レオンライト叙事詩 〜異世界ガチで冒険した結果〜

加納ウノ

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第十四話 ドラゴン?、、、

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ーーー村を出発してから6日。街道を南下し、レオンは次の街へと来ていたーーー

予定よりかなりかかってしまった。
パルパ村では、馬などの家畜が全滅していた。よって、徒歩で移動するしかなかった。

だが、無事に次の街まで来ることができた。

ここは宿場町らしく、人も沢山いて、流通が盛んな街だ。ーーー

ーーー俺は、依頼達成の報告をしに、この街のギルドへと来ていた。

「ーーーでは、依頼達成を確認しました。お疲れ様です。他に何か報告はありますか?」

ギルドの受付嬢が、そう言った。

「村に現れたのは、ルーガルーとワーウルフだった。
周辺は探索して来たけど、もしかしたら残党がいるかもしれない。後、D級パーティは全滅していた。一応報告しておくよ。」

「?おかしいですね、、、。あそこ一帯は冒険者が定期的に巡回するルートです。見間違えたのでは?」

「いや、間違いない。この目で見たんだ、あれはワーウルフとルーガルーの群れだった。」

「、、、そうですか。失礼しました。それで、どうやって撃退しました?ワーウルフはどのくらいの手負で?」

「討伐した。」

「、、、え?」

「討伐した。」

「、、、」

俺がそう言うと、受付嬢は少し不機嫌そうに、かつ、受け流す様に言った。

「ハハ、、、ご冗談を。C級に倒せる相手ではありませんよ?困るんですよね、誤情報を流されるのは。」

、、、何を言ってるんだ。
撃退だと?ふざけるな。俺は苦労して、なんとか討伐して来たんだ。

「冗談も何も、実際に討伐して来たんだ。」

「、、、ですから、C級冒険者に倒せる相手では無いんです。」

、、、あくまでも認めないつもりだな?

「嘘じゃない!なんだったら、、、村の人達に聞いてみろ。まだ死骸だって残ってるぞ。」

俺がそう言い切ると、彼女は少し考え、再び喋り出した。

「、、、わかりました。しかし、事実確認はしますよ?調査班を派遣して調べさせます。確実な情報の共有は、必須ですから。」

「あぁ、それでいい。俺も正しい情報を提示したかったのは嘘じゃないからな、、、」

内容が内容だったために、熱くなってしまった。
、、、少し頭を冷やそう。

「依頼の報酬は、元の報酬と、ギルドの特別対象討伐の報酬を追加します。」

「特別対象討伐?、、、」

俺がそう疑問に思って呟くと、受付嬢は説明をしてきた。

「ギルドでは、依頼の最中、追加で討伐した魔物や、採取したアイテムが特別対象だった場合、別途の報酬が出ます。リストに載っている対象はランク分けされており、報酬の金額はランクに応じた額になっています。」

ほう、そんなシステムがあったとは。

「本来ならば、獲物の一部を提示してもらうことになっているのですが、、、」

受付嬢は、俺の服装をじっくりと見ていた。
防具の胸当てや小手などを観察している。

「、、、まぁ、今回は特例ということで受理しましょう。
次回からは、しっかりと素材を取って来てください。」

なんとかなったらしい。
しかし、装備の状態を見ただけで判断するとは、、、
これもギルドで働く上で必要な能力なのかもしれない。

報酬は金貨10枚に、プラスして特別対象討伐の金貨5枚に銀貨5枚。合計金貨15枚と、銀貨5枚。

なかなかの稼ぎだと思うが、これが平均だとすると、
盗賊団の件がどれだけ破格だったのかがわかるーーー

ーーーーーー

ーーーまた依頼を受けながらクローゲン地方を目指そうと思ったのだが、これと言った依頼がなかった。

南方への依頼が、今のところなかったのだ。

しょうがない。依頼は次の街で受けよう。

俺は、次の街に向かう馬車を探していたーーー

「なぁ、この馬車は南方へ向かうのか?」

商人らしき男に声をかける。

「へい、そうでございます。どこへお向かいで?」

「クローゲン地方へ行きたいんだ。次の街までどれくらいかかるんだ?」

「そうですね~、、、15日ほどでしょうかねぇ?」

「15日か、、、結構かかるんだな。」

「まぁ、ちょっと遠回りですからねぇ。」

「?、なんで遠回りなんだ?」

「う~んとですね、あの山見えるでしょ?横広の山。」

男が指を指したのは、町の南に広がる山脈だった。

「あんまり高さはないんですけどね?街道整備もまだされてなくて、馬での山越えはきついんですよ。」

「それで遠回り、、、」

どうしたものか、、、
別に急ぎの旅でもない。安全に遠回りしてもいいんだが、あまり時間をかけるのもどうかと思う。

というのも、時間をかけるほど宿が必要になってくる。
そうすると、金銭的な問題が出てくる。野営という選択肢もあるが、それでも物資が必要だ。それに危険もつきまとう。依頼を受ければいいのだが、それだっていつも成功するとは限らない。

金が惜しいというわけではないが、出来るだけ無駄遣いは避けたいのだ。

「、、、単独で山越えはできるのか?」

「冒険者さんなんかは、山越えしていきますね。早く目的地に着かないと行けないらしいんで。最近はあんまり見ませんけど。」

「山越えならどれくらいかかるんだ?」

「7日もありゃ着くって話ですけど。」

出来ることは出来るか、、、
山越えなら、迂回する半分の日数で行ける。

「じゃあ山の麓まで頼めるか?」

「へい!わかりました!」ーーー

ーーーーーー

ーーー数分で山の麓までやってきた。商人に金を払い、降ろしてもらう。

確かに、山はそれほど高くない。しかし、横幅はかなりのものだ。
これでは、迂回に15日かかるのも頷ける。

とりあえず、中腹ぐらいまで登って、そこで野営にしようーーー

ーーー登るの自体は、あまり苦ではなかった。なだらかとまでは行かないが、多少の崖があるくらいだった。
ーーー

ーーーーーー

ーーーそして3日後。頂上が見えてきた。この日は山頂付近で霧が出ていて、視界はあまり良くなかった。

と、その時だった。

"ーーーおい、貴様、、、"

山のどこかから声が聞こえてきた。
籠った様な、、、いや違う!頭に直接響いてくる、、、

あたりを見回しても誰もいない。

そして、いきなり突風が吹いたと思うと、上から大きなものが落ちてきた。

いや、降りてきた。

その振動に耐えるため少し踏ん張る。

、、、突風が止み、あたりの霧も少し晴れた。

目を開けて、「それ」を見た。

⁉︎

「、、、な、」

そして「それ」は、語りかけてきた。

"我が住処に、何の用だ。人間。"

「それ」は、巨大な体と翼を持ち、全身を鱗で覆っていた。長い首に、鋭い爪を持つ四肢。後頭部に伸びた角。長い尾はその体と同じほどあり、鋭い眼光はじっと、俺を見つめてくる。。



俺は「それ」を知っていた。



ーーー「、、、ドラゴン、、、?」ーーー









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