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※
なにしろ、おっちょこちょいでドジなナオ君です。
おまじないは、すぐにつかうことになりました。
体育の授業でサッカーをしているとき、ナオ君は足をすべらせてみごとに転んでしまったのです。
ケガをしたのはこの前と同じ左のヒザ。
すりむけて、血がにじみ出てきて。そして、あのズキズキとした痛みがやってきました。
いつものナオ君だったら、痛さにたえられずわんわんと泣いているところでしょう。
「あ、ナオがまた泣くぞ」
ケンタ君がかけよってきて、ナオ君をからかおうとします。
ところが、今回はいつものようにはなりませんでした。
ナオ君は指輪をはめた指をあわててすり傷にあてて、あのおまじないをとなえたのです。
イタイのイタイのとんでけ
ケンタ君にむかってとんでけ
すると、たちまちあの日と同じことがおこりました。
ナオ君のヒザの傷と痛みが、ケンタ君のヒザへととんでいったのです。
「あ、痛い! 痛い!」
ケンタ君はとつぜんの痛みに、しゃがみこんでしまいました。
「どうしたのケンタ君?」
まわりの子も、先生も、おどろいてケンタ君にかけよってきます。
痛みも傷もすっかりなくなったナオ君は、平気な顔で立ち上がってケンタ君をみました。
「あら、すりむいてるじゃない」
先生はふしぎそうに首をかしげました。ケンタ君のヒザには、転んでもいないのにすりむいた傷があったのです。
「どこですりむいたの?」
「わかんないよ。急に痛くなったんだ」
「とにかく手当をしましょう。みんなはサッカーをつづけて」
ケンタ君が先生につれられて行ってしまいました。
ナオ君はねらいどおり、自分のケガをケンタ君にうつすことに成功したのです。
「こんなふうにおまじないを使えばいいんだ。そうすれば、もう泣かないですむぞ」
ケンタ君が泣かなかったことは少し残念でしたが、それでもナオ君は、傷も痛みもないヒザをみてニッコリ笑ったのでした。
※
「ナオ君、近ごろ泣かなくなったんだってね」
そう言って頭をなでてくれたのは、となりの家に住んでいるミユキお姉さん。
五つ年上のミユキお姉さんは、今年から中学校へ通っています。
いつでもやさしくて、お菓子をくれたり、勉強を見てくれたり、一緒に遊んだりしてくれるので、ナオ君はお姉さんが大好きでした。
そんなお姉さんに、ナオ君はじまんげに言います。
「うん。ボク、もうケガをしても泣かないんだ」
「えらいえらい」
「どうしてだか、しってる?」
「ナオ君が強くなったからでしょ」
「ぶー」
「えっ、ちがうの?」
「正解は、おまじないをおぼえたからでした」
「おまじない?」
「うん。転んでケガをしても、痛いのをうつしちゃうおまじないなんだ」
「痛いのをうつす? 何だかよくわからないわ」
お姉さんは首をかしげます。
「見ればわかるよ」
「じゃあ、見せて」
ナオ君はさっそくおまじないを見せようとして、こまったことに気づきました。
それは、おまじないを言うためには、ケガをしないといけないことです。ケガをしなければ、誰かにうつすことができません。
「わざとケガをしようかな」
そんなことを考えるナオ君ですが、すぐに首をふりました。
なぜなら、ケガをするときはまだおまじないを言う前なので、とても痛い思いをするからです。
自分からわざわざ痛い思いをしたくはありません。
でも、ここでお姉さんにいいところを見せてほめられたい気持ちもありました。
ちょっと痛いぐらいなら平気さ。
しばらく迷ったのち、ナオ君は電柱に頭をぶつけることにします。
ところが。
「あいたっ!」
ちょっとのつもりだったのが思いのほか強くぶつけてしまい、ナオ君の頭にコブができてしまいました。
「ナオ君、大丈夫?」
