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第2章 姫
44話 ワルマー王国では②
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王宮の執務室。それも大臣等ではなく国王の。
部屋には魔物のはく製や、豪華な家具の置かれた一室。
中央の頑丈な机でカスール国王は必死に仕事をしていた。
その様子は見るからにやつれていて、ずっと働かされているようだ。
「ダイード! もう無理だ! 少し休ませてくれ!」
カスールはダイードに懇願する。その様は国王であるようには見えない。
対するダイードの目は冷たい。
「休む? 1時間前に休んだばかりでしょう?」
「そんな! あれはただトイレに行っただけではないか!」
「そんなトイレで20分も何をやっていたんでしょうかね? 本当にトイレにいっていただけですか?」
「も、勿論だ」
「ほう……嘘をつくとどうなるか、ご存じですよね?」
「な、何がだ」
ダイードはそう言って窓から外に視線を降ろす。
カスールも釣られてその視線を辿ると、彼はそれを見つけた瞬間視線を部屋に戻した。
そこには、串刺しにされた死体が鳥に食べられている。
「さ、どうなるかわかったら仕事をしてください。この程度の仕事は私なら4時間もあればできます。それをどうして1日以上かかっているのですか? 終わらせたくないのですか?」
「こ、こんな難しいことはやっていない……」
「勉強をせずにメイドに手を出してばかりいるからこうなるんですよ。全く、国民の金をなんだと思っているのか」
「な、何を言う! 私の物に決まっているだろう!」
「はい?」
「ひ」
ダイードの余りの形相にカスール怯え、目を合わせることもできずに震えるだけだった。
「陛下、今までそんなだったから国がこんなにもおかしくなるのです」
「だが、大臣共はそれでいいと」
「あんな自分の懐を温めるようなことしか頭にない、カス共の言うことを聞いていたからこんなことになったのです!」
ダァン!
「ひぃ!」
ダイードは立ち上がり、拳を机に叩きつける。
「いいですか。一応今回私が陛下の命をお助けしました。貴方が側に控えさせていた大臣連中は、全て貴方を処刑するべきだと言っていたのですよ?」
「なに……アイツらが?」
「そうです、そのうえで私の所に金銀財宝を持って来てこう言いました。次期王は貴方ですね……と」
「ふざけるな! お、王は! ワルマー王国国王は俺だ!」
カスールが怒ったことを見て、ダイードは少しだけ目を見開く。
「その元気があれば仕事はまだ出来ますね?」
「あ……今のはその……」
「やれますね?」
「はい……」
「よろしい。私は貴方の仕事を監視するという仕事がありますからね。さ、早くやってください」
「分かった。分かったから……」
そう言って仕事をやり出して1時間もしない内に再び音をあげる。
「もうダメだぁ!」
「はぁ、仕方ないですね。では少し、散歩と行きましょうか」
「おお! 分かってくれたか!」
「はい。では陛下が昔何度も足を運んでいた場所に行きましょう」
ダイードがそう言って立ち上がったのを見て、カスールも嬉しくなり立ち上がる。
「ではついてきてください」
「分かった!」
ダイードは先に歩いていき、その後ろからカスールがスキップしそうなほどに楽し気に歩いてくる。
ダイードが部屋から出ると、そこにいた4人の兵士に話しかける。
「2人は後ろからついてきて見張れ」
「は!」
「畏まりました!」
「そんなことをしなくても逃げ出すようなことはしない」
「信じられるとお思いですか?」
「……」
ダイードが先頭を歩き、その後ろにカスール。そしてカスールの右後ろと左後ろに1人ずつ。カスールを囲むようにして歩いて行く。最上階だった王宮の部屋から、下の方に進んでいく。そして、かなり下の方に来る。
「ど、どこまで行くのだ? ここから先には何も無いではないか」
ここから先は、囚人用の監獄か、龍脈が存在しているだけ。カスールがここに来た事があるのは、視察という目的で一度龍脈を覗いた時だけだ。
ダイードはカスールの質問には答えずに、ただ黙って進む。そして、後ろの兵士たちも当然のように答えることなどない。
「……」
カスールもそれ以上言うことなく黙ってついて行く。
ダイードは『病魔の龍脈』の方に向かっていく。
しかし、昔に一度来た事があるだけのカスールは、自分が今どこに向かっているのか分かっていない。
そうして、『病魔の龍脈』の入り口に到着する。周囲にはかなりボロボロになった者達が転がっている。一応死なない様にだったり、腕が無くなるような被害を受けた者はいない。ただ、皆一様に疲れ俯き、ぐったりとしていた。
「な、何なのだ」
「行けばわかる」
