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第一章 ヒロイン編

52.

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頭がスッキリしないまま辺りを見渡すと端麗な顔が飛び込んで来た。
寝顔はこんなに穏やかなのに………カルの重い………いや想いは激しいのですね。
正直どれくらいの時間がたっているのでしょうか?

確か最初に目覚めたときは………
目覚めて隣を見るとカルの端麗な顔が飛び込んできました。
目を閉じててもとてもかっこいいです。
 
「大好きです。」

「俺も。」

「………起きてたんですね。」

「リティが気持ちよくて気絶したから嬉しくて眺めてたんだよ。」

カルに言われたことが図星で真っ赤になりながら俯いてしまう。

「幸せですわ。」

「俺も幸せだよ。」

ギュッと抱き締めてくれてまだお互い服を着ていないためカルの体温が全身で感じられ恥ずかしさ倍増です。

「あっ、外が暗くなっているようですが今何時ですか?帰らないとクラリスお兄様やお母様達が心配してしまいますわ。」

「今はもう夜中だよ。リティの家には俺から使いを出してるから心配しなくていい。それよりも俺に抱かれながら他の男の名前クラリスを出すのは駄目だ。」

「他の男ってクラリスお兄様ですよ?」

「兄弟でも駄目だ。クラリスは特にリティが前世で好意を持っていたんだろ?」

「好意っていうか憧れではありましたが………カルなんか感情がストレートになってませんか?」

「リティを抱いたら余計離せなくなったな。」

頭がくらっとして気を失いそうになる。
こういう関係になればカルも私のことを落ち着いてくれるかと思ったが逆に溺愛が加速している。
なんでこんなことになったのでしょう?
そして当然のようにカルが触れてきましたわ。

「カッカル?沢山…………しましたわ。遅くても帰らないとんっ…………。」

突然深いキスをされ言葉を遮られ、一時口の中を堪能されてからカルが熱を帯びた瞳で私を見つめ

「足りない。まだまだ足りない。リティを離さない。」

恐ろしいことを言い出しましたわ。
足りない??何度もしたのにまだ足りない?
カルの元気はどこから来るのでしょう?
カルの事好きだから受け入れられますが、時々重………想いが溢れていて大変ですね。



あのまま結ばれてから何日かたっているような気がするのです。
窓のカーテンは閉めっぱなしで分かりづらいですが隙間から目を開ける度に何度か日差しが差し込んでたような気がします。
その間、目覚めてはカルに抱き潰され私を離してはくれず、お腹空いたと伝えれば部屋に料理が運ばれてきましたし、お風呂に入りたいと言えば一緒にはいって抱き潰されお風呂に入ってたのによくわからない状況になってましたわ。
トイレは断固と拒否させていただきましたけれど………カルの想いは重い………いえ溺愛が半端ないですわ。
私が知らなかっただけでこんな性格だったのかな?
18禁ゲームではなかったはずなのに純粋な恋愛ゲームだと記憶してたのに………溺愛ルートはまた違った内容だったのか……やってない私にはわかりません。

とりあえず、何か服を着ないと……とベッドから出ようとしたら腕を引っ張られ引き寄せられました。
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