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第一章 ヒロイン編

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「カルティド殿下、サラリー……娘が申し訳ございません。サラリーと縁を切り修道院へ送ります。一切援助をせず二度と会わないこととします。サラリー、昔はとても優しい子だったがから人が変わったようになったのは気づいていた。それとなく注意していたがわかって貰えてなかったことは我が子ながら残念だ。これまでよりも過酷な人生になるだろうがお前の心根が改心することを祈っている。」

「サラリー………馬鹿なことをして………..。」

モーリス男爵は至って真面目で通っている人物だと認識していたが間違いではなかったな。
夫人は悲しげな眼差しで見つめながら言っている。
ただ……モーリス男爵は女に恵まれなかったな。
これから言うことは過酷かもしれないが現実をつきつけることになる。

「夫妻達の考えはわかった。子供達のことを考えて苦渋の決断をしたと思うが、もう一つ伝えておきたいことがある。クラリスから渡されたものを見てもらう。ツリースと言えばわかるかな?」

資料を見る前に青白い顔をしたモーリス男爵夫人とブレーリ令息以外の犯人女三人組。
そうか、モーリス嬢だけでなく、カーシス嬢にサルコー嬢までもが絡んでたか。
あの様子ではは知っていたとしてもブレーリ令息は関わってないだろう。

「おい、これはどういうことだ!?俺が仕事している間にサラリーも巻き込んで一緒にこんなことしていたのか?」

冷静を装っているが内容が内容なだけに怒りが滲みでている。

「………何で………いや、違うんです。私は断れなくて……すみません。」

言い訳をしていたがモーリス男爵の表情を見るなり通用しないと思ったのだろう。今度はイークス侯爵夫人のせいにしだすとは何て愚かなんだろう。

「その資料にあるのはほんの一部だ。今頃イークス侯爵夫人の所にも使いが行っているから言い訳はできないぞ。さらに、ララ・サルコー嬢は令嬢からの被害届が出ている。……とな。これは別途事件として扱われる。」

「なっ……。」

サルコー嬢は何か言いたげだが部が悪いことがわかったんだろう口を継ぐんだ。
それはそうだ。両親の前で自分がしたことを言うことは勇気がいるし、媚薬入りの飲み物を飲ませ気に入った令嬢としてたのだから犯罪だ。

「これを踏まえ先程の夫妻達の意見に加えて俺から言えることは、ブレーリ令息はブレーリ夫妻の言う通りにしよう。本人にとってこれ以上ない妥当な罰だ。ただ、他の3人はとても軽い罰になっている。夫カーシス嬢は最も厳しいと言われる修道院へ。サルコー嬢は犯罪も加わっているので証拠と証言を含め裁判をして判決を下す。モーリス嬢は、将来の皇后であるファシリック公爵令嬢に手を出した。危害を加えると言うことは王家に刃向かうと言うことだ。重罪で死刑になってもおかしくない…………が今後の行いで判断しよう。カーシス嬢とは別の過酷な修道院へ行くことを命じる。」

青白い顔をしつつ、何も意見を言えず呆然と皆が判決を聞いている。
モーリス男爵に問い詰められ、夫人は泣き崩れていたが自業自得だ。この親モーリス男爵夫人にして子ありモーリス嬢だ。

「それから、モーリス男爵夫人も犯罪に荷担していたとして裁判にかけられることを伝えておく。それまでにしっかりと夫婦で話し合うといい。
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