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ナオ君はドジでおっちょこちょい。
ドジでおっちょこちょいだから、よく転んでケガをします。
そのうえ、とても泣き虫でした。
ヒザや手をすりむて、血がでたりしたらもういけません。
ナオ君は目から涙を流して、わんわんと泣きだしてしまいます。
あんまり泣くものだから、お父さんはあきれ、お母さんはこまり、友だちはからかいます。
「ナオがまた転んだぞ」
「ナオがまた泣いたぞ」
泣くのをこらえようとしても、すり傷からにじむ血や、ズキズキする痛さにがまんができません。
あたりに泣き声がひびきわたり、学校にいるときは先生が、公園にいるときはお母さんや近所の人がとんできます。
そんなナオ君を見て、笑う友だち。
「ナオがまた転んだぞ」
「ナオがまた泣いたぞ」
それがいつものことでした。
友だちから笑われるのはくやしいし、すぐに泣いてしまう自分もイヤ。
「どうすれば、おっちょこちょいはなおるかな」
ナオ君は毎日のように考えました。
どんなに気をつけていても、ちょっと気をぬくと転んだり、ぶつけたりしてしまいます。
だからといって、一日中動かないでじっとしているわけにもいきません。
実は、ためしてみたことがあります。
ある日曜日、ナオ君は朝から夜まで一日中布団の中でじっとしていようとしました。
でも、これは大失敗。
お母さんから「早く起きなさい!」と怒られたあげく、おしっこが我慢できなくてトイレにかけこもうとしたら、ドアに足の指をぶつけて、結局ワンワン泣くはめになってしまったのです。
おっちょこちょいは簡単になおせそうにありません。
それなら、泣き虫はどうでしょうか。
「どうすれば泣き虫はなおるかな」
公園にむかう道を歩きながら、ナオ君は考えます。
ケガをすると泣いてしまうのは、どうしてだろう。
それは、痛いから。それから、血がでるから。
転んでも、痛くなければいいのに。
血がでなければ泣かないのに。
そんなことをぼんやり考えながら歩いていたものですから――
「あっ!」
ナオ君は曲がり角からあらわれた人に気づかず、そのままぶつかって転んでしまいました。
「おっとっと。だいじょうぶかい、ぼうや」
ぶつかった人は、タマゴみたいにまんまるなおじさんでした。頭もツルツルなものだから、大きなタマゴに小さなタマゴがのっているように見えます。
いつものナオ君なら、思わず笑ってしまっていたでしょう。
でも、今はそれどころではありません。なにしろ、転んだひょうしにヒザをすりむいてしまったのですから。
ズキズキと痛くて、血がにじみでてきて…
「痛い! 痛い!」
たちまちナオ君は泣きだしてしまいました。
その大きな泣き声に、タマゴのおじさんはびっくり。
「おやおや、そんなに痛いのかい?」
「痛い! 痛い!」
ナオ君はワンワンと泣きつづけます。
タマゴおじさんはこまった顔でしばらく考えていましたが、やがてふっくらした手をポンと打ちました。
「よし。じゃあ、おじさんが痛いのをなくすおまじないを教えてあげよう」
「おまじない?」
ナオ君は涙目をきょとんとさせます。
「そうだよ。まずは、この魔法の指輪をはめて」
おじさんは小指にはめていた透明な指輪をとると、ナオ君の人さし指にはめました。
「今からおじさんがおまじないの言葉をいうから、ぼうやもまねして言ってごらん」
おじさんはナオ君の前にしゃがみこんで、こう言いました。
イタイのイタイのとんでけ
おじさんにむかってとんでけ
「さあ、痛いところに指輪をはめた手をあてて。そう。そうしたら、おじさんに痛いのをとばすようにして、おまじないを言うんだ」
ナオ君は言われたとおりにしました。
すりむいたヒザに指輪をはめた人さし指をあて、痛いところをおじさんに向かって飛ばすようにして。
イタイのイタイのとんでけ
おじさんんにむかってとんでけ
すると、どうでしょう。
ナオ君のヒザから、たちまち傷が消えてしまったのです。
さわってみても、ちっとも痛くありません。
「わっ、傷がなおっちゃった。さわっても、ぜんぜん痛くないぞ」
ナオ君は泣いていたことも忘れて、大よろこびでとびはねます。
でも。そのとなりでは…
「あいたたた!」
おじさんがしゃがみこんで、痛そうにしていました。
「おじさん、どうしたの?」
「ヒザが痛いんだよ。ぼうやのケガをもらったからね。…ほら」
そう言ってズボンをめくりあげると、おじさんのヒザにはナオ君が転んですりむいた傷がありました。
「ボクのケガが、おじさんにとんでいったの?」
「そうだよ。魔法の指輪をしておまじないをとなえたから、ぼうやのケガがおじさんにとんできたのさ」