とつぜんのことに、おどろくお姉さん。
そんな中、ナオ君は痛くて泣き出しそうになるのをこらえておまじないを言いました。
イタイのイタイのとんでけ
指輪をはめた人差し指をコブにあて、それをうつそうとして――
ナオ君は、そこで気づきました。
ケガをとばす相手が、お姉さんしかいないことに。
こんなに痛いコブをお姉さんにとばしたら、どうなるでしょうか。
痛くて、泣きだしてしまうかもしれません。
けれど、痛いのをとばさなければナオ君自身が泣いてしまいます。実際、ナオ君の目からはもう涙がこぼれはじめていました。
ここでワンワン泣いたら「もう泣かない」と言ったことがウソになってしまいます。
「なんだ。ナオ君はやっぱり泣き虫じゃない」
そんなふうに言われて、お姉さんに笑われるのは絶対にイヤでした。
ナオ君は目をぎゅっと閉じると、
イタイのイタイのとんでけ
ミユキお姉ちゃんにとんでけ
とうとう、おまじないをとなえてしまいました。
とたんにナオ君の頭から痛みがなくなり、まるでなにもなかったようにコブも消えてしまいます。
そして――
「あいたた!」
そのかわりに、ミユキお姉さんが頭をかかえてしゃがみこんでしまいました。
そう。ナオ君のケガが、お姉さんにうつったのです。
「みてみて、ミユキお姉ちゃん。ほら、ボク泣いてないでしょ」
ケガも痛みのなくなったナオ君はうれしそうに言いますが、ミユキお姉さんはそれどころではありません。
「いたたた!」
お姉さんのおでこは赤くはれてコブになっています。そこはちょうど、ナオ君が電柱にぶつけた場所と同じでした。
「お姉ちゃん、だいじょうぶ?」
「いたたた。どうして私にコブができてるの?」
痛がりながらふしぎがるミユキお姉さんに、ナオ君は秘密をうちあけることにしました。
「ボクがおまじないをとなえたからだよ」
「おまじない?」
「ボクのケガをね、おまじないでミユキお姉ちゃんにうつしたんだ。だからボクはぜんぜん痛くなくて、お姉ちゃんはとても痛がってるんだよ」
お姉さんはコブをさすりながら、ナオ君の前に立ちました。
「このケガは、ナオ君のケガなの?」
「そうだよ」
「おまじないって、ナオ君のケガを誰かにうつすこと?」
ナオ君はニッコリ笑ってうなずくと、
「ボク、泣かなかったでしょ。えらいでしょ」
そう言って、ミユキお姉さんがほめてくれるのをまちました。
けれど、ミユキお姉さんはいつまでたってもほめてくれません。おでこのコブをさすりながら、こまった顔をしてナオ君を見つめています。
「ナオ君が泣かなくなったのは、誰かにケガをうつしているからなのね?」
「そうだよ」
「誰にうつしたの?」
「この前はタケシ君。その前はアキラ君で、その前はケンタ君」
「その子たちは泣いちゃった?」
「泣かなかった。ユウヤ君はちょっとだけメソメソしたけど」
「じゃあ、えらいのはその子たちだね」
ミユキお姉さんは、すぐにそう言いました。
「ナオ君は、ちっともえらくないよ」
「え、どうして?」
「だって、痛いのをがまんして泣かなかったのは、その子たちだもの」
「ボクだって泣かなかったよ」
「それは、ケガをその子たちにうつしからでしょう。ケガをうつさなかったら、ナオ君は痛くて泣いていたんじゃない?」
ナオ君はうつむいていしまいました。
お姉さんの言うとおり、ケガをうつさなければナオ君は痛くてワンワン泣いていたでしょう。
「自分のケガを人にうつすのはズルイことだよ。ナオ君だって、誰かのケガを自分にうつされたらズルイと思うでしょ?」
これも、お姉さんの言うとおりでした。
ケンタ君がケガをして、そのケガが自分にうつされたとしたら、ナオ君はケンタ君をズルイと思うでしょう。
ナオ君も、自分がズルイことをしているというこはうすうす気づいていたのです。
