お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

文字の大きさ
55 / 98
第一章 ヒロイン編

55.

しおりを挟む
「カルティドやりすぎだ。」

「手加減してるんだけどな。」

「俺の大事なリティをよくもあそこまで変えさせたな。おかげで、学園で注目を浴びてるじゃないか。」

「あぁ、朝から胸くそ悪いんだよな。みんなリティを変な目で見やがって。」

「お前のせいだろ!!カルティドの婚約者になっただけでも注目を集めてたんだ。それを今度は軟禁してカルティドが溺愛したからリティがあんなに注目されてるんだよ今日は。」

「クラリスが言っていることも一理あるが、もともとなんだよな。リティは可愛らしいし綺麗でもあるから入学したての頃婚約前は注目集めてたからな。」

「そんな怖い顔するな。そういうやつらを裏で根回しして排除してたじゃないか。」

そう、カルティドはリティに婚約申し込みしてきた者や好意を寄せてそうな者を片っ端から片付け自分の婚約者にした。
はぁ………どんだけリティにだけ執着が激しいんだ。
カルティドの性格はわかってるつもりだったが、リティのことだけは激しい。
リティはカルティドから二度と逃げることができないだろうな。
大切な妹を溺愛してくれる相手だからいいが………激しすぎる。

「まぁね。リティには言うなよ。」

「わかってるよ。リティは何も知らない……ていうか言えるわけがない。カルティドの裏の性格が腹黒いなんて。」

「ある程度いい子ちゃんでいればバカな貴族は油断してくれるからな。一種の小さい頃からの習慣だな。」

クスクスと笑いながら悪い顔をして言うカルティドを見ながら、習慣ではなくもう性格の一部になってるだろ!と突っ込みたいがここは何も言わないでおこう。

「はぁ………リティに会いたい。抱きしめてリティの温もりを感じたい。リティの潤んだ瞳に見つめられると理性が飛ぶんだよな。」

「お前、実の兄の前でよく言えるな。」

だから言ってるんだ。」

「はぁ………何度も言うがリティは実の妹で家族愛だ。俺を牽制しても意味ないぞ。」

「……まぁいい。クラリス俺を裏切るなよ。」

「当たり前だ。」

なんだその顔は。カルティドは何を疑ってるだ?
カルティドは皇太子として申し分ない存在だ。それに俺達家族にとって大切な妹を溺愛しているカルティドはありがたい存在だ。
リティ以外に目を向けず幼い頃から狙っていたとわかったときは恐ろしい執念を感じたが、それだけ想ってくれているなら側室など取らずリティ一人だけを愛してくれて幸せになれるだろう。

しかし、リティが王宮で過ごしてから余計に俺へのあたりが強くなったような………気のせいか?

「今は教室にいるのか。イグルスと話してるみたいだけど何話してるんだろ。またリティに触れようとすると腕を切り落としてやろうかな。」

「???」

何から突っ込んでいいかわからないくらい色々と爆弾発言をするカルティドを目を見開いて見ていると、

「言うなよ?リティのことは全て知っておきたいだろ。そんな顔するなよ。大丈夫、さすがにファシリック公爵家のことは監視してないから。」

……恐ろしいな。
端麗な顔が満面の笑みを浮かべ俺に言ってくる。
どうやってやっているのか………は聞かないでおこう。

とりあえずファシリック公爵家は監視してないことだけわかったからよしとしよう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。 この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。 そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。 ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。 なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。 ※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...