断罪なんて嘘でしょ!?

あい

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悪役令嬢の誕生日(2)

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 お昼も過ぎた頃海里が誕生日プレゼントを2つ持ってきてくれた。プレゼントは普通の人が喜ぶものは有り余ってそうだからと、私が目をつけていた超高級枕をくれた。今日1嬉しいかもしれない。もう1つは、なんとあの隼人からだそうで、お洒落なネックレスだった。双子も来たがったそうだが、私が調子に乗り走り出すのが容易に想像できたので置いてきたそうだ。大丈夫なのに、あまりにも信頼がない。

 そうしてまた、隼人が変なことに対して知っているかと聞いていた。連絡もとっていないし知るわけもないのだが、どうも海里は私が原因と思い込んでいるようである。腹立たしいことである。じゃあなんで有紗の事以外で心動かない隼人があんなにも変なんだと聞かれた。私には知るよしもないのだが、あまりにも聞いてくるので、ヒントをあげることにした。

「きっと好きな人でも出来たんですよ。」

「そんなの前から知ってるよ。」

 と当たり前のように返してきたので戸惑ってしまった。私だって、隼人とは小学生の頃からの仲なのだが、あの隼人がキスをしていた相手は初めて見たのだ。それなのに、前から周知の事実であるとは・・・。友達のことを何もしれていなかったのだと思い少し悲しくなった。

「じゃあ、きっとその相手に会ったら隼人も元気になりますよ。」

「いや、だから今日も誘ったのにプレゼントだけ渡されたんだよ。」

と。この後海里はあのキスの相手の所にプレゼントを持って行かなくてはいけないということだろう。暇つぶしによかったのだが、あまり長居をしてもらうのもダメだと思い、

「プレゼント本当にありがとうございました。嬉しかったです。隼人にもお礼を伝えといてください。」

と感謝を述べた。

海里は海里で急にお礼を言うと言うことは怪我が痛むのかもしれないと思いその後すぐに帰っていった。


2人の微妙な思い違いは誰にも訂正されることはなかった。




その海里が帰った後も、プレゼントは送れてこられ続け、お見舞い&誕生日祝いを言いに何人か訪問してくれた。今年は嬉しいことに、初めての友達こと、お出かけしたメンバーやファンクラブの人たちもきてくれた。変わらず圭一も部活後に寄ってくれ、スニーカーをくれた。本当にさすが幼馴染だ。治ったら絶対運動しようと思っていたから、このスニーカーはありがたい。

メッセージもいろんな方達から何件もきており、他の日と比べ、とても充実し、楽しい一日となった。しばらくは、お礼状を書くので時間を潰せそうである。


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