「でも、おまじないをしないとボクはワンワン泣いて、ケンタ君たちに笑われちゃうんだ」
そうして、ケンタ君たちに笑われると、それがくやしくてさらに泣いてしまうのです。
「……じゃあ、こうしましょ」
お姉さんはしばらく考えてから、言いました。
「今度から、ナオ君のケガはぜんぶ私にうつすこと」
「え?」
「おまじないでケガをうつす人を、私だけにするの。できるでしょ?」
たしかに、できないことはありません。
『イタイのイタイのとんでけ』のあとに、お姉さんの名前を言ってうつせばいいのですから。
「だけど、そうしたらミユキお姉ちゃんがケガしちゃうんだよ」
「そうね」
「痛いんだよ」
「痛いよね。でもそれは、ほかの子にうつしても同じことだよ。ナオ君のかわりに、その子が痛がるの」
ナオ君は、またうつむいてだまりこんでしまいました。
「だから、ケガをうつすのは私だけにすること」
「お姉ちゃんには、うつしていいの?」
「いいよ」
ナオ君は、ミユキお姉さんと約束しました。
これからは、ケガをうつしていいのはお姉ちゃんだけ。
痛がるお姉さんを思い浮かべると、ナオ君は顔をしかめてしまいます。
ケンタ君やアキラ君にケガをうつしたときはいい気分だったのに、お姉さんにうつすのはちっともいい気分じゃありません。
「ボクがケガをうつしたら、お姉ちゃんが痛がるんだ」
そう考えると、とてもケガをうつす気にはなれません。
「でも、ケガをして泣いたら、またケンタ君たちに笑われる」
それは、ぜったいにイヤです。
「あ、そうだ!」
ナオ君は、ポンと手を打ちました。
「ケガをしなければいいんだ。ケガをしなければボクは泣かないし、ケンタ君たちに笑われない。それに、お姉ちゃんにもケガをうつさいですむぞ」
それはとてもよいアイデアのように思えました。
ただ、ナオ君はだいじなことを忘れています。
自分がとてもドジでおっちょこちょいだということを。
※
なにしろ、おっちょこちょいでドジなナオ君です。
おまじないは、すぐにつかうことになりました。
体育の授業でサッカーをしているとき、ナオ君は足をすべらせてみごとに転んでしまったのです。
ケガをしたのはこの前と同じ左のヒザ。
すりむけて、血がにじみ出てきて。そして、あのズキズキとした痛みがやってきました。
いつものナオ君だったら、痛さにたえられずわんわんと泣いているところでしょう。
「あ、ナオがまた泣くぞ」
ケンタ君がかけよってきて、ナオ君をからかおうとします。
ところが、今回はいつものようにはなりませんでした。
ナオ君は指輪をはめた指をあわててすり傷にあてて、あのおまじないをとなえたのです。
イタイのイタイのとんでけ
ケンタ君にむかってとんでけ
すると、たちまちあの日と同じことがおこりました。
ナオ君のヒザの傷と痛みが、ケンタ君のヒザへととんでいったのです。
「あ、痛い! 痛い!」
ケンタ君はとつぜんの痛みに、しゃがみこんでしまいました。
「どうしたのケンタ君?」
まわりの子も、先生も、おどろいてケンタ君にかけよってきます。
痛みも傷もすっかりなくなったナオ君は、平気な顔で立ち上がってケンタ君をみました。
「あら、すりむいてるじゃない」
先生はふしぎそうに首をかしげました。ケンタ君のヒザには、転んでもいないのにすりむいた傷があったのです。
「どこですりむいたの?」
「わかんないよ。急に痛くなったんだ」
「とにかく手当をしましょう。みんなはサッカーをつづけて」
ケンタ君が先生につれられて行ってしまいました。
ナオ君はねらいどおり、自分のケガをケンタ君にうつすことに成功したのです。
「こんなふうにおまじないを使えばいいんだ。そうすれば、もう泣かないですむぞ」
ケンタ君が泣かなかったことは少し残念でしたが、それでもナオ君は、傷も痛みもないヒザをみてニッコリ笑ったのでした。
