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第一章 ヒロイン編

53.

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「5日間たってるよ。」

「私耳がおかしくなったかもしれないです。何日ですか?」

「5日間だよ。あっ、もう夜中だから6日目突入だな。」

「5日間…………。私はベッドの上でほとんど過ごしてましたわ。」

「ずっと過ごしてたのはだよね。」

カルの腕の中でと強調されましたわ。
はっきり言うのが恥ずかしくて暈しましたのに……言い直されてよけい恥ずかしいです。
しかも、引き寄せられてからずっと離してくれません。
逃げると思ってるのでしょうか?

「恥ずかしいですが、この5日間カル以外記憶にないです。」

私の言葉に満足したのかとても機嫌がよくてにこにこしてますわ。

「 リティ最高だな。」

「カルが嬉しいのはよくわかりましたわ。ですからこの手をずらしてください。」

抱き締めながらずっと私の胸を覆いながら揉むのをやめてください。 
裸なので直接で変な気持ちになってくるのです。

「俺に触られるの好きって言ってたじゃないか。」

「あっあれはしてるときの話で…………カルに触られるのは好きですが今は落ち着かないどころか変な気持ちになってしまいますわ。」

「へぇ、リティは俺がまだ足りないんだね。」

「足り…………そういうことではなくて、カルがその…………いっいいいい厭らしい触り方をしてくるからです。」

頬を膨らませながら睨むと

「はぁ、リティは本当に可愛いな。俺を煽るのが上手だ。」

えっ!?ええっ!?
今の何処にそんなカルを挑発するところがありましたか?
カルがうっとりした瞳で私を見つめて唇をペロリと舐めた。
あっヤバイです。この表情になったカルは私を抱き潰すまで抱き続けますわ。

「カルは皇太子です。こんなに私ばかりに構っていてはいけないでしょう!それに家にも帰らず学園も私無断でお休みしてしまってますわ。」

カルが私を貪る前に聞きたいことを伝えるとクスクス笑いながら

「リティが寝ている間に仕事は済ませてるから大丈夫だよ。それに学園には在籍しているが俺やクラリスは飛び級してるからもう講義は受ける必要ないんだよな。学園卒業してもよかったんだが、リティが入学してくるからと俺やクラリスは残ってるだけだ。リティは皇太子妃教育でお休みしてることになってるよ。」

色々と突っ込みたい衝撃発言ばかりでした………何から聞いたらいいのか混乱しますわ。

「私の家は………?」

「あぁ、ファシリック公爵夫妻やクラリスとも話し合いをして、これから一時リティは俺と一緒に王宮で暮らすことになってるから。」

「はい??」

一番突っ込みたいことが発生しました。
ここに暮らす??
一時帰れない??
どういう事でそうなったのでしょうか!?

「さっ、リティの悩みは解決だな。」

いやいや、解決しておりませんわ。

「カッカル………んっ。」

これ以上は待てないと言わんばかりに唇を塞がれカルからのキスはとても甘くて私の思考を停止させるには十分でした。



これから久しぶりの学園で騒動に巻き込まれる事になるとは考えもしなかった。
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