の話を聞いてると、倒れてる人をブレーリ公爵令息が助けたらしい。
ブレーリ公爵令息…………あいつか。
いつもいつも絡んできては同じ公爵でも格が違うと嫌味を言うあいつか。
格が違うなら私のファシリック公爵の方が上である…………とはバカな令息には教えてあげない。
密かに何時気づくのか……気付いたときのあいつの顔を楽しみにしている。

とはいえ、ブレーリ公爵令息が助けたとは意外だ!!
そんな良心的な感じには一切見えなかったんだけどね。
…………なるほど。
皆さんよく見てるなぁ~可愛いご令嬢だったのね。
なら納得だ!ブレーリ公爵令息も助けるだろう。

結局何で倒れてしまったのかしら??
入学式始まる前の人が多いときで何にしてもそのご令嬢は怪我なく無事だったみたいだからよかったわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結】男の美醜が逆転した世界で私は貴方に恋をした

梅干しおにぎり
恋愛
私の感覚は間違っていなかった。貴方の格好良さは私にしか分からない。 過去の作品の加筆修正版です。

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...