レオンライト叙事詩 〜異世界ガチで冒険した結果〜

加納ウノ

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第三話 レベル上げと美少女

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いざレベル上げ!いざ魔物狩り!
俺は壁門を抜けて南の平原に来ている。魔物ってどうやって見つけるんだろう?
その時草むらから物音が聞こえた。倉庫にあった剣を抜き、構える。剣術なんてやったことないが、ここは異世界。なんとかなんだろ。(?

茂みから陰が飛び出してきた。

「うぉぉ⁉︎」

間一髪で避けた。草のない地面にいたそれはまごうことなきスライムだった!半透明な身体がウニョウニョ動き、ジャンプして襲ってくる。動きはさほど速くなく、ジャンプにだけ気をつければ問題ない。もっとも、ジャンプ攻撃にしても、さほどダメージは無いようだが。

「序盤雑魚キャラ、スライムとは、これまたワクワクさせてくれんじゃんか!
ほんじゃ、初狩りと行きますかァァ!!」


・・・


、、、強くね?
全ッッ然!剣通らねェじゃん!
、、、たしかに、あの体じゃ鋭利な武器は通じなそうだ、、、

「そこの人、手伝おうか?」

後ろから声がした。
振り返るとそこには、整った顔立ちにあるくりんとした目には澄んだ瞳。スラリとした体型にフード付き、深緑色のマントを被り、腰には細めの剣を携えている女性がいた。

その姿にはさながら、精霊を思わせる神秘的な美しさがあった。

「あ、えっと、、、」

一瞬見入ってしまった俺は、その隙を突かれてスライムに攻撃を許してしまった。



スライムの体当たりが俺の体に届こうとしたその瞬間、目の前を火柱が通る。

ブォン!

ピギャァァ!!

スライムは断末魔をあげ、焼き尽くされると共に、その場でチリとなった。

「戦闘中に気を抜くなんて、あなた、戦い慣れしてないでしょ。」

「、、、すいません、助かりました、、、」

「まさかスライムに剣一本で挑むなんて、しかもスキルも魔術も使ってなかったし、、、」

「使い方わからなくて、、、」

「スキルならともかく、魔術なら詠唱を覚えれば大抵は使えるものよ?」

「詠唱、、、分からなくて、、、
あのっ、さっきのって魔術ですか?」

「?えぇ、「フレイムスピア」って言う初級魔術よ。」

魔術!すげぇ!あんな風になるのか!

俺が目を輝かせていると彼女はおどおどしたように、、、

「、、、教え、ましょうか?、、、」

⁉︎

「いいんですか⁉︎」

「、、、まぁ少しくらいなら、、、」

「是非!お願いします!」

「!、、、えぇ」

もちろん即答だった。これでついに俺も魔術デビューというわけだ。初戦闘はみっともない姿を晒したがここからが本番だ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「、、、して、神聖魔術の使用者は見つかったのか?」

「いえ、未だ捜索中であります。」

「軍部にも圧力をかけているのですが、依然として情報が入ってきませぬ。」

「はぁ、、、のぉレミッド大臣よ。軍部は貴殿の管轄であるはず。何故歩兵の一人も見つけられんのだ!」

「、、、現在、あの場にいた全てのものに情報を聞いて回っているところです。」

「我々が欲しいのは言い訳ではない!結果を出せと言っているのだ!」

「まぁそう暑くなるでない、ドルマン大臣。焦ることはない。このまま捜索を続けてくれレミッド大臣よ。」

「は!お任せください国王様。」


、、、


「クソッ!あのジジイ!ギャーギャー喚き立ておって!黙って私に一任していれば良いのだ!、、、慎重にいかねば、、、誰にも気付かれんように。」

、、、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<南の平原>

「フレイムスピア!」

ブォン!

ピギャァァ!!

