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第一章 ヒロイン編
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えっ!?カル………いつから?
そこに人はいなかったはずですが………。
「で、何をしようとした?」
二人とも黙ってしまってカルが更に殺気がまして言葉だけでも怖い。
「ごっごめんなさい。言葉が出てこなかったのはびっくりしたからで……。」
何故か怖いと思ってしまうカルに素直に答えるとカルは私に近寄ってきて優しく微笑んでくれた。
「リティ何かされた?」
「いいえ。ただ話をしていただけですわ。」
「言い方を変えよう。何処を触られた?」
さわっ………そんなことされてな……いや、腕を引っ張られたからあれは触られたことになるのでしょうか。
「腕を引っ張られたので触られたと言えば触られましたがそれくらいですわ。」
「それくらい……ね。リティはわかってないな。またあとでゆっくりと話をしよう。それよりも……ブレーリ令息に聞きたいな。」
何故か怖いと思ってしまうのは気のせいでしょうか?
「リティアナに……婚約を申し込みたいと伝えて抱き寄せ………たくらいですかね。」
イグルスが少し恐縮しているのか珍しくは切れが悪い感じに答えた。
「へぇ。リティが私の婚約者だとわかってのことか?」
カルが私の腰を引きギュッと抱き寄せられる。
近い近いですわ。ここが何処かわかっていますか?
教室の前の廊下ですが………ほら窓の方に人影が見えます。
これって聞き耳たててますよね?
「正式な発表はまだみたいですが噂は聞いています。それにリティアナは幼馴染みと言ってましたよ。なら、幼馴染みである僕も可能性はある。」
いやいやいや、イグルスには幼馴染み感が強いから無理と伝えましたよね。
確かにカルとも幼馴染みだと言いましたよ。
でもイグルスを完全に否定する前に腕を引っ張られたから……話は通るわね。
ここははっきりと言わないといけませんわ。
カルから離れようとカルの胸元を押すがビクともしない。
いやいや、こんな抱き締められながらだと示しがつかないので離れたい。
更に力が強くなるんですが逃げるとでも思われてるのでしょうか?
もういいです。このまま話しましょう。
「イグルス………ごめんなさい。幼馴染みとしてしかみれませんわ。カルも幼馴染みですが……クラリスお兄様との方が濃いかと……いつもその間に入れてもらっていたくらいですから。幼馴染みなのですが、知り合いのお兄ちゃんみたいなもので可愛がってもらってましたわ。そこに恋愛感情はありませんでしたが………婚約申し込みは素敵な王子様でしたわ。」
言っていて思ったが婚約申し込みされるまで絡んできて鬱陶しいとさえも思っていた……ごめんなさい。
でもあんな告白を真面目にされると見る目が変わってしまうのは当然でしょう?
それまでは本当に知り合いのお兄ちゃん程度なのだ。
私が避けていたからでもありますが………幼馴染みよりも薄く更に関わりたくない一人でもありましたわ。
………まあ、クラリスお兄様から離れない私を邪険に扱わず一緒の輪にいれてくれた優しさはありましたよね。
ヒロインの攻略対象でなければ喜んで恋愛感情が芽生えてただろうけれど。
「リティアナはカルティド殿下の婚約者でいいのか?」
「うん。イグルスありがとう。」
イグルスがはっきり聞いてきたので、私もこの先もしヒロインとカルが恋に墜ちてしまっても後悔はしないように………自分に言い聞かせるように頷いた。
「なら見守ってるよ。その代わりカルティド殿下と何かあったら容赦なく口説かせてもらうよ。」
イグルスは本当に心配してくれてるのね。ありがとうとイグルスに微笑んでいると左頬に手を当てカルの方に向かされました。
えっ!?なんですの!?
「俺以外に微笑んでいるのは見過ごせないな。」
えっ!?今そこですの!?イグルスが目の前にいるのにこの状況は恥ずかしいですし、気づけば周りは野次馬の学生達に囲まれておりましたわ。
「カッカカカル。今はそんなことよりも状況を気付かれてますか?」
間近にこんな大勢から見られ内心パニックではあるか冷静にいってるつもりである。
「ははっ。リティは焦ってて可愛いね。こんな可愛いリティと婚約できて幸せだよ。そういえば婚約申し込みされたとき何と思ったって!?」
不敵な笑みでこの大勢の前でもう一度私に言え!!と嘆かけてくるカルを心底この王子めっ!!と思ったことは心に止めておこう。
ああ、この意地悪な瞳は物語っている。言うまでこの至近距離は崩さないよと。
はぁ………心でため息は許されますわよね。
「婚約申し込みされる時、カルは素敵な王子様でしたわ。」
自分も周りもシーーーンと静かになる。
小声で言ったつもりがとてつもなく自分の声が響き渡って目を見開いた。
「リティ嬉しいよ。」
カルだけが上機嫌であるため犯人はカルしかいないですわ。
カル何かしたでしょう!?
