88 / 98
第二章 ダルニア王国編
8.
しおりを挟む
「ファシリック公爵令嬢、何度もいってますがマシューリ殿下に近づかないでくださいませ。」
またですか………。
最近悩みの種であるケリウナ公爵令嬢の声が教室に響きわたってますわ。
「ごきげんよう。何度も申しておりますが、マシューリ殿下は私がカルティド殿下の婚約者だからいつも構ってくれているのです。それ以上でもそれ以下でもありませんわ。」
くるりとケリウナ公爵令嬢の方を向きにっこりと笑顔で論じたが
「まあまあまあ、マシューリ殿下に色目を使っておいてどの口がいっているのでしょう。」
私がいつマシュに色目を使いました?
そんなことするつもりもありません。
これ以上濡れ衣を着せられたくないですわね………カルが即刻留学を取り止めにしてしまいますわ。
「マシューリ殿下に近づくと痛い目にあわしますわ。いい気にならないでくださいね。」
「っ…………。」
肩が痛いですわ。
私に近づいてきて肩を思いっきり握られ私にだけ聞こえるように言ってきたケリウナ公爵令嬢は二面性をお持ちのようです。
私が攻撃しても怯んでないので物理攻撃をしてきましたね。
ここはしっかりと言う必要がありますね。
「マシューリ殿下に色目を使ったこともありませんし、カルティド殿下と友好な交流をしてくださりありがたいことでございますわ。ケリウナ公爵令嬢や他の令嬢の方が噂されているようにとても素晴らしいマシューリ殿下ですからカルティド殿下と一緒に留学している私のことも気にかけてくれるのです。皆様が噂をされてるような恋愛だの色目だの全くありませんわ。それこそマシューリ殿下にしつれいではありませんこと?」
言ってやりましたわ。
もう、留学して数日たってますのに噂がどんどんエスカレートしてるようでここで一度しっかり皆様に伝えないと大変なことになる気がしましたわ。
それにマシュが私と仲良いのは前世の記憶繋がりもあって……何てとても言えないわ。
私の気迫にケリウナ公爵令嬢が少し後ずさりながら
「ここは引き下がりましょう。で・す・が、ファシリック公爵令嬢あなたには負けませんわ。私もずっと想ってましたもの。」
勢いよく捨て台詞を言って去っていくケリウナ公爵令嬢。
いや、だから勝ち負けの問題ではなく始めからなにも始まってないですから。
それよりもカルがこのことを知って行動する方が怖いことになりそうです。
たぶんそろそろ………
「何かあったか?」
カルとクラリスお兄様を見るなり野次馬の皆様が一斉に散らばっていきました。
行動が早いですね。
カルとクラリスお兄様に目をつけられると大変なことになるのでその方がいいでしょうね。
特に私絡みだと理性を失いそうなので。
「はい。先程ケリウナ公爵令嬢から話しかけられて……ここの皆様はお互いを思いあっているんですね。」
そう、誰かを陥れるのに一致団結してて素晴らしいですわ。
別のことに向ければもっと良さそうだけれども。
「…………そうか。リティ強がらないようにな。」
クラリスお兄様が私の頭を撫でてきた。
久し振りにクラリスお兄様から撫でられて最高ですわ。
さっきまでの暗い気持ちが明るくなります。
クラリスお兄様大好きです。
「いたっ。」
カルから不意に肩を触られて声が出てしまった。
またですか………。
最近悩みの種であるケリウナ公爵令嬢の声が教室に響きわたってますわ。
「ごきげんよう。何度も申しておりますが、マシューリ殿下は私がカルティド殿下の婚約者だからいつも構ってくれているのです。それ以上でもそれ以下でもありませんわ。」
くるりとケリウナ公爵令嬢の方を向きにっこりと笑顔で論じたが
「まあまあまあ、マシューリ殿下に色目を使っておいてどの口がいっているのでしょう。」
私がいつマシュに色目を使いました?
