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仕事は暇でもサボりはいけない
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「今日も平和だねぇ。」
那覇ギルド職員、山本隆二は窓の外に見える空を眺めていた。
「山本さん、仕事をして下さい。」
受付の仕事を碌にせず、空を眺めている隆二を同僚の女性職員は叱咤する。
「でもねぇ。どうせ俺が受付したところで誰も来やしねえからな。」
「そんな事ありませんよ。隆二さんの受け持った方は凄い探索者になるって評判なんですから。まあ、同時に態度が悪いって不評もあるんですけど…」
「知ってるよ。草介と茉央が強くなったからそういう噂が流れてんだろ。言っとくけど偶々だからな。俺なんも教えてないし。」
「わかってますよ。それでも探索者の中には貴方の受付に来たがる人もいるんです。そうでなくとも仕事なんですからやって下さい。」
彼女の言い分はもっともだ。仕事をサボっているのは俺の方なのだから。仕方ねぇ、そろそろ行くか。
いい加減仕事に戻ろうとすると慌てた様子でこちらに向かい一人の女性職員が走ってくる。
「はぁはぁ、隆二さん!急いで受付に戻って下さい!」
走ったせいで呼吸が荒れている。
「ほら、お仕事ですよ。良かったじゃないですか。」
「良くねえよ。俺を呼ぶって事はそれだけ受付が混んでるって事だろ。めんどくせぇ。探索者は気が短えからこういう時煩いんだよな。」
「違います!あの人が……榊草介さんが帰って来たんです!隆二さんを呼んでるので早く来て下さい!」
「マジかよ!あいつ帰って来たのか!連絡くらいしろっての。」
呼びに来た職員と共に駆け足で受付へと向かう。そこには半年前まで頻繁に俺の受付へと通っていた榊草介の姿…そしてその横に知らない女性の姿があった。
「草介、久しぶりだな。ところで……隣の女の子は誰だ?別にお前は独り身だから構わね~んだけど、なんつーかその…茉央がいるんだからその辺、気を使ってやれよ。」
「なに言ってんだ。こいつは氷華のパーティメンバーだよ。次の依頼が来るまで各々自由に過ごす予定だったんだが、氷華に騙されてついてきたんだ。」
「パーティメンバーねぇ。それはわかったが今日は何のようだ?帰って来たばっかでダンジョンに潜りたい訳でもねえだろ。」
休暇で帰って来ておいて、すぐにダンジョンに潜るわけが無い。他に何か用事があって俺に会いに来たに違いない。
「なあ、この辺にホテルないか?泊まるところがないみたいで…」
「ちょっと…言い方を考えて下さい。恥ずかしい。携帯で調べたんですけどスタンピードの影響でこの辺り全部潰れてるみたいで…ギルドならネットに載ってない探索者専用施設があるので、何処か空いてないかと思いまして。」
「そういう事か。待ってろ、ちょっと探してくる。」
席を離れ隆二が資料を探しに行く。
暫くして2枚の資料を持ち受付へと戻って来た。
「この2か所なら空いているが流石に今日すぐに泊まれる訳じゃねえ。出張の探索者用施設だからな…その辺は勘弁してくれ。」
「いえ、ありがとうございます。今日はこの人の家に泊まるので大丈夫です。」
笑顔で草介を指差す。
「は?なんで俺が…」
「私に野宿しろというんですか?貴方以外知り合いがいないんだから仕方ないでしょう。今日だけでいいので泊めて下さい。」
「絶対嫌だ!」
ギャーギャーとギルド内で言い争っていると騒ぎを聞きつけ人が集まってくる。
すると人混みの中から一人の少女が飛び出して来た。
「草介さん…家に泊めるってどういう事ですか?その人一体誰ですか?」
光のない目で草介を見つめる茉央。
不思議と感じる威圧感に草介は答えることができなかった。
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那覇ギルド職員、山本隆二は窓の外に見える空を眺めていた。
「山本さん、仕事をして下さい。」
受付の仕事を碌にせず、空を眺めている隆二を同僚の女性職員は叱咤する。
「でもねぇ。どうせ俺が受付したところで誰も来やしねえからな。」
「そんな事ありませんよ。隆二さんの受け持った方は凄い探索者になるって評判なんですから。まあ、同時に態度が悪いって不評もあるんですけど…」
「知ってるよ。草介と茉央が強くなったからそういう噂が流れてんだろ。言っとくけど偶々だからな。俺なんも教えてないし。」
「わかってますよ。それでも探索者の中には貴方の受付に来たがる人もいるんです。そうでなくとも仕事なんですからやって下さい。」
彼女の言い分はもっともだ。仕事をサボっているのは俺の方なのだから。仕方ねぇ、そろそろ行くか。
いい加減仕事に戻ろうとすると慌てた様子でこちらに向かい一人の女性職員が走ってくる。
「はぁはぁ、隆二さん!急いで受付に戻って下さい!」
走ったせいで呼吸が荒れている。
「ほら、お仕事ですよ。良かったじゃないですか。」
「良くねえよ。俺を呼ぶって事はそれだけ受付が混んでるって事だろ。めんどくせぇ。探索者は気が短えからこういう時煩いんだよな。」
「違います!あの人が……榊草介さんが帰って来たんです!隆二さんを呼んでるので早く来て下さい!」
「マジかよ!あいつ帰って来たのか!連絡くらいしろっての。」
呼びに来た職員と共に駆け足で受付へと向かう。そこには半年前まで頻繁に俺の受付へと通っていた榊草介の姿…そしてその横に知らない女性の姿があった。
「草介、久しぶりだな。ところで……隣の女の子は誰だ?別にお前は独り身だから構わね~んだけど、なんつーかその…茉央がいるんだからその辺、気を使ってやれよ。」
「なに言ってんだ。こいつは氷華のパーティメンバーだよ。次の依頼が来るまで各々自由に過ごす予定だったんだが、氷華に騙されてついてきたんだ。」
「パーティメンバーねぇ。それはわかったが今日は何のようだ?帰って来たばっかでダンジョンに潜りたい訳でもねえだろ。」
休暇で帰って来ておいて、すぐにダンジョンに潜るわけが無い。他に何か用事があって俺に会いに来たに違いない。
「なあ、この辺にホテルないか?泊まるところがないみたいで…」
「ちょっと…言い方を考えて下さい。恥ずかしい。携帯で調べたんですけどスタンピードの影響でこの辺り全部潰れてるみたいで…ギルドならネットに載ってない探索者専用施設があるので、何処か空いてないかと思いまして。」
「そういう事か。待ってろ、ちょっと探してくる。」
席を離れ隆二が資料を探しに行く。
暫くして2枚の資料を持ち受付へと戻って来た。
「この2か所なら空いているが流石に今日すぐに泊まれる訳じゃねえ。出張の探索者用施設だからな…その辺は勘弁してくれ。」
「いえ、ありがとうございます。今日はこの人の家に泊まるので大丈夫です。」
笑顔で草介を指差す。
「は?なんで俺が…」
「私に野宿しろというんですか?貴方以外知り合いがいないんだから仕方ないでしょう。今日だけでいいので泊めて下さい。」
「絶対嫌だ!」
ギャーギャーとギルド内で言い争っていると騒ぎを聞きつけ人が集まってくる。
すると人混みの中から一人の少女が飛び出して来た。
「草介さん…家に泊めるってどういう事ですか?その人一体誰ですか?」
光のない目で草介を見つめる茉央。
不思議と感じる威圧感に草介は答えることができなかった。
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