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第一章 ヒロイン編
68.
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触られないことはわかってますが、嫌です。
嫌です!!鼻息が荒い顔を近づけてこないで。
「いやっ…………。」
「触れないから見るだけだよ。リティアぐふっっっっ。」
気持ち悪い顔をしたあいつが目の前から消えました。
何が起こったのでしょう?
壁側には唸りながら血を流して倒れているあいつがいます。
「俺のリティに近づくな。」
声が聞こえた方を見るまでもなく目頭が熱くなり涙がこぼれる。
いつもより苛立っている声色ですが私にとって安心する声。
椅子に縛り付けられ動けず顔だけ向けた。
「カルぅっっっ………。」
自分で思ってたより緊迫してたのか、カルの後ろにクラリスお兄様とイグルスも見えて安心してしまってボロボロと涙が止まらない。
「ツルツルの白い肌。整った愛らしい顔立ち……成長するに連れ美人にもなるでしょう。今後もっと輝く原石ですわ。カルティド皇太子……いいえ、男には勿体ないです。」
こんな時でもララ・サルコー令嬢はブレないんですね。
でも……ここはブレておくべきでしたわ。カルから凄くどす黒いオーラがひしひしと伝わってきます。
私の側にいたララ・サルコー令嬢は、首元を掴まれたのに顔を歪めながらニヤリと笑うところを見ると気持ち悪い通り越して恐ろしくなる。
「言いたいことはそれだけか?本来は女に手を上げることはしないがお前は別だ。」
カルの目が笑わず無表情のまま、どんどん力が強くなっていってるのかララ・サルコー令嬢は笑う余裕がなくなっているのが分かりこのままではヤバイです。
「カルティドやめろ!あとは俺が対応する。」
クラリスお兄様が言葉を発してもカルは表情をかえず微動だにしない。
相当な怒りなのかクラリスお兄様でも止められないカルは初めて見ました。
「カル!?カル!!私は無事だからとりあえずララ・サルコー令嬢はクラリスお兄様とイグルスに任せて。………怖かったからすぐにカルに抱き締めてほしいの。」
カルが私の言葉にピクリと反応して首元を掴んだままあいつの方に勢いよく投げつけた。
下敷きになったあいつは唸り声を上げ、ララ・サルコー令嬢は衝撃が強かったのか苦しい表情で動けずにいる。
いつも冷静なカルの意外な一面を知りました。
「リティ怖い思いさせてごめんな。もう大丈夫だ。」
縄から解放されすぐにカルが私を抱き抱え優しく微笑みながら言われ、数時間前までと同じ温かさに包まれ心から安心したからかそこからプツリと記憶が途絶えた。
「リティ!?」
「リティアナ!?」
「二人とも落ち着け。気絶しただけだ。」
「「そうか……。」」
「ブレーリとララ・サルコー令嬢はクラリスに任せる。」
「ああ、そうしてくれ。お前だと殺しかねないからな。」
「そこのモーリス男爵令嬢にエバ・カーシス子爵令嬢。」
俺が名前を呼ぶ前から青ざめていた顔が更に強ばり下を向く。
「女だからって容赦しない。あいつらはイグルスに任せる。それからリティの頬が腫れ上がっていることも含めて容赦はするな。」
来るまでにリティ達の会話は聞いていたことで誰がリティを傷つけたのかわかっているが、後でじっくりと対応しよう。
今はリティを安全な場所へそして治療が先だ。
「どうして!どうして私じゃないのよ!!ただ先に出会ってただけじゃない!私の方がカルティドの全てを知ってるし愛してるわ。」
そんなことのためにリティを傷つけたのか。
ああやばいな。モーリス男爵令嬢の言い方に怒りを覚えまた魔力が暴走しそうだ。
今はリティを抱き抱えてるんだ、冷静になれ!!
