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第一章 ヒロイン編
22.
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カルは私が側にいないととんでもない王子様になるのかしら……なんて考える私は自惚れてるのかもしれないわ。
それにしてもクラリスお兄様、今日の正装がとてもよく似合っていて惚れ惚れいたしますわ。
チラチラとご令嬢達がお兄様を見てますわ………気付いておりましたがカルもずっと見られてます。
二人とも容姿がとてもいいですから……正装している姿は特に栄えますわね。
クラリスお兄様に抱きつき皆様を牽制したいです。
思いきりクラリスお兄様に抱きつきたい!!
「リティ、俺ではなくクラリスに抱きつこうとしているだろ。ずっとリティを見てきたんだ。思ってることはわかるよ。」
笑顔で図星を言ってきたカルにビクリと身体が反応する。
しかも、思考回路がわかるなんてどれだけ見てきたのですか……変態ですわ。
何故わかったのですか!?と不思議そうに見上げると、笑顔で怒ってるような気もしたがそれよりも少し影のある笑顔だった。
その顔はやめてください。
クラリスお兄様なのにカルに何故か罪悪感が生まれますわ。
「わかりましたわ。今はいたしません。」
「ふぅ。まだわかってないようだね。リティ帰る前に少しお話をしよう。」
今はカルにはっきり伝えとかないと後でとんでもないことになりそうだわ。
「カル、私は側におりますのでよからぬことはしないでくださいね。」
そっと手を握りながら笑顔で話すとカルはあからさまに嬉しそうな顔をしてギュッと握り返された。
「リティが側にいるなら何もしない。」
はぁ……ヤバイですわ。
カルの発言は怖いと思いますのに、私をそれほど求めてくれて嬉しいと思ってしまう自分がいますわ。
しかし、私が気を付けていなければいけませんわね。
私が何かあるとカルがとんでもないことをしかねません。
クラリスお兄様もそこを危惧してるのでしょうね。
さりげなく手をはずそうとするがその度にギュッと握られて離れません。
腰を抱かれていた時も思いましたが、カルは一度くっついたら取れない何かですか?
「カル兄様、リティアナ・ファシリック公爵令嬢婚約おめでとう。」
呼ばれた方を向くと第2王子のロレイン殿下がいた。
カルはさらさら金髪の黄金の瞳だが、ロレイン殿下はくせっ毛の金髪で同じく黄金の瞳で双子か?と思うくらい似ており髪の質だけ………は言い過ぎですが後は身長がカルの方が少し高いくらいで、性格以外は本当にそっくりなのです。
ロレイン殿下は私と同じ年なので成長段真っ只中。カルにも言えることではありますが、まだまだこれから追い付くかもしれませんわ。
「ロレイン殿下、お久し振りですわ。隣国に飛び級で留学されていたと聞いておりましたが、今日は帰ってきてくださっていたのですね。」
「ふふ……当たり前じゃないか。まさかリティアナとカル兄様が婚約するなんてね。せっかく帰ってきたのだから後日ゆっくり話をしような。」
「また後程語らいましょう。色々と。」
はぁぁ嫌ですわ。この悪魔の微笑みのロレイン殿下……いやロレインは幼馴染みである。実はカルよりも仲が良かったのはロレインの方だったわ。しかもこのロレインは極度のブラコンである。私達はお兄様を愛する同盟を組んで、小さい頃からの二人で自分のお兄様はいかに素晴らしいか愛してるかを語り合ったものだ。
…………だから嫌ですわ。私が大好きなカルと婚約したから絶対に小言を言われるわ。
今だって笑顔が笑っておりませんもの。
「前から思ってたけどレインとリティは仲が良いな。」
なんだろ……ただ懐かしい思い出として出た言葉なのだろうが刺々しいオーラが漂ってますが……。
「それは俺も思ってたな。リティとロレインでなにやらこそこそとしてることが多かったな。」
クラリスお兄様知ってたの!?
ロレインと私でよくお兄様達の後をつけてましたものね。
あれは決して仲良かったとかではなく、お互いのお兄様達を見ながらにやにやしていただけなのですわ。
……何て言えませんわ。私達は昔からお兄様達のことに関してはTHE変態でしたから。
カルの手を握っていた手を思いっきり離しロレインに近寄ってクラリスお兄様達に聞こえないように、
「クラリスお兄様に言ったら許しませんわよ。」
「カル兄様に言ったら許さないからな。」
と同じ事を考えてたらしくこそこそと話していた私は気付いていなかった。
クラリスお兄様にバレないようにと必死になり、火事場のバカ力を自然と出し、カルの手を払い除けていたことに数分後に気付いたときには遅かったのです。
それにしてもクラリスお兄様、今日の正装がとてもよく似合っていて惚れ惚れいたしますわ。
チラチラとご令嬢達がお兄様を見てますわ………気付いておりましたがカルもずっと見られてます。
二人とも容姿がとてもいいですから……正装している姿は特に栄えますわね。
クラリスお兄様に抱きつき皆様を牽制したいです。
思いきりクラリスお兄様に抱きつきたい!!
