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第一章 ヒロイン編

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「それは本当か!?」

「はい。あのバカ兄とシスト・イークス侯爵令嬢、サラリー・モーリス男爵令嬢そしてエバ・カーシス子爵令嬢が加担しています。あのバカ兄の部屋で作戦を練っていたらしく残っていたメモ紙には『ファシリック令嬢、ツリース✕、王宮、カーシス○』とだけ残されてました。」

「ツリース!?イークス侯爵夫人にモーリス男爵夫人が中心となっていたあの組織か……あの二人がつるんでるわけだ。やはり子供までも関わっていたのか。」

クラリスは驚いたと言うよりも予想的中かとあきれた顔をしている。

「クラリス兄、そのツリースとは何ですか?」

「ツリースは、イークス侯爵夫人とモーリス男爵夫人が中心に結成された女性の火遊び男性遊びだ。開催は月二回行われており表向きはお茶会だが、呼ぶのは令嬢と貴族の男達だ。そこでは好みの男性を選んでを過ごすらしい。みんな割りきった関係だとわかっているが、に熱心な令息が邪険にされたから周りに喋ってるらしい。だから主催者は割れてはいないが今は令嬢と令息の間ではちょっとした噂になっているよ。」

「まさか、あのバカ兄も行ってるんじゃないだろうな?」

「俺が調べた限り行ってないよ。だが、公爵令息が行くとなると大事だ。令息の中でもトップに立つ自覚はブレーリもあるはずだ。本当のバカじゃなければ考えてはいるだろう。今行っているのは男爵もしくは子爵の令息達だ。」

「はぁ………バカ兄が自爆するのはいいがブレーリ公爵家を巻き込むのだけはやめてほしいな。」

「ブレーリは公爵家を継ぐつもりでいるから下手な真似はしないだろう。」

二人のやり取りを見ながら、カーシスの名前に引っ掛かっていた。

「それよりもリティの名前に王宮、カーシス○が気になるな。そういえば、この前入った王宮の侍女にサルコー家の者がいた。」

「サルコー家と言ったらカーシス子爵の従兄弟だよな。何か関係が………おい、今リティは何処にいる?」

部屋皇太子の部屋にいるが……まさか!?」

深刻な顔で頷くイグルスとクラリスを見て自分の甘さに反吐が出そうだ。
俺の部屋皇太子の部屋には今は誰も近寄らせていないがそれが逆にリティがいると断定できる。
くそっ!!急に侍女だと入ってきてもリティは警戒しないだろう。
抱いてる間も必ずネックレスは外していない。
リティがネックレスを外さない姿を見ると俺のだと主張してくれてるみたいでとても安心できていた。
身に付けているリティに男は触れられないがは別だ。

「リティが危ない!!」
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