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第一章 ヒロイン編

54.

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ようやく学園に行くことが出来ましたわ。
カルは私を離してくれず今朝までずっと抱き潰され、7日間もベッドの上………カルの腕の中で過ごしました。
必然的にずっと身に付けるものがなく裸だった為、今来ている制服がなんだか現実に戻れたと実感できます。
カルの部屋にいるとずっと抱かれるから身に付ける暇がないので裸族にでもなった気持ちになりましたわ。
皆さんもあんなに濃厚に普通過ごすのかな…………経験がない私にはわからないですが私には全部が新鮮で濃厚な時間でした。

「ねぇ、イグルス。みんなの様子がおかしいの。」

イグルスが席を立つタイミングで声かけてしまったからそんな顔をしてるのかとても呆れた顔をしていた。

「そんな顔をしなくてもいいじゃない。私だって朝から私を見るみんなの視線を感じていたわ。最初は気にしないようにしてたんだけど……昼になっても視線を感じるから気のせいじゃない気がして…………。」

頬に手を当てて自分の気のせいかと考えながらイグルスを見ていると

「お前なぁ、今さらかよ。あからさまに視線がリティアナに集中してるじゃないか。」

「それは薄々感じてたけど、イグルス私ってどこか変なのかしら?スカートかしら?髪型とか?」

イグルスの前でスカートをヒラヒラと揺らしながら首をかしげ、ハーフに束ねてる髪を触りながらイグルスを見ると顔が真っ赤になっていた。

「…………………。」

「イグルス?」

「…………そういうところだよ。」

「そういうところ??」

全く意味がわからないです。
首をかしげながら必死に考えるけれど全くわかりません。

「リティアナ、カルティド殿下とあっただろ?」

「何か…………とは……。」

ドキッとしましたわ。まさかがばれたんじゃないでしょうね?
それは恥ずかしすぎますわ。

「そうか……やっぱりな。はぁ……数日見ないだけでリティアナ変わったもんな。それでも俺はお前が好きだからな。周りもリティアナが変わった色気が増したことで見てるんだよ。」

変わったか……王宮に泊まってカルと過ごした以外は何もなかったんですが………皇太子妃教育を受けてたと思われてるはずなのでそういう意味ですかね?
それなら話を合わせていないとだめですよね。

「変わった?私が?うーん……私はいつも通りなんですがね。王宮で過ごしていたので身に付いた皇太子妃教育のかもしれませんね。」

本当は皇太子妃教育なんて受けてなくてカルから抱かれて過ごしてたなんて口が避けても言えません。
あの数日間は本当に身体が蕩けてしまいましたわ。

「たとえリティアナが変わって誰かのものになっても俺はリティアナのことが好きだ。」

「ん??イグルス何か言いましたか??」

あのときの事を思い出していたので聞き逃してしまいました。
イグルスが悲しげな表情で私を見ているので気になってしまうではないですか。

「リティアナ俺は「リティアナ・ファシリック公爵令嬢!!」

イグルスが何かを言いかけたとき、大きな声で名前を呼ばれ振り替えると会いたくない人が立ってました。
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