※
「ナオ君、近ごろ泣かなくなったんだってね」
そう言って頭をなでてくれたのは、となりの家に住んでいるミユキお姉さん。
五つ年上のミユキお姉さんは、今年から中学校へ通っています。
いつでもやさしくて、お菓子をくれたり、勉強を見てくれたり、一緒に遊んだりしてくれるので、ナオ君はお姉さんが大好きでした。
そんなお姉さんに、ナオ君はじまんげに言います。
「うん。ボク、もうケガをしても泣かないんだ」
「えらいえらい」
「どうしてだか、しってる?」
「ナオ君が強くなったからでしょ」
「ぶー」
「えっ、ちがうの?」
「正解は、おまじないをおぼえたからでした」
「おまじない?」
「うん。転んでケガをしても、痛いのをうつしちゃうおまじないなんだ」
「痛いのをうつす? 何だかよくわからないわ」
お姉さんは首をかしげます。
「見ればわかるよ」
「じゃあ、見せて」
ナオ君はさっそくおまじないを見せようとして、こまったことに気づきました。
それは、おまじないを言うためには、ケガをしないといけないことです。ケガをしなければ、誰かにうつすことができません。
「わざとケガをしようかな」
そんなことを考えるナオ君ですが、すぐに首をふりました。
なぜなら、ケガをするときはまだおまじないを言う前なので、とても痛い思いをするからです。
自分からわざわざ痛い思いをしたくはありません。
でも、ここでお姉さんにいいところを見せてほめられたい気持ちもありました。
ちょっと痛いぐらいなら平気さ。
しばらく迷ったのち、ナオ君は電柱に頭をぶつけることにします。
ところが。
「あいたっ!」
ちょっとのつもりだったのが思いのほか強くぶつけてしまい、ナオ君の頭にコブができてしまいました。
「ナオ君、大丈夫?」
とつぜんのことに、おどろくお姉さん。
そんな中、ナオ君は痛くて泣き出しそうになるのをこらえておまじないを言いました。
イタイのイタイのとんでけ
指輪をはめた人差し指をコブにあて、それをうつそうとして――
ナオ君は、そこで気づきました。
ケガをとばす相手が、お姉さんしかいないことに。
こんなに痛いコブをお姉さんにとばしたら、どうなるでしょうか。
痛くて、泣きだしてしまうかもしれません。
けれど、痛いのをとばさなければナオ君自身が泣いてしまいます。実際、ナオ君の目からはもう涙がこぼれはじめていました。
ここでワンワン泣いたら「もう泣かない」と言ったことがウソになってしまいます。
「なんだ。ナオ君はやっぱり泣き虫じゃない」
そんなふうに言われて、お姉さんに笑われるのは絶対にイヤでした。
ナオ君は目をぎゅっと閉じると、
イタイのイタイのとんでけ
ミユキお姉ちゃんにとんでけ
とうとう、おまじないをとなえてしまいました。
とたんにナオ君の頭から痛みがなくなり、まるでなにもなかったようにコブも消えてしまいます。
そして――
「あいたた!」
そのかわりに、ミユキお姉さんが頭をかかえてしゃがみこんでしまいました。
そう。ナオ君のケガが、お姉さんにうつったのです。
「みてみて、ミユキお姉ちゃん。ほら、ボク泣いてないでしょ」
ケガも痛みのなくなったナオ君はうれしそうに言いますが、ミユキお姉さんはそれどころではありません。
「いたたた!」
お姉さんのおでこは赤くはれてコブになっています。そこはちょうど、ナオ君が電柱にぶつけた場所と同じでした。
「お姉ちゃん、だいじょうぶ?」
「いたたた。どうして私にコブができてるの?」
痛がりながらふしぎがるミユキお姉さんに、ナオ君は秘密をうちあけることにしました。
「ボクがおまじないをとなえたからだよ」
「おまじない?」
「ボクのケガをね、おまじないでミユキお姉ちゃんにうつしたんだ。だからボクはぜんぜん痛くなくて、お姉ちゃんはとても痛がってるんだよ」