「リティ、俺ではなくクラリスに抱きつこうとしているだろ。ずっとリティを見てきたんだ。思ってることはわかるよ。」
笑顔で図星を言ってきたカルにビクリと身体が反応する。
しかも、思考回路がわかるなんてどれだけ見てきたのですか……変態ですわ。
何故わかったのですか!?と不思議そうに見上げると、笑顔で怒ってるような気もしたがそれよりも少し影のある笑顔だった。
その顔はやめてください。
クラリスお兄様なのにカルに何故か罪悪感が生まれますわ。
「わかりましたわ。今はいたしません。」
「ふぅ。まだわかってないようだね。リティ帰る前に少しお話をしよう。」
今はカルにはっきり伝えとかないと後でとんでもないことになりそうだわ。
「カル、私は側におりますのでよからぬことはしないでくださいね。」
そっと手を握りながら笑顔で話すとカルはあからさまに嬉しそうな顔をしてギュッと握り返された。
「リティが側にいるなら何もしない。」
はぁ……ヤバイですわ。
カルの発言は怖いと思いますのに、私をそれほど求めてくれて嬉しいと思ってしまう自分がいますわ。
しかし、私が気を付けていなければいけませんわね。
私が何かあるとカルがとんでもないことをしかねません。
クラリスお兄様もそこを危惧してるのでしょうね。
さりげなく手をはずそうとするがその度にギュッと握られて離れません。
腰を抱かれていた時も思いましたが、カルは一度くっついたら取れない何かですか?
「カル兄様、リティアナ・ファシリック公爵令嬢婚約おめでとう。」
呼ばれた方を向くと第2王子のロレイン殿下がいた。
カルはさらさら金髪の黄金の瞳だが、ロレイン殿下はくせっ毛の金髪で同じく黄金の瞳で双子か?と思うくらい似ており髪の質だけ………は言い過ぎですが後は身長がカルの方が少し高いくらいで、性格以外は本当にそっくりなのです。
ロレイン殿下は私と同じ年なので成長段真っ只中。カルにも言えることではありますが、まだまだこれから追い付くかもしれませんわ。
「ロレイン殿下、お久し振りですわ。隣国に飛び級で留学されていたと聞いておりましたが、今日は帰ってきてくださっていたのですね。」
「ふふ……当たり前じゃないか。まさかリティアナとカル兄様が婚約するなんてね。せっかく帰ってきたのだから後日ゆっくり話をしような。」
「また後程語らいましょう。色々と。」
はぁぁ嫌ですわ。この悪魔の微笑みのロレイン殿下……いやロレインは幼馴染みである。実はカルよりも仲が良かったのはロレインの方だったわ。しかもこのロレインは極度のブラコンである。私達はお兄様を愛する同盟を組んで、小さい頃からの二人で自分のお兄様はいかに素晴らしいか愛してるかを語り合ったものだ。
…………だから嫌ですわ。私が大好きなカルと婚約したから絶対に小言を言われるわ。
今だって笑顔が笑っておりませんもの。
「前から思ってたけどレインとリティは仲が良いな。」
なんだろ……ただ懐かしい思い出として出た言葉なのだろうが刺々しいオーラが漂ってますが……。
「それは俺も思ってたな。リティとロレインでなにやらこそこそとしてることが多かったな。」
クラリスお兄様知ってたの!?
ロレインと私でよくお兄様達の後をつけてましたものね。
あれは決して仲良かったとかではなく、お互いのお兄様達を見ながらにやにやしていただけなのですわ。
……何て言えませんわ。私達は昔からお兄様達のことに関してはTHE変態でしたから。
カルの手を握っていた手を思いっきり離しロレインに近寄ってクラリスお兄様達に聞こえないように、
「クラリスお兄様に言ったら許しませんわよ。」
「カル兄様に言ったら許さないからな。」
と同じ事を考えてたらしくこそこそと話していた私は気付いていなかった。
クラリスお兄様にバレないようにと必死になり、火事場のバカ力を自然と出し、カルの手を払い除けていたことに数分後に気付いたときには遅かったのです。
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