そんなことするつもりもありません。
これ以上濡れ衣を着せられたくないですわね………カルが即刻留学を取り止めにしてしまいますわ。
「マシューリ殿下に近づくと痛い目にあわしますわ。いい気にならないでくださいね。」
「っ…………。」
肩が痛いですわ。
私に近づいてきて肩を思いっきり握られ私にだけ聞こえるように言ってきたケリウナ公爵令嬢は二面性をお持ちのようです。
私が攻撃しても怯んでないので物理攻撃をしてきましたね。
ここはしっかりと言う必要がありますね。
「マシューリ殿下に色目を使ったこともありませんし、カルティド殿下と友好な交流をしてくださりありがたいことでございますわ。ケリウナ公爵令嬢や他の令嬢の方が噂されているようにとても素晴らしいマシューリ殿下ですからカルティド殿下と一緒に留学している私のことも気にかけてくれるのです。皆様が噂をされてるような恋愛だの色目だの全くありませんわ。それこそマシューリ殿下にしつれいではありませんこと?」
言ってやりましたわ。
もう、留学して数日たってますのに噂がどんどんエスカレートしてるようでここで一度しっかり皆様に伝えないと大変なことになる気がしましたわ。
それにマシュが私と仲良いのは前世の記憶繋がりもあって……何てとても言えないわ。
私の気迫にケリウナ公爵令嬢が少し後ずさりながら
「ここは引き下がりましょう。で・す・が、ファシリック公爵令嬢あなたには負けませんわ。私もずっと想ってましたもの。」
勢いよく捨て台詞を言って去っていくケリウナ公爵令嬢。
いや、だから勝ち負けの問題ではなく始めからなにも始まってないですから。
それよりもカルがこのことを知って行動する方が怖いことになりそうです。
たぶんそろそろ………
「何かあったか?」
カルとクラリスお兄様を見るなり野次馬の皆様が一斉に散らばっていきました。
行動が早いですね。
カルとクラリスお兄様に目をつけられると大変なことになるのでその方がいいでしょうね。
特に私絡みだと理性を失いそうなので。
「はい。先程ケリウナ公爵令嬢から話しかけられて……ここの皆様はお互いを思いあっているんですね。」
そう、誰かを陥れるのに一致団結してて素晴らしいですわ。
別のことに向ければもっと良さそうだけれども。
「…………そうか。リティ強がらないようにな。」
クラリスお兄様が私の頭を撫でてきた。
久し振りにクラリスお兄様から撫でられて最高ですわ。
さっきまでの暗い気持ちが明るくなります。
クラリスお兄様大好きです。
「いたっ。」
カルから不意に肩を触られて声が出てしまった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
転生したら乙女ゲームのヒロインの幼馴染で溺愛されてるんだけど…(短編版)
凪ルナ
恋愛
転生したら乙女ゲームの世界でした。
って、何、そのあるある。
しかも生まれ変わったら美少女って本当に、何、そのあるあるな設定。
美形に転生とか面倒事な予感しかしないよね。
そして、何故か私、三咲はな(みさきはな)は乙女ゲームヒロイン、真中千夏(まなかちなつ)の幼馴染になってました。
(いやいや、何で、そうなるんだよ。私は地味に生きていきたいんだよ!だから、千夏、頼むから攻略対象者引き連れて私のところに来ないで!)
と、主人公が、内心荒ぶりながらも、乙女ゲームヒロイン千夏から溺愛され、そして、攻略対象者となんだかんだで関わっちゃう話、になる予定。
ーーーーー
とりあえず短編で、高校生になってからの話だけ書いてみましたが、小学生くらいからの長編を、短編の評価、まあ、つまりはウケ次第で書いてみようかなっと考え中…
長編を書くなら、主人公のはなちゃんと千夏の出会いくらいから、はなちゃんと千夏の幼馴染(攻略対象者)との出会い、そして、はなちゃんのお兄ちゃん(イケメンだけどシスコンなので残念)とはなちゃんのイチャイチャ(これ需要あるのかな…)とか、中学生になって、はなちゃんがモテ始めて、千夏、攻略対象者な幼馴染、お兄ちゃんが焦って…とかを書きたいな、と思ってます。
もし、読んでみたい!と、思ってくれた方がいるなら、よかったら、感想とか書いてもらって、そこに書いてくれたら…壁|ω・`)チラッ
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる