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第一章 ヒロイン編

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私は最初から全て詳細に事のなり行きを話しましたわ。
カルの膝に跨いで顔が近いからよくわかりました………カルが不服そうな表情をしているのが。
きっとどんな状況にしろエスト・グレニチェと二人になったのが嫌だったのかと自意識過剰になってしまいます。

「話はわかった。リティをはめたクラスメイトは後でをするとして、聞きたいことがあるんだ。」

不穏なことを言っているような気がするが受け流すとしますわ。

「なんでしょうか?」


「リティが話してくれた中でとかとはどういう事かな?」


カルの言葉に固まって目を見開いた。
何故その単語が…………私詳細に話しすぎてしまったのでしょうか。

「リティが何かを隠してたのは気づいてるよ。今の反応からしてこの単語はその一部かな?いいよ。」

笑顔でカルが私を見つめながら言ってきますわ。
言うつもりなかったのに……私はなんてバカなんでしょう。
でも、、前世の記憶があるとかゲームの世界だったとか……言って信じてくれるでしょうか。
………一番怖いのはカルとヒロインのことを話すこと。聞いたらどう思うでしょう。
私の事は見向きもしなくなるのでしょうか………とても怖いです。
あれほど、イベントを見れるだけで嬉しいと言っていた私は何処にいってしまったのでしょう……結局は、カルを好きになってしまったから言うのが怖くなったんですわ。

「何か不安があるのか?なら、リティが不安にならないように俺の事でいっぱいにしよう。」

「どういうい…………んっ。」

どういう意味か聞こうとしたら唇を塞がれて喋れなくなりました。
ちょっちょっと待ってください。
カルが私の腰に腕を回してガッチリとホールドされているのでこの体制から逃げられないです。
ヤバイ……ヤバイですわ。
跨いで座っているので全体がいつもよりカルに密着してカル自身の熱が伝わってきます。
服装も薄いのでより伝わってきて恥ずかしさと………カルからのキスが……カルの身体の熱が気持ち良くてとても冷静ではいられません。

「んっ………ふっん………。」

カルに話したくても唇が離れたと思ったらすぐに塞がれて

「おれの事だけ考えれば何も不安がなくなるだろ。」

耳元でいい声で呟かれると身体に力が入らなくなってしまいました。
カルは自分の魅力をわかってませんね。
キスをしてるときのカルはいつもより瞳に熱を帯びていてとろんとした顔をしているのです。
私も幼い頃からカルを知ってはいましたが、こんなカルを見るのはキスをしてからですわ。
口が避けても言えませんが、この時のカルには弱いのです。
言われなくてももうカルのことしか考えられませんわ。
私の唇を貪っていたカルが急に唇を離して私を見つめ

「リティ、話してくれる?」

私は自分の唇を指先で触れながらコクリと頷いた。
話をしてカルが離れたら私では引き止められなかっただけですわ。
いずれそんな未来が来るのなら今ここで覚悟を決めた方がいいです。
ただ………その前に………私は自分の唇を触っていた指先で今度はカルの唇を触れた。
自分の身体が火照っているのがわかる。

カルが欲しい。

「もっと欲しい?リティ言わないとわからないよ。」

意地悪です………自信満々にニヤッと笑い私を見つめているカルは確信犯です。

「………………………カルにキスしてほしいです。」

だけ?ん~それでもリティが自分から言った事は進歩だね。おいで。」

今はもうカルしか見えていない自分を自覚しながら、触っていたカルの唇に自分の唇をゆっくりと重ねた。
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