半透明なスライムは黒い消し炭となった。

「やった!当たった!」

「だいぶ精密になってきたわね。」

「ありがとう!クロードさん!」

「レイナでいいわよ。別に急ぎでもなかったしね。
スライムみたいに特定の攻撃が効かない魔物もたくさんいるの。そういう相手にこそ魔術が有効なのよ。」

「なるほど、、、レイナさんは冒険者なのか?」

「えぇ。興味あるの?」

「そりゃ、もちろん。依頼をこなして、世界中を巡る。見たことも、聞いたこともないものや場所や生き物。そんな冒険、憧れるしかないだろ。」

「、、、あなたはそうかもしれないけど、憧れだけでなる人なんて、ほとんど残らないのよ。」ボソッ

「?」

彼女は小さな声でつぶやくと立ち上がった。

「もう日暮れだわ。そろそろ街に戻らなきゃ。あなたはどうするの?」

「俺も帰るよ。少し疲れたし。
あぁそうだ!よかったら飯でも奢るよ。今日魔術を教えてくれたお礼だ。」

「いいの?」

「うん。この間の戦で金も入ったし、任せてくれ!」

「、、、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ。」

「OK!じゃ行こう。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺たちは街の食堂に来ていた。超絶美少女冒険者と共に、、、

料理を頼んでの雑談中。

「そういえばあなた、兵士なんでしょ?何で魔物と戦っていたの?」

「え?何でってレベル上げだけど。」

レイナさんは驚いた顔をした後呆れ顔に戻り

「レベル上げって、そんなのあげてどうするのよ。」

「?、強くなるため?」

「、、、レベルはあくまでステータスの総合値。レベルを上げてもただ値的に数字が上がるだけよ。」

「え?でもレベルを上げるとステータス値も高くなるから、、、」

「?」

「?」

あれ?何か間違ってるのか?

「、、、レイナさん。透視のスキル持ってる?」

「?えぇ。一応」

「俺のステータス見てみて。」

俺はステータスを出し、レイナさんには透視のスキルを使うよう促す。彼女は不思議な顔をしながらステータスを覗く。

「、、、え⁉︎なにこのレベル⁉︎」

「あぁ、俺記憶無くしててその影響でステータスが変動しちゃったみたいなんだ。」

「、、、そんなことあるの?」

「まぁね。それよりも見て欲しいのはこっち。」

そこにはこの表記があった。



Level:1→8

・strength :9 → 12
・defense:8 → 10
・agility:8 → 11
・M P:5 → 7
・critical:4 → 6



「これが何?」

「これは俺の基礎ステータスだ。」

「⁉︎」

「ステータスはさまざまなスキルや魔術の効果の総合的値なんだ。
たしかに、スキルや魔術でステータスを補正してやれば、一気に強くなれる。だけどそれだと限界があるし、スキルや魔術が使えなくなった場合、基礎ステータスのみになると一気に値が下がる。
でも基本ステータスがそれなりにあれば、そんなことにはならない。それどころかスキルや魔術の効果を常に上昇させ続けることができる。レベルを上げるだけでな。」

「、、、なるほど。普通ステータス値は合計に目が行きがちだけど基本ステータスを上げればスキルや魔術の効果がさらに高まる。
そうね、理にはかなってる。」

「でも、このぐらいなら誰でもしてるんじゃないか?」

「いいえ、そもそもレベル上げなんて面倒なことする人自体珍しいから。」

あっ、珍しいんですね。

飯を食べ終わって店を出た後、彼女は

「それじゃ私はこれで。ごちそうさま。また何か聞きたいことがあったらギルドにいるから、声かけて。じゃあね。」

そう言って彼女は歩き出した。

そのフードは最後まで取られることはなかった、、、

俺も帰ろうとした時、夜の暗闇の中にギラリと光る複数の瞳があった。

「貴殿はレオンで間違い無いな?」

「、、、そうだが」

「、、、突然ですまないが我等と共に来てもらおう。
拒否権はないぞ?」

怪しい。すげぇ怪しい。絶対何か企んでるぞこのおっさん。、、、拒否権はないか、、、
さて、、、どうしたもんかな、、、




陰謀は確実に動き出していた、、、


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