思い出の宝物を、一つだけください。

23 子供って・・正直です。

部屋に戻ろうとしたら、ヴァス様が「庭で、茶でもしたら良いんじゃ無いか？何か聞きたいこともあるだろう、な・な」とアルフォンス様の肩を叩き話した。

ヴァス様は周りに指示をし、私達家族から少し離れた場所に座った。

取り残された4人でガセボ（東屋）に、家族でお茶になったが・・・・・そこまで移動の間も気まずい。

執事さんが「アルフォンス様。お茶の用意が出来ました。」と東屋に案内してくれた。が案内が、さあさあ　どうぞどうぞ。と言う感じでした。

皆さんメイドさんも執事さんも、ガセボの隅に並んでいる。ヴァス様は、目で頑張れ・・・と語ってる。

アルフォンス様が「ヴィアとカインは、好き嫌いはあるのか？食べ物では、何が好きだ？料理長に話し、夕食に用意をさせよう。」と話してくれた。

ヴィアが「とうしゃま・・ヴィアもニイも好きな物は、一緒なのよ。鳥の餌が好き。（お米です）後はね。果物はね。ママロン（栗）モモン（桃）も好きよ。お肉はね。安い　細切れ肉でね。たまにね、細切れ肉を買うとね。高いお肉が入ってる時があるの。その時は、幸運の日なのよ。お野菜は、クズ野菜や野菜の皮でスープにすると、出汁が出て美味しいの。そのくず野菜スープが好き。後ね。お肉屋さんから、骨を貰って料理をするのよ。その後の、骨をかじるのも好きよ。」と大きな声で嬉しそうに、自分の好きな食べ物を話した。

ああ。我が家の食事事情が、話される。しかも、ママロンもモモンも、魔動物さえ見向きもしない、森のゴミと呼ばれてるんだよね。細切れ肉（クズ肉）の、たまに入ってる、高級肉は、幸運の日でカインもヴィアも喜んでいた・・骨は、スープにする為、出汁を取った後を、ヴィアが骨から肉をかじって取ってたんだよね。

その話を聞き、お茶を盛大に吹いたヴァス様から、ガチャン「ブッ・・なっ・・」と声が聞こえた。その後は、メイドさんが、魔法ですぐに片付けていた。

執事さんは、目頭をハンカチで押さえて泣いている。他のメイドさんも、エプロンを目に当て下を向いてしまった。

アルフォンス様は、目を見開きこちらを見て、私達に「すまない。苦労を・・・・」と話してきた。


メイドさんが一人、ヴァス様の割れた食器を下げに、この場を後にした。が今頃、この屋敷の料理人に、話してるんだろうな。我が家の、悲しい食事　事情を・・・・泣きそうだ。

カインが「鳥の餌は、ちゃんと料理をして、主食にします。ママロンは、固い厚い皮の中に、実がありそれを調理し。魔物さえ食べない、固い酸っぱいゴミのモモンも、砂糖水で似て柔らかい、甘い果物になり、僕たちの冬の保存食です。細切れ肉も、加工してハンバーグなどに　母さんが料理をしてくれます。野菜も、皮から甘い出汁が取れます。骨も、出汁です。ちゃんとした　料理になります。」と力説した。が、我が家の食事　事情は、こちらの世界では貧乏です。

ヴァス様が「よし。料理長に話して、ご馳走に・・」と涙目になってる。アルフォンス様が、頷いている。

メイドさん達も執事さんも、頷いている。今頃は、料理長達も頑張って料理をしてくれてるんだろうな。


我が家は、貧乏ですが、ちゃんと食事を与えていましたよ。地球の食べ物に似ているが、食べられてなかった。そこで、鑑定持ちの父さんが「毒が無いなら食える。地球と一緒の栗と桃だ。」と話して。母さんが、料理してたんだよね。だから、あの町の人は、結構食べてたけどね。

ヴィアが、椅子から降りてアルフォンス様の元に行く「とおしゃま。これが、モモンとママロンよ。少し上げるね。」と鞄からクッキーを出してきた。

それを、アルフォンス様の手に渡す。それを、見つめているが、すぐに口に入れた。

アルフォンス様が「美味しい。」とヴィアの頭をなでた。

それに気をよくしたのか、ヴァス様　執事　メイドさんと、渡してあげた。

皆さん　アルフォンス様が手にし食べたのを見て、すぐに食べてくれた。

お世辞でも「美味しい」の言葉に気をよくしたヴィアが。「ヴィアがかあしゃまと作ったのよ。」と嬉しそうだ。

その後、部屋に案内されて、お風呂に入り。着替えて食堂に行く。ヴィアもカインも、きちんとした服装だった。

アルフォンス様が「すまない。今は　既製品の服で我慢して欲しい。」と謝罪してきた。

ヴィアが「かあしゃま。お姫さまみたいね。素敵な服。汚さないようにしないと、ヴィア、初めてよ。新しいお洋服。」と話した。

ああ。二人の服は、古着を買いに行ったり、お下がりだったからね。新しい服なんて、本当に手が出ない。

カインは「この服、新しすぎて、困る」と話す。

アルフォンス様もヴァス様も、困った顔をしている。食堂に入ると、長い大きな机があった。


そしてそれぞれ椅子に座ると、料理が運ばれてくるが、ヴィアが、「少しだけね。」と不思議そうだ。

アルフォンス様が「少しずつ、料理が運ばれるよ。」と話してくれたが、ヴィアが納得していない。

すると、急に次々運ばれてくる料理に、やっとホッとしたヴィアがいた。

あれもこれもと、沢山食べて、おしゃべりして満足したのか、急に静かになり食事中に寝てしまった。

ヴィアが抱きかかえられるが、アルフォンス様が　皆で寝ることを伝え、ヴィアは自分の部屋では無く、私達と寝ることになった。

カインはまだ元気で、アルフォンス様に、明日の予定をきちんと聞いていた。そのまま、食事が終わり、私とカインは、ヴィアの寝てるお部屋に　移動する。全ては　明日謎が解ける・・・・かな？