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第一章 ヒロイン編
15.
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家に帰りお父様とお母様、クラリスお兄様にカルからの婚約申し込みを了承したことを伝えると、数日後に行われる夜会で婚約発表となることを言われた。
数日後ってどれだけ前から考えられていたの?
用意周到ですわね……これって私が有無言わず決行されてたんじゃないかしら。
「リティ、婚約おめでとう。カルティド殿下との婚約だ、これから大変な思いもあると思うが私やチュナやクラリスが支えていくから何でも相談するんだよ。」
「そうよ。社交界は見た目の良さだけじゃないの。夫人やご令嬢達はいかに相手を陥れようかと考えてる方も中にはいるわ。王宮はもっと激しいわ………だから必ず何かあったら相談すること。その時はファシリック公爵に盾突こうとする人がどうなるか思い知らせてやるわ。」
お母様……始めはいい感じの話だったのに後半はどす黒い話になってますわ。
それだけ心配してくれているのですね。嬉しいですわ。
まあ、お母様の言うとおりファシリック家に盾突こうとする人は恐ろしい目に合うとは思いますの。
家の裏家業のことは伏せてありますからね。
「お父様、お母様、クラリスお兄様ありがとうございます。何かあれば必ずお話いたしますわ。
クラリスお兄様、カルと婚約はしますが私はお兄様が大好きなところは変わりませんわ。血が繋がっていなかったら絶対にお兄様と結婚したいですもの。一生お兄様ラブですわ。」
「ありがとう。でもカルティドの前ではやきもちやくからそれは言ってはいけないよ。」
「そういうものですか?」
「ああ。カルティドはリティに関してはそうなるな。」
クラリスお兄様に頭を撫でられ私は満足ですわ。
うーん。やきもち………そんな些細なことで妬かないでしょう。
カルは笑って済ませてくれそうですが、クラリスお兄様は何を心配されているのでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
「リティアナ、カルティド殿下と婚約すると聞いたが本当か?」
教室に入ろうとしていると真後ろから声を掛けられて気配を感じなかったから思わずビクッとなってしまった。
「なんだ、イグルスですの。急に話しかけられるからびっくりしましたわ。」
振り向くとイグルスが不機嫌そうな顔で立っていた。
「カルティド殿下と恋人じゃなかったんだろ?それが急に婚約者になるとか………。」
「そうだったのですが、、急展開がありまして。」
ふぅ……とため息をつきながら今までのことを思い返していた。ここ数日で目まぐるしく私の日常は変化していきましたわ。
「俺もリティアナを婚約者に考えていたのにな。」
まさかの言葉にイグルスを見上げると茶色の瞳と目が合う。
茶化してるんだろうと思っていたが真剣な顔だったから戸惑ってしまう。
本気で言ってるの??
なら私もはっきりと言わないといけないわね。
「………イグルスは幼馴染み感が強くて婚約とかはあり得ないですわ。」
「カルティド殿下も幼馴染みだったんじゃなかった?」
「そうですが…………。」
「俺にも可能性あるっことだよな?」
茶色の瞳が揺れ動いて私にイグルスの手が近寄ってきて腕を引き寄せられ抱き締められると思った瞬間
パァァァァン
とイグルスが弾かれお互い身体が離れる。
何今の!?
二人で呆然としていると
「何してるのかな!?」
後ろから殺気のオーラを的っているカルがいた。
数日後ってどれだけ前から考えられていたの?
用意周到ですわね……これって私が有無言わず決行されてたんじゃないかしら。
「リティ、婚約おめでとう。カルティド殿下との婚約だ、これから大変な思いもあると思うが私やチュナやクラリスが支えていくから何でも相談するんだよ。」
「そうよ。社交界は見た目の良さだけじゃないの。夫人やご令嬢達はいかに相手を陥れようかと考えてる方も中にはいるわ。王宮はもっと激しいわ………だから必ず何かあったら相談すること。その時はファシリック公爵に盾突こうとする人がどうなるか思い知らせてやるわ。」
お母様……始めはいい感じの話だったのに後半はどす黒い話になってますわ。
それだけ心配してくれているのですね。嬉しいですわ。
まあ、お母様の言うとおりファシリック家に盾突こうとする人は恐ろしい目に合うとは思いますの。
家の裏家業のことは伏せてありますからね。
「お父様、お母様、クラリスお兄様ありがとうございます。何かあれば必ずお話いたしますわ。
クラリスお兄様、カルと婚約はしますが私はお兄様が大好きなところは変わりませんわ。血が繋がっていなかったら絶対にお兄様と結婚したいですもの。一生お兄様ラブですわ。」
「ありがとう。でもカルティドの前ではやきもちやくからそれは言ってはいけないよ。」
「そういうものですか?」
「ああ。カルティドはリティに関してはそうなるな。」
クラリスお兄様に頭を撫でられ私は満足ですわ。
うーん。やきもち………そんな些細なことで妬かないでしょう。
カルは笑って済ませてくれそうですが、クラリスお兄様は何を心配されているのでしょうか。
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「リティアナ、カルティド殿下と婚約すると聞いたが本当か?」
教室に入ろうとしていると真後ろから声を掛けられて気配を感じなかったから思わずビクッとなってしまった。
「なんだ、イグルスですの。急に話しかけられるからびっくりしましたわ。」
振り向くとイグルスが不機嫌そうな顔で立っていた。
「カルティド殿下と恋人じゃなかったんだろ?それが急に婚約者になるとか………。」
「そうだったのですが、、急展開がありまして。」
ふぅ……とため息をつきながら今までのことを思い返していた。ここ数日で目まぐるしく私の日常は変化していきましたわ。
「俺もリティアナを婚約者に考えていたのにな。」
まさかの言葉にイグルスを見上げると茶色の瞳と目が合う。
茶化してるんだろうと思っていたが真剣な顔だったから戸惑ってしまう。
本気で言ってるの??
なら私もはっきりと言わないといけないわね。
「………イグルスは幼馴染み感が強くて婚約とかはあり得ないですわ。」
「カルティド殿下も幼馴染みだったんじゃなかった?」
「そうですが…………。」
「俺にも可能性あるっことだよな?」
茶色の瞳が揺れ動いて私にイグルスの手が近寄ってきて腕を引き寄せられ抱き締められると思った瞬間
パァァァァン
とイグルスが弾かれお互い身体が離れる。
何今の!?
二人で呆然としていると
「何してるのかな!?」
後ろから殺気のオーラを的っているカルがいた。
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