このことで私とカルは相思相愛な噂が流れ始めた。
……何てことをしてくれたんですの。
そこに人はいなかったはずですが………。
「で、何をしようとした?」
二人とも黙ってしまってカルが更に殺気がまして言葉だけでも怖い。
「ごっごめんなさい。言葉が出てこなかったのはびっくりしたからで……。」
何故か怖いと思ってしまうカルに素直に答えるとカルは私に近寄ってきて優しく微笑んでくれた。
「リティ何かされた?」
「いいえ。ただ話をしていただけですわ。」
「言い方を変えよう。何処を触られた?」
さわっ………そんなことされてな……いや、腕を引っ張られたからあれは触られたことになるのでしょうか。
「腕を引っ張られたので触られたと言えば触られましたがそれくらいですわ。」
「それくらい……ね。リティはわかってないな。またあとでゆっくりと話をしよう。それよりも……ブレーリ令息に聞きたいな。」
何故か怖いと思ってしまうのは気のせいでしょうか?
「リティアナに……婚約を申し込みたいと伝えて抱き寄せ………たくらいですかね。」
イグルスが少し恐縮しているのか珍しくは切れが悪い感じに答えた。
「へぇ。リティが私の婚約者だとわかってのことか?」
カルが私の腰を引きギュッと抱き寄せられる。
近い近いですわ。ここが何処かわかっていますか?
教室の前の廊下ですが………ほら窓の方に人影が見えます。
これって聞き耳たててますよね?
「正式な発表はまだみたいですが噂は聞いています。それにリティアナは幼馴染みと言ってましたよ。なら、幼馴染みである僕も可能性はある。」
いやいやいや、イグルスには幼馴染み感が強いから無理と伝えましたよね。
確かにカルとも幼馴染みだと言いましたよ。
でもイグルスを完全に否定する前に腕を引っ張られたから……話は通るわね。
ここははっきりと言わないといけませんわ。
カルから離れようとカルの胸元を押すがビクともしない。
いやいや、こんな抱き締められながらだと示しがつかないので離れたい。
更に力が強くなるんですが逃げるとでも思われてるのでしょうか?
もういいです。このまま話しましょう。
「イグルス………ごめんなさい。幼馴染みとしてしかみれませんわ。カルも幼馴染みですが……クラリスお兄様との方が濃いかと……いつもその間に入れてもらっていたくらいですから。幼馴染みなのですが、知り合いのお兄ちゃんみたいなもので可愛がってもらってましたわ。そこに恋愛感情はありませんでしたが………婚約申し込みは素敵な王子様でしたわ。」
言っていて思ったが婚約申し込みされるまで絡んできて鬱陶しいとさえも思っていた……ごめんなさい。
でもあんな告白を真面目にされると見る目が変わってしまうのは当然でしょう?
それまでは本当に知り合いのお兄ちゃん程度なのだ。
私が避けていたからでもありますが………幼馴染みよりも薄く更に関わりたくない一人でもありましたわ。
………まあ、クラリスお兄様から離れない私を邪険に扱わず一緒の輪にいれてくれた優しさはありましたよね。
ヒロインの攻略対象でなければ喜んで恋愛感情が芽生えてただろうけれど。
「リティアナはカルティド殿下の婚約者でいいのか?」
「うん。イグルスありがとう。」
イグルスがはっきり聞いてきたので、私もこの先もしヒロインとカルが恋に墜ちてしまっても後悔はしないように………自分に言い聞かせるように頷いた。
「なら見守ってるよ。その代わりカルティド殿下と何かあったら容赦なく口説かせてもらうよ。」
イグルスは本当に心配してくれてるのね。ありがとうとイグルスに微笑んでいると左頬に手を当てカルの方に向かされました。
えっ!?なんですの!?
「俺以外に微笑んでいるのは見過ごせないな。」
えっ!?今そこですの!?イグルスが目の前にいるのにこの状況は恥ずかしいですし、気づけば周りは野次馬の学生達に囲まれておりましたわ。
「カッカカカル。今はそんなことよりも状況を気付かれてますか?」
間近にこんな大勢から見られ内心パニックではあるか冷静にいってるつもりである。
「ははっ。リティは焦ってて可愛いね。こんな可愛いリティと婚約できて幸せだよ。そういえば婚約申し込みされたとき何と思ったって!?」
不敵な笑みでこの大勢の前でもう一度私に言え!!と嘆かけてくるカルを心底この王子めっ!!と思ったことは心に止めておこう。
ああ、この意地悪な瞳は物語っている。言うまでこの至近距離は崩さないよと。
はぁ………心でため息は許されますわよね。
「婚約申し込みされる時、カルは素敵な王子様でしたわ。」
自分も周りもシーーーンと静かになる。
小声で言ったつもりがとてつもなく自分の声が響き渡って目を見開いた。
「リティ嬉しいよ。」
カルだけが上機嫌であるため犯人はカルしかいないですわ。
カル何かしたでしょう!?
このことで私とカルは相思相愛な噂が流れ始めた。
……何てことをしてくれたんですの。
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