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第一章 ヒロイン編
46.
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「カル?」
なんでここにいるんですか?
さっきまで誰もいなかったですのに………。
カルと目が合うと、エスト・グレニチェの手を払いのけカルは私を引き寄せ抱き締めた。
「ネックレスに変化があったから来てみればエスト、君の仕業か!!」
「さすが早かったですね~。しかもこんなに焦ってるカルティド殿下は初めて見ましたよ。リティアナ嬢が大切なんですね。」
カルの威圧に動じることなく前髪をかき上げにっこりと笑顔で話すエスト・グレニチェ。
前髪を上げると整った全体の顔が見えてそれはそれは令嬢達が騒ぐに違いない美男子でしたわ。
さすが攻略対象です!!美形揃い感半端ないですわ。
しかし見ていると二人は仲が悪いのでしょうか?
その前に知り合いでしたのね。
「リティは俺の大切な人だ。それなのにエストはリティに近づいた上にネックレスを触ったな。今すぐにでもリティに触れたエストの手を切り落としたいね。」
出だしはとても嬉しい言葉だったのですが、だんだんと雲行き……というか恐ろしいことを言い出しましたわ。
エスト・グレニチェはカルの言葉を聞きながら微笑んでおり余裕すら見えますわ。
「切り落とされたら困るな。それにしてもリティアナ嬢は凄いね!カルティド殿下がここまで感情を剥き出しにすることは滅多にないよ。女嫌いと思っていたが想い人がいたからだったのか。どれだけの令嬢が泣くことか……ははっ。」
そうなのでしょうか?
私の前だとカルは表情豊かなような気がします。
エスト・グレニチェの最後の言葉は納得ですわ。
カルのことを好きな人はいたと思うのです。
皇太子だからとかではなく素直に優しいから……やられたご令嬢は数えきれないほどいるでしょうね。
「リティにもう絡むなよ。」
「…………同じクラスだしどうでしょうね。とりあえずここからは退散しますよ。あっ、誤解されないように言いますがリティアナ嬢はこの部屋に一人先にいましたよ。俺が連れ込んだわけではないので………それじゃ、またねリティアナ。」
最後呼び捨てでしたが…………もう正す気がおきませんでしたわ。
それよりもカルに抱き締められてる力がだんだん強くなって、怒ってるであろうカルの方が気になってしかたありません。
それに暴露して颯爽と行かなくてもいいじゃないですか。
………どっちにしてもカルにはエスト・グレニチェと二人でいたところを見られたので最初から説明をしなければなりませんが………今回は私の不注意です。
心配をかけたくはありませんわ。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
「くそっ!!なんなんだあの笑顔は…………。」
部屋を出てすぐに転移魔法で屋上へうつった。
誰にも見られたくない顔を隠すために……今の俺は顔が火照っていて真っ赤だろうな。
最初はあのカルティド殿下の婚約者だからからかってやろうと近づいたのに……前髪を掻き分けられて綺麗とキラキラした瞳で見つめられ、あの屈託のない笑顔を向けられるととても正気じゃいられなかった。
カルティド殿下を呼ばなければリティアナを抱き締めていたかもしれない。
「やばいよな……カルティド殿下の婚約者なのに……。」
なんでここにいるんですか?
さっきまで誰もいなかったですのに………。
カルと目が合うと、エスト・グレニチェの手を払いのけカルは私を引き寄せ抱き締めた。
「ネックレスに変化があったから来てみればエスト、君の仕業か!!」
「さすが早かったですね~。しかもこんなに焦ってるカルティド殿下は初めて見ましたよ。リティアナ嬢が大切なんですね。」
カルの威圧に動じることなく前髪をかき上げにっこりと笑顔で話すエスト・グレニチェ。
前髪を上げると整った全体の顔が見えてそれはそれは令嬢達が騒ぐに違いない美男子でしたわ。
さすが攻略対象です!!美形揃い感半端ないですわ。
しかし見ていると二人は仲が悪いのでしょうか?
その前に知り合いでしたのね。
「リティは俺の大切な人だ。それなのにエストはリティに近づいた上にネックレスを触ったな。今すぐにでもリティに触れたエストの手を切り落としたいね。」
出だしはとても嬉しい言葉だったのですが、だんだんと雲行き……というか恐ろしいことを言い出しましたわ。
エスト・グレニチェはカルの言葉を聞きながら微笑んでおり余裕すら見えますわ。
「切り落とされたら困るな。それにしてもリティアナ嬢は凄いね!カルティド殿下がここまで感情を剥き出しにすることは滅多にないよ。女嫌いと思っていたが想い人がいたからだったのか。どれだけの令嬢が泣くことか……ははっ。」
そうなのでしょうか?
私の前だとカルは表情豊かなような気がします。
エスト・グレニチェの最後の言葉は納得ですわ。
カルのことを好きな人はいたと思うのです。
皇太子だからとかではなく素直に優しいから……やられたご令嬢は数えきれないほどいるでしょうね。
「リティにもう絡むなよ。」
「…………同じクラスだしどうでしょうね。とりあえずここからは退散しますよ。あっ、誤解されないように言いますがリティアナ嬢はこの部屋に一人先にいましたよ。俺が連れ込んだわけではないので………それじゃ、またねリティアナ。」
最後呼び捨てでしたが…………もう正す気がおきませんでしたわ。
それよりもカルに抱き締められてる力がだんだん強くなって、怒ってるであろうカルの方が気になってしかたありません。
それに暴露して颯爽と行かなくてもいいじゃないですか。
………どっちにしてもカルにはエスト・グレニチェと二人でいたところを見られたので最初から説明をしなければなりませんが………今回は私の不注意です。
心配をかけたくはありませんわ。
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「くそっ!!なんなんだあの笑顔は…………。」
部屋を出てすぐに転移魔法で屋上へうつった。
誰にも見られたくない顔を隠すために……今の俺は顔が火照っていて真っ赤だろうな。
最初はあのカルティド殿下の婚約者だからからかってやろうと近づいたのに……前髪を掻き分けられて綺麗とキラキラした瞳で見つめられ、あの屈託のない笑顔を向けられるととても正気じゃいられなかった。
カルティド殿下を呼ばなければリティアナを抱き締めていたかもしれない。
「やばいよな……カルティド殿下の婚約者なのに……。」
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