その声を聴いた、近くにいた数人が顔をあげる。
「陛下……」
「陛下?」
「陛下」
「陛下!」
「助けてください! このままでは我々は死んでしまいます!」
「そうです!陛下の為に働いてきたのです! どうかお助け下さい!」
「だ、誰だお前達は」
「近衛騎士団です! 今はこの龍脈で働かされています!」
「近衛騎士団? なぜこんな所で?」
「俺がやらせている」
カスールと近衛騎士団の会話に入ったのはダイードだった。
「どうしてだ?」
「どうしてもこうしてもない。こいつらは国庫から財宝を勝手に持ち出して使い、魔物退治もセレットに任せていたのだぞ?」
「魔物退治? 近衛騎士団がか?」
「ああ、何でも金になる魔物は冒険者ギルドから依頼を取り上げ、それをセレットに狩らせて素材だけは自分たちの懐に入れていたのだ」
「そんな……」
「だから奴らは今こうなっている。残りの連中は……おい、開けろ」
「は!」
龍脈の前で門番をしている兵士が門を開ける。少しでも開けると、そこからは悲鳴が聞えてきた。
「助けてくれえええええ!!!」
「下がらせて、下がらせてくれえええ!!!」
「おい! 邪魔だ! 俺が下がれねえだろうが!」
「うるせえ! てめえが死ね!」
命乞いかお互いを犠牲にして自分だけでも助かろうとする連中の声にダイードは頭を抱える。
「カスール。いや、陛下。奴らが何と戦っているか知っていますか?」
「何って……ここは龍脈なのだろう? なら龍に決まっているではないか」
「では、貴方の出番ですね?」
「は? 何を言って……るん……」
カスールは訳が分からないと思うが、言いながら心当たりのあることを思い出す。
「思い出しましたか。貴方がセレットの手柄を勝手に使っていたようですね? 『不可視』のカスール。さぞかっこいい2つ名ですね? いつも王宮にいて何時龍を狩っているのかも分からない。それなのについた2つ名です。その実力を証明して見せますか?」
ダイードはわざと意地悪そうに言う。後ろの兵士から見れば遊んでいるようにしか見えなかったが、それでもカスールには本気のように見えた。
「わ、悪かった! 部屋で仕事をする! だから送らないでくれ!」
「本当ですか? 次に文句を言ったら本当にここに送りますよ?」
「分かった! 絶対! 絶対に言わないから!」
「分かりました。おい。閉めろ」
「は!」
「待って! 開いて、開い……」
「俺だけでも! おれだけで……」
龍脈の扉が悲痛な叫びとともに閉められる。
その場には深とした重い空気が流れた。
近衛兵たちはそこに戻らなければならないのかという重い気持ちに。
カスールは仕事をしなければ今のところに送られるという重い気持ちに。
「戻るぞ」
「分かった……」
ダイードはそんな様子を気にしたことなく元来た道を戻る。
そして部屋につくと、早速仕事に取り掛からせた。
「もしまた遊びたい、休みたい、女を抱きたい。そんな事を抜かしたらさっきの場所に連れてってやる。覚悟しておけ」
「わ、分かった……」
こうしてカスールの自業自得は始まったばかり……。
部屋には魔物のはく製や、豪華な家具の置かれた一室。
中央の頑丈な机でカスール国王は必死に仕事をしていた。
その様子は見るからにやつれていて、ずっと働かされているようだ。
「ダイード! もう無理だ! 少し休ませてくれ!」
カスールはダイードに懇願する。その様は国王であるようには見えない。
対するダイードの目は冷たい。
「休む? 1時間前に休んだばかりでしょう?」
「そんな! あれはただトイレに行っただけではないか!」
「そんなトイレで20分も何をやっていたんでしょうかね? 本当にトイレにいっていただけですか?」
「も、勿論だ」
「ほう……嘘をつくとどうなるか、ご存じですよね?」
「な、何がだ」
ダイードはそう言って窓から外に視線を降ろす。
カスールも釣られてその視線を辿ると、彼はそれを見つけた瞬間視線を部屋に戻した。
そこには、串刺しにされた死体が鳥に食べられている。
「さ、どうなるかわかったら仕事をしてください。この程度の仕事は私なら4時間もあればできます。それをどうして1日以上かかっているのですか? 終わらせたくないのですか?」
「こ、こんな難しいことはやっていない……」
「勉強をせずにメイドに手を出してばかりいるからこうなるんですよ。全く、国民の金をなんだと思っているのか」
「な、何を言う! 私の物に決まっているだろう!」
「はい?」
「ひ」
ダイードの余りの形相にカスール怯え、目を合わせることもできずに震えるだけだった。
「陛下、今までそんなだったから国がこんなにもおかしくなるのです」
「だが、大臣共はそれでいいと」
「あんな自分の懐を温めるようなことしか頭にない、カス共の言うことを聞いていたからこんなことになったのです!」
ダァン!
