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第一章 ヒロイン編

67.

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バシッと頬を叩かれ唇からタラーと血が垂れた。
痛い…………思いっきり叩きましたね。

「私の邪魔ばっかりしてウザいんだよ!!カルティドと私が結ばれるはずだったのに邪魔しやがって。」

いつものおしとやかな感じではなく口が悪くなってますが、普段からこんな感じの方なのでしょうか。
それにしても結構切れてしまったのでしょうか、口の中が血の味が充満してます。

「………モーリス男爵令嬢。これはあなたの仕業?」

「ええ、そうよ。あなたさえいなければカルティドは私を見てくれるわ。」

「いっ…………っ。」

髪の毛を掴まれ上を向いたとき血走った目をしたモーリス男爵令嬢ヒロインと目が合う。

「いいわね~。なにも苦労せずに先に出会っただけでカルティドとくっつけるんだもの。でももう身を引いてほしいの。が出会ったからもうあなたは必要ないわ。本当はブレーリ公爵令息ににしてもらう予定だったんだけど、何故か男があなたに触れられないのよね。とりあえずこの艶のある肌を傷だらけにしてあげようかな。ここにいるララ・サルコーは趣味が変わっていてね~あなたファシリック令嬢を気に入ると思ったのよ、ふふふ。」

なになになに?
恐ろしいことをスラスラ言われました!
いろんな突っ込みをしたいです。
あいつに…………考えただけでも身体が拒絶して無理です。もしそうなった時は舌噛んで死んだ方がましですわ。
触れられないが首もとにあるネックレスを感じながらカルが守ってくれてることに感謝です。

「私ね、昔からお人形さんがとっても好きなの。生きてる人間と違ってとても肌が綺麗で……でも間違っていたわ。ファシリック公爵令嬢ってとっっても綺麗な肌で私の理想そのものだわ。初めてよ生きてる人間をそんな風に思うのは。皇太子なんかよりも私が毎日お手入れをして大切にしてあげるわ。」

「私はそんな綺麗ではないし、あなたの期待に応えられないわ。」

うっとりと私を見つめてるララ・サルコー令嬢を震えながら見上げるとふふふっと笑い私の胸元のワンピースをビリッと破かれ胸半分が露になってとても恥ずかしいです。

「なっななななななにをしますの!?」

「ん~とっても素敵だわ。きめ細かい肌、胸の形もとても綺麗で大きさもある。整った顔に銀色の髪に濃い紫の瞳、う~んんんん。こんな生きてる人間がいるなんて最高だわ。」

私はいつか殺されるんじゃないだろうか。
この人は今の私を好きだろうけど年をとると変わるもの。

「もっと破いて見せろよ。リティアナはいい女に育ったな。はぁぁぁ触れたくなるな。触れられないのが残念だ。俺の手の中でめちゃくちゃにしたい。」

近づいてきて私の胸と顔を舐め回し鼻息を荒くして言う言葉に気持ち悪さだけが込み上げてくる。

「ちっ近寄らないで気持ち悪い。」

「はぁぁぁぁ。触れないのは酷だな。その胸に顔を埋めたい。」

ききききききききき気持ち悪い!!!!!
嫌な人に言われるとこんなに気持ち悪いんですね。
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