お姉さんはコブをさすりながら、ナオ君の前に立ちました。
「このケガは、ナオ君のケガなの?」
「そうだよ」
「おまじないって、ナオ君のケガを誰かにうつすこと?」
ナオ君はニッコリ笑ってうなずくと、
「ボク、泣かなかったでしょ。えらいでしょ」
そう言って、ミユキお姉さんがほめてくれるのをまちました。
けれど、ミユキお姉さんはいつまでたってもほめてくれません。おでこのコブをさすりながら、こまった顔をしてナオ君を見つめています。
「ナオ君が泣かなくなったのは、誰かにケガをうつしているからなのね?」
「そうだよ」
「誰にうつしたの?」
「この前はタケシ君。その前はアキラ君で、その前はケンタ君」
「その子たちは泣いちゃった?」
「泣かなかった。ユウヤ君はちょっとだけメソメソしたけど」
「じゃあ、えらいのはその子たちだね」
ミユキお姉さんは、すぐにそう言いました。
「ナオ君は、ちっともえらくないよ」
「え、どうして?」
「だって、痛いのをがまんして泣かなかったのは、その子たちだもの」
「ボクだって泣かなかったよ」
「それは、ケガをその子たちにうつしからでしょう。ケガをうつさなかったら、ナオ君は痛くて泣いていたんじゃない?」
ナオ君はうつむいていしまいました。
お姉さんの言うとおり、ケガをうつさなければナオ君は痛くてワンワン泣いていたでしょう。
「自分のケガを人にうつすのはズルイことだよ。ナオ君だって、誰かのケガを自分にうつされたらズルイと思うでしょ?」
これも、お姉さんの言うとおりでした。
ケンタ君がケガをして、そのケガが自分にうつされたとしたら、ナオ君はケンタ君をズルイと思うでしょう。
ナオ君も、自分がズルイことをしているというこはうすうす気づいていたのです。
「でも、おまじないをしないとボクはワンワン泣いて、ケンタ君たちに笑われちゃうんだ」
そうして、ケンタ君たちに笑われると、それがくやしくてさらに泣いてしまうのです。
「……じゃあ、こうしましょ」
お姉さんはしばらく考えてから、言いました。
「今度から、ナオ君のケガはぜんぶ私にうつすこと」
「え?」
「おまじないでケガをうつす人を、私だけにするの。できるでしょ?」
たしかに、できないことはありません。
『イタイのイタイのとんでけ』のあとに、お姉さんの名前を言ってうつせばいいのですから。
「だけど、そうしたらミユキお姉ちゃんがケガしちゃうんだよ」
「そうね」
「痛いんだよ」
「痛いよね。でもそれは、ほかの子にうつしても同じことだよ。ナオ君のかわりに、その子が痛がるの」
ナオ君は、またうつむいてだまりこんでしまいました。
「だから、ケガをうつすのは私だけにすること」
「お姉ちゃんには、うつしていいの?」
「いいよ」
ナオ君は、ミユキお姉さんと約束しました。
これからは、ケガをうつしていいのはお姉ちゃんだけ。
痛がるお姉さんを思い浮かべると、ナオ君は顔をしかめてしまいます。
ケンタ君やアキラ君にケガをうつしたときはいい気分だったのに、お姉さんにうつすのはちっともいい気分じゃありません。
「ボクがケガをうつしたら、お姉ちゃんが痛がるんだ」
そう考えると、とてもケガをうつす気にはなれません。
「でも、ケガをして泣いたら、またケンタ君たちに笑われる」
それは、ぜったいにイヤです。
「あ、そうだ!」
ナオ君は、ポンと手を打ちました。
「ケガをしなければいいんだ。ケガをしなければボクは泣かないし、ケンタ君たちに笑われない。それに、お姉ちゃんにもケガをうつさいですむぞ」
それはとてもよいアイデアのように思えました。
ただ、ナオ君はだいじなことを忘れています。
自分がとてもドジでおっちょこちょいだということを。
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