「ひぃ!」
ダイードは立ち上がり、拳を机に叩きつける。
「いいですか。一応今回私が陛下の命をお助けしました。貴方が側に控えさせていた大臣連中は、全て貴方を処刑するべきだと言っていたのですよ?」
「なに……アイツらが?」
「そうです、そのうえで私の所に金銀財宝を持って来てこう言いました。次期王は貴方ですね……と」
「ふざけるな! お、王は! ワルマー王国国王は俺だ!」
カスールが怒ったことを見て、ダイードは少しだけ目を見開く。
「その元気があれば仕事はまだ出来ますね?」
「あ……今のはその……」
「やれますね?」
「はい……」
「よろしい。私は貴方の仕事を監視するという仕事がありますからね。さ、早くやってください」
「分かった。分かったから……」
そう言って仕事をやり出して1時間もしない内に再び音をあげる。
「もうダメだぁ!」
「はぁ、仕方ないですね。では少し、散歩と行きましょうか」
「おお! 分かってくれたか!」
「はい。では陛下が昔何度も足を運んでいた場所に行きましょう」
ダイードがそう言って立ち上がったのを見て、カスールも嬉しくなり立ち上がる。
「ではついてきてください」
「分かった!」
ダイードは先に歩いていき、その後ろからカスールがスキップしそうなほどに楽し気に歩いてくる。
ダイードが部屋から出ると、そこにいた4人の兵士に話しかける。
「2人は後ろからついてきて見張れ」
「は!」
「畏まりました!」
「そんなことをしなくても逃げ出すようなことはしない」
「信じられるとお思いですか?」
「……」
ダイードが先頭を歩き、その後ろにカスール。そしてカスールの右後ろと左後ろに1人ずつ。カスールを囲むようにして歩いて行く。最上階だった王宮の部屋から、下の方に進んでいく。そして、かなり下の方に来る。
「ど、どこまで行くのだ? ここから先には何も無いではないか」
ここから先は、囚人用の監獄か、龍脈が存在しているだけ。カスールがここに来た事があるのは、視察という目的で一度龍脈を覗いた時だけだ。
ダイードはカスールの質問には答えずに、ただ黙って進む。そして、後ろの兵士たちも当然のように答えることなどない。
「……」
カスールもそれ以上言うことなく黙ってついて行く。
ダイードは『病魔の龍脈』の方に向かっていく。
しかし、昔に一度来た事があるだけのカスールは、自分が今どこに向かっているのか分かっていない。
そうして、『病魔の龍脈』の入り口に到着する。周囲にはかなりボロボロになった者達が転がっている。一応死なない様にだったり、腕が無くなるような被害を受けた者はいない。ただ、皆一様に疲れ俯き、ぐったりとしていた。
「な、何なのだ」
「行けばわかる」
その声を聴いた、近くにいた数人が顔をあげる。
「陛下……」
「陛下?」
「陛下」
「陛下!」
「助けてください! このままでは我々は死んでしまいます!」
「そうです!陛下の為に働いてきたのです! どうかお助け下さい!」
「だ、誰だお前達は」
「近衛騎士団です! 今はこの龍脈で働かされています!」
「近衛騎士団? なぜこんな所で?」
「俺がやらせている」
カスールと近衛騎士団の会話に入ったのはダイードだった。
「どうしてだ?」
「どうしてもこうしてもない。こいつらは国庫から財宝を勝手に持ち出して使い、魔物退治もセレットに任せていたのだぞ?」
「魔物退治? 近衛騎士団がか?」
「ああ、何でも金になる魔物は冒険者ギルドから依頼を取り上げ、それをセレットに狩らせて素材だけは自分たちの懐に入れていたのだ」
「そんな……」
「だから奴らは今こうなっている。残りの連中は……おい、開けろ」
「は!」
龍脈の前で門番をしている兵士が門を開ける。少しでも開けると、そこからは悲鳴が聞えてきた。
「助けてくれえええええ!!!」
「下がらせて、下がらせてくれえええ!!!」
「おい! 邪魔だ! 俺が下がれねえだろうが!」
「うるせえ! てめえが死ね!」
命乞いかお互いを犠牲にして自分だけでも助かろうとする連中の声にダイードは頭を抱える。
「カスール。いや、陛下。奴らが何と戦っているか知っていますか?」
「何って……ここは龍脈なのだろう? なら龍に決まっているではないか」
「では、貴方の出番ですね?」
「は? 何を言って……るん……」
カスールは訳が分からないと思うが、言いながら心当たりのあることを思い出す。
「思い出しましたか。貴方がセレットの手柄を勝手に使っていたようですね? 『不可視』のカスール。さぞかっこいい2つ名ですね? いつも王宮にいて何時龍を狩っているのかも分からない。それなのについた2つ名です。その実力を証明して見せますか?」
ダイードはわざと意地悪そうに言う。後ろの兵士から見れば遊んでいるようにしか見えなかったが、それでもカスールには本気のように見えた。
「わ、悪かった! 部屋で仕事をする! だから送らないでくれ!」
「本当ですか? 次に文句を言ったら本当にここに送りますよ?」
「分かった! 絶対! 絶対に言わないから!」
「分かりました。おい。閉めろ」
「は!」
「待って! 開いて、開い……」
「俺だけでも! おれだけで……」
龍脈の扉が悲痛な叫びとともに閉められる。
その場には深とした重い空気が流れた。
近衛兵たちはそこに戻らなければならないのかという重い気持ちに。
カスールは仕事をしなければ今のところに送られるという重い気持ちに。
「戻るぞ」
「分かった……」
ダイードはそんな様子を気にしたことなく元来た道を戻る。
そして部屋につくと、早速仕事に取り掛からせた。
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