「気持ち悪いな。後に出会っていても俺はリティを選ぶし、俺のことをよく知っているのはリティだけだ。お前なんかリティの足元にも及ばない。」
嫌です!!鼻息が荒い顔を近づけてこないで。
「いやっ…………。」
「触れないから見るだけだよ。リティアぐふっっっっ。」
気持ち悪い顔をしたあいつが目の前から消えました。
何が起こったのでしょう?
壁側には唸りながら血を流して倒れているあいつがいます。
「俺のリティに近づくな。」
声が聞こえた方を見るまでもなく目頭が熱くなり涙がこぼれる。
いつもより苛立っている声色ですが私にとって安心する声。
椅子に縛り付けられ動けず顔だけ向けた。
「カルぅっっっ………。」
自分で思ってたより緊迫してたのか、カルの後ろにクラリスお兄様とイグルスも見えて安心してしまってボロボロと涙が止まらない。
「ツルツルの白い肌。整った愛らしい顔立ち……成長するに連れ美人にもなるでしょう。今後もっと輝く原石ですわ。カルティド皇太子……いいえ、男には勿体ないです。」
こんな時でもララ・サルコー令嬢はブレないんですね。
でも……ここはブレておくべきでしたわ。カルから凄くどす黒いオーラがひしひしと伝わってきます。
私の側にいたララ・サルコー令嬢は、首元を掴まれたのに顔を歪めながらニヤリと笑うところを見ると気持ち悪い通り越して恐ろしくなる。
「言いたいことはそれだけか?本来は女に手を上げることはしないがお前は別だ。」
カルの目が笑わず無表情のまま、どんどん力が強くなっていってるのかララ・サルコー令嬢は笑う余裕がなくなっているのが分かりこのままではヤバイです。
「カルティドやめろ!あとは俺が対応する。」
クラリスお兄様が言葉を発してもカルは表情をかえず微動だにしない。
相当な怒りなのかクラリスお兄様でも止められないカルは初めて見ました。
「カル!?カル!!私は無事だからとりあえずララ・サルコー令嬢はクラリスお兄様とイグルスに任せて。………怖かったからすぐにカルに抱き締めてほしいの。」
カルが私の言葉にピクリと反応して首元を掴んだままあいつの方に勢いよく投げつけた。
下敷きになったあいつは唸り声を上げ、ララ・サルコー令嬢は衝撃が強かったのか苦しい表情で動けずにいる。
いつも冷静なカルの意外な一面を知りました。
「リティ怖い思いさせてごめんな。もう大丈夫だ。」
縄から解放されすぐにカルが私を抱き抱え優しく微笑みながら言われ、数時間前までと同じ温かさに包まれ心から安心したからかそこからプツリと記憶が途絶えた。
「リティ!?」
「リティアナ!?」
「二人とも落ち着け。気絶しただけだ。」
「「そうか……。」」
「ブレーリとララ・サルコー令嬢はクラリスに任せる。」
「ああ、そうしてくれ。お前だと殺しかねないからな。」
「そこのモーリス男爵令嬢にエバ・カーシス子爵令嬢。」
俺が名前を呼ぶ前から青ざめていた顔が更に強ばり下を向く。
「女だからって容赦しない。あいつらはイグルスに任せる。それからリティの頬が腫れ上がっていることも含めて容赦はするな。」
来るまでにリティ達の会話は聞いていたことで誰がリティを傷つけたのかわかっているが、後でじっくりと対応しよう。
今はリティを安全な場所へそして治療が先だ。
「どうして!どうして私じゃないのよ!!ただ先に出会ってただけじゃない!私の方がカルティドの全てを知ってるし愛してるわ。」
そんなことのためにリティを傷つけたのか。
ああやばいな。モーリス男爵令嬢の言い方に怒りを覚えまた魔力が暴走しそうだ。
今はリティを抱き抱えてるんだ、冷静になれ!!
「気持ち悪いな。後に出会っていても俺はリティを選ぶし、俺のことをよく知っているのはリティだけだ。お前なんかリティの足元にも及ばない。」
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