ナオ君は自分のヒザを見ました。
傷はなくなり、痛みもすっかり消えたので、もう泣きたくありません。
「これはすごいぞ!」
ナオ君はうれしくなって、またとびねたくなりました。
このおまじないがあれば、どんなに転んでも、ケガをしても大丈夫。泣いてバカにされることもなくなるにちがいありません。
「おじさん、ありがとう!」
ナオ君がお礼をいうと、おじさんは笑顔でうなずきました。
「ただし、あんまり大きなケガをうつすと指輪はこわれるからね。大きなケガをしないように気をつけなさい」
「うん!」
「それからね、おまじないはもうひとつあるんだよ」
「もうひとつ?」
「そう。今のおまじないは、痛いのを誰かにうつすおまじない。もうひとつのおまじないは、誰かの痛いのを自分にうつすおまじないなんだ。いいかい、こんなふうに言うんだよ」
イタイのイタイのとんでこい
ボクにむかってとんでこい
「誰かのケガに指輪をあてて言えば、たちまちぼうやのところへイタイのがやってくるんだ。ためしてみるかい?」
おじさんがヒザのケガをみせて言うと、ナオ君はあわてて首を振りました。
「イヤだよ。せっかく痛いのがなくなったのに」
「そうだろうね」
おじさんは少し笑ってから、急にまじめな顔になりました。
「でも、いいかい? どっちのおまじないも痛いの消すわけじゃないんだ。痛いのをうつせば、うつされた子が痛い思いをする。それを忘れてはいけないよ」
そう言うと、おじさんはナオ君のケガがうつったヒザをさすりながら行ってしまいました。
ナオ君の指には、透明な指輪がはまったままです。
忘れていったのでしょうか。
それとも、ナオ君にくれたのでしょうか。
「この指輪とおまじないがあれば、転んでも泣いたりしないぞ。もう、ケンタ君たちに笑われたりバカにされたりしなくなるんだ!」
自分のケガを誰かにうつして知らんぷりをするのはズルイ気がします。
でも。転んで、泣いて、みんなからバカにされるのはもうイヤでした。
それに。
ケガをして泣くケンタ君を、ちょっと見てみたいとも思いました。
すりむいて血がでたりズキズキ痛かったりすれば、ケンタ君だってきっと泣いてしまうにちがいありません。
「今度はボクが笑ってやるんだ」
ナオ君はいつケガをしてもいいように、指輪をしっかりはめて、おまじないを忘れないために何度も頭の中で繰り返しました。
※
ドジでおっちょこちょいだから、よく転んでケガをします。
そのうえ、とても泣き虫でした。
ヒザや手をすりむて、血がでたりしたらもういけません。
ナオ君は目から涙を流して、わんわんと泣きだしてしまいます。
あんまり泣くものだから、お父さんはあきれ、お母さんはこまり、友だちはからかいます。
「ナオがまた転んだぞ」
「ナオがまた泣いたぞ」
泣くのをこらえようとしても、すり傷からにじむ血や、ズキズキする痛さにがまんができません。
あたりに泣き声がひびきわたり、学校にいるときは先生が、公園にいるときはお母さんや近所の人がとんできます。
そんなナオ君を見て、笑う友だち。
「ナオがまた転んだぞ」
「ナオがまた泣いたぞ」
それがいつものことでした。
友だちから笑われるのはくやしいし、すぐに泣いてしまう自分もイヤ。
「どうすれば、おっちょこちょいはなおるかな」
ナオ君は毎日のように考えました。
どんなに気をつけていても、ちょっと気をぬくと転んだり、ぶつけたりしてしまいます。
だからといって、一日中動かないでじっとしているわけにもいきません。
実は、ためしてみたことがあります。
ある日曜日、ナオ君は朝から夜まで一日中布団の中でじっとしていようとしました。
でも、これは大失敗。
お母さんから「早く起きなさい!」と怒られたあげく、おしっこが我慢できなくてトイレにかけこもうとしたら、ドアに足の指をぶつけて、結局ワンワン泣くはめになってしまったのです。
おっちょこちょいは簡単になおせそうにありません。
それなら、泣き虫はどうでしょうか。
「どうすれば泣き虫はなおるかな」
公園にむかう道を歩きながら、ナオ君は考えます。
ケガをすると泣いてしまうのは、どうしてだろう。
それは、痛いから。それから、血がでるから。
転んでも、痛くなければいいのに。
血がでなければ泣かないのに。
そんなことをぼんやり考えながら歩いていたものですから――
「あっ!」
ナオ君は曲がり角からあらわれた人に気づかず、そのままぶつかって転んでしまいました。
「おっとっと。だいじょうぶかい、ぼうや」
ぶつかった人は、タマゴみたいにまんまるなおじさんでした。頭もツルツルなものだから、大きなタマゴに小さなタマゴがのっているように見えます。
