国王ほど不自由なモノはない

榎本 ぬこ

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はち

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「…なに、やってんのって聞いてるんだけど?」
 なにって。今の状況を説明、…できるか?
 ミリスの上に乗っかって、ってかいつからいた?
「あー…てかなんで、ユリス兄上がいるんだよ」
「…王妃様が、陛下はここにいると言うから」
 あの馬鹿キャロル!!一生恨んでやる!!!
「…へぇ。王妃様がいながら、『執務室でこんなことしてる変態』ねぇ」
 聞かれてた!!!!!
(もうやだ、穴があったら入りたいぃぃい!!!)
「てかユリス兄上、驚かないんだ」
「…ミリス?これを俺が、伯父上に言いつけたらどうなるか、分かるか?」
「ちょ、兄上!?」
「今すぐ服着て、出ていけ」
「わ、分かったよ!父上に言うなよ!!?」
 ズルリと抜けてしまった熱欲しさに、後ろが疼く。
「お、俺も、服を、着ようかなー、なんて…」
 慌ただしく出ていくミリスの裏切り者を見て、急いで服を着ようとするーーの、だが。
「…さて?どういうことか、説明してもらおうか?」
 見事に腕をガッチリ掴まれてしまった。
「や、その、これは…」
 焦る頭で考える。そうだ、今こそ国王の威厳を発揮すべき時では?
「っ…ぶ、無礼者。余に触るでなーーあっ!?」
 がぶりと耳を噛まれ、また矯声。
「や、だめ、それっ!!」
 噛むだけならいい。ベロリと舐めないで!!
「…なにやってんだ?この、淫乱の変態」
「っ……」
 冷たい視線にゾクゾクしてしまう。
「そんなに男が欲しいなら、相手してやるよ?このドマゾ
 この視線が、ずっと欲しかったのだ。
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