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06.まだ心の準備が
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ジョエルの「君を怖がらせたら絶対にダメだ」の意味は、その日の夜に判明した。
「やだ……まって、まだ心の準備が……っ」
「どれだけ待ったと思っているんだ」
サラの抗議は口づけであっさり封じられる。
あのあと、サラは「ギャラリーの修復責任者として国王に挨拶するべきだ」と促され、それもそうかとサラはジョエルと王宮の本館に向かった。
国王夫妻と会うのはいったい何年振りだろう。
お久しぶりです……と型通りの挨拶をしようとしたところでなぜか感極まった二人に「どうかジョエルをよろしくね!」と頼まれ、修復士として挨拶しに来たはずなのにこの態度は妙だな? と思っていたら一緒に食事をすることになり。
「今日はもう遅いから泊まっていきなさい。部屋はいくらでもあるからね」
という国王の笑顔に押し切られたあと、ジョエルに「案内するよ」と言われおとなしくついていった部屋が、なぜかジョエルの部屋。
「渡そうと思っていたんだけど、結局その機会がこなくて」
そう言ってジョエルが部屋の奥から指輪を取ってきてくれたので、このためにジョエルの部屋に案内されたのかなぁと思っていたのだが、ジョエルの求婚に頷いた途端、抱きしめられて口づけされた。
それはいい。まだわかる。
わからないのはそのあと、ジョエルのベッドに引きずり込まれたことだ。