いつものナオ君なら、思わず笑ってしまっていたでしょう。
でも、今はそれどころではありません。なにしろ、転んだひょうしにヒザをすりむいてしまったのですから。
ズキズキと痛くて、血がにじみでてきて…
「痛い! 痛い!」
たちまちナオ君は泣きだしてしまいました。
その大きな泣き声に、タマゴのおじさんはびっくり。
「おやおや、そんなに痛いのかい?」
「痛い! 痛い!」
ナオ君はワンワンと泣きつづけます。
タマゴおじさんはこまった顔でしばらく考えていましたが、やがてふっくらした手をポンと打ちました。
「よし。じゃあ、おじさんが痛いのをなくすおまじないを教えてあげよう」
「おまじない?」
ナオ君は涙目をきょとんとさせます。
「そうだよ。まずは、この魔法の指輪をはめて」
おじさんは小指にはめていた透明な指輪をとると、ナオ君の人さし指にはめました。
「今からおじさんがおまじないの言葉をいうから、ぼうやもまねして言ってごらん」
おじさんはナオ君の前にしゃがみこんで、こう言いました。
イタイのイタイのとんでけ
おじさんにむかってとんでけ
「さあ、痛いところに指輪をはめた手をあてて。そう。そうしたら、おじさんに痛いのをとばすようにして、おまじないを言うんだ」
ナオ君は言われたとおりにしました。
すりむいたヒザに指輪をはめた人さし指をあて、痛いところをおじさんに向かって飛ばすようにして。
イタイのイタイのとんでけ
おじさんんにむかってとんでけ
すると、どうでしょう。
ナオ君のヒザから、たちまち傷が消えてしまったのです。
さわってみても、ちっとも痛くありません。
「わっ、傷がなおっちゃった。さわっても、ぜんぜん痛くないぞ」
ナオ君は泣いていたことも忘れて、大よろこびでとびはねます。
でも。そのとなりでは…
「あいたたた!」
おじさんがしゃがみこんで、痛そうにしていました。
「おじさん、どうしたの?」
「ヒザが痛いんだよ。ぼうやのケガをもらったからね。…ほら」
そう言ってズボンをめくりあげると、おじさんのヒザにはナオ君が転んですりむいた傷がありました。
「ボクのケガが、おじさんにとんでいったの?」
「そうだよ。魔法の指輪をしておまじないをとなえたから、ぼうやのケガがおじさんにとんできたのさ」
ナオ君は自分のヒザを見ました。
傷はなくなり、痛みもすっかり消えたので、もう泣きたくありません。
「これはすごいぞ!」
ナオ君はうれしくなって、またとびねたくなりました。
このおまじないがあれば、どんなに転んでも、ケガをしても大丈夫。泣いてバカにされることもなくなるにちがいありません。
「おじさん、ありがとう!」
ナオ君がお礼をいうと、おじさんは笑顔でうなずきました。
「ただし、あんまり大きなケガをうつすと指輪はこわれるからね。大きなケガをしないように気をつけなさい」
「うん!」
「それからね、おまじないはもうひとつあるんだよ」
「もうひとつ?」
「そう。今のおまじないは、痛いのを誰かにうつすおまじない。もうひとつのおまじないは、誰かの痛いのを自分にうつすおまじないなんだ。いいかい、こんなふうに言うんだよ」
イタイのイタイのとんでこい
ボクにむかってとんでこい
「誰かのケガに指輪をあてて言えば、たちまちぼうやのところへイタイのがやってくるんだ。ためしてみるかい?」
おじさんがヒザのケガをみせて言うと、ナオ君はあわてて首を振りました。
「イヤだよ。せっかく痛いのがなくなったのに」
「そうだろうね」
おじさんは少し笑ってから、急にまじめな顔になりました。
「でも、いいかい? どっちのおまじないも痛いの消すわけじゃないんだ。痛いのをうつせば、うつされた子が痛い思いをする。それを忘れてはいけないよ」
そう言うと、おじさんはナオ君のケガがうつったヒザをさすりながら行ってしまいました。
ナオ君の指には、透明な指輪がはまったままです。
忘れていったのでしょうか。
それとも、ナオ君にくれたのでしょうか。
「この指輪とおまじないがあれば、転んでも泣いたりしないぞ。もう、ケンタ君たちに笑われたりバカにされたりしなくなるんだ!」
自分のケガを誰かにうつして知らんぷりをするのはズルイ気がします。
でも。転んで、泣いて、みんなからバカにされるのはもうイヤでした。
それに。
ケガをして泣くケンタ君を、ちょっと見てみたいとも思いました。
すりむいて血がでたりズキズキ痛かったりすれば、ケンタ君だってきっと泣いてしまうにちがいありません。
「今度はボクが笑ってやるんだ」
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