思い出の宝物を、一つだけください。

20 謎

カインが目覚めたことで、先生が「もう、体も意識もはっきりしてるから、カインは帰って良いよ。」と話してくれたので、そのまま診療所を後にする。

診療所の廊下を歩いて行くとヴァス様に、「良かった。ありがとう。ヒカリ。」とお礼を言われた。

私が「ヴァス様。リコリス様にも、お世話になりました。ヴァス様。カインを助けてくださり　ありがとうございました。」とお辞儀をする。

ヴァス様が、カインの頭をなでる。そして「アル。話がある」と話された。アル様が頷き、カインを降ろし、先に帰るように話される。

カインと家に帰る途中。ティアさんに、抱っこされている、ヴィア。その後ろには、怒っているギリムさんが居た。

するとヴィアが「ニイ。大丈夫なの？森にとうしゃま居た？」と聞いてきた。

ああ。カインが森に入っていったのは、アル様を見つけに行くためか。カインを見ると、ばつが悪そうにしている。

そのまま商会に、ギリムさんと3人で向かう。ティアさんが「ヴィアは、これから、おばあちゃんとカフェで、お茶をしようかね。キャンプの中止で、でき無かった。女子会だよ。」と話されヴィアは、大はしゃぎでついて行った。


商会には男性陣の皆が揃っている。その場所で、ギリムさんが「カイン、お前がしたことで、皆が動いた。なぜ森に入った。」と言われた。

カインが「父さんに、会いたかった。あいつらが、父さんを見たって・・・だから、そのまま、森に・・・・その後は、僕だけ。森の奥深くに、探しに行ったんだ。」と話してきた。

アロイス様が「カイン。なぜ？相談しなかった？」とため息を吐く。

それにはカインが「母さんに、父さんが近くに居ることを、隠していたかったから。言えなかった。ゴメンナサイ。」と話してきた。

ギリムさんが「やっと。迎えに来たと思ったら、あの、アホ・・。息子を危険な目に遭わせおってからに」と腕組みして怒っている。

私が「ギリムさんは、アルフォンス様を知っているのですか？」と聞いて見た。

するとギリムさんが、「ここの領主とは、旧知の仲じゃ。そのため、知っておる。ここの領主の娘。リコリスの番ヴァスがアルに仕えている。」と話している。

カインが「アロイス様は、父さんを知っていたの？」と聞く。

アロイス様が、「それは、本人に聞いてくれ。ですよね。アルフォンス様。」と商会の皆が、一斉に騎士の礼をした。

アルフォンス様が「ああ。そうだな。」と商会に入ってきた。私とカインは、驚くしかなかった。

アルフォンス様が「皆。長い間、ご苦労だった。世話になった。」と礼をする。


私が商会の方に「私を助けてくださったのは、偶然では無かったということですか？」と聞く。


アロイス様が「ああ。アルフォンス様が、国に帰るときに、俺達だけはヒカリの身辺を守るよう。別命をある方に受けていた。ヒカリの契約書に、少し細工をしていたんだ。それで、ヒカリが番と分かったんだ。ま。ヴィア　カインは、アルフォンス様に、そっくりだし。目の色も受け継いだ。だが、アルフォンス様が、自力で来ないかぎりは、俺たちは動かないように、厳命されていた。が、ヴァスが、動いてしまった・・・」と話された。

アルフォンス様が「ヴァスは、命を受けてきてたぞ？」と話す。

アロイス様が「あなた様の耳には入れぬよう。ヒカリ様が、我らに真実を話したならば、動くように命を受けましたので・・かなり、お怒りでしたから。魔力　身分をとられ、幽閉されても足りませんでしたか？」と嫌みのように聞く。

アルフォンス様を見ると、言葉に詰まっていた。

私が子供には聞かせられないので「カイン。ヴィアを呼んできて、ちょうだい。ヴィアも、お父様に会いたいはずよ。ゆっくりで良いから、気をつけて行ってきてね。」と商会から追い出す。

カインは渋々といった感じで、駈けていった。


そして目をつむりアルフォンス様が「持たざる者の、番を捨てたこと。それを、ヴァスが城で暴れるまで、両親に隠していたことが、逆鱗に触れたんだ。」と話してくれた。

ギリムさんが「最悪じゃな。だから、根性をエイベルにたたき込まれたんじゃろう。」と吐き捨てられた。

ああ。聞いたら､結構ひどいな。

アロイス様が、「だそうだ。ヒカリ。アルフォンス様は、魔力を封じ込めている、腕輪を今もしています。その鍵は、ヴァスが今持っています。貴方が許せるならば、鍵を受け取り、外して差し上げてください。我々も、3日後には、ここを立ちます。アルフォンス様。ご両親が、お帰りをお待ちしていますよ。ただし、反省が無い場合は、貴方は　帰ってこなくても言いそうです。可愛い。嫁と孫さえ居ればと、お聞きしております。」と言い。

商会が、慌ただしく動き始めた。

ええ。商会片付けても良いの？私が「商会は良いのですか？」とアロイス様に聞く。

すると商会の皆が「ここの商品は、迷惑を掛けた。領主様に引き継ぎをしています。我らにも、ヒカリ様にも言いようにしてくださりますので、大丈夫ですよ。」とさっと片付け初めた。

ギリムさんを見ると「儂らも、カインとヴィアが行くなら。移動することになる。家は、息子夫婦に渡すからな。可愛い。孫にはついて行く。それに、ドラニュアスには、弟夫婦がおる。」と当たり前のように話した。

この調子なら、リアもついてくるな。これから行く国にも、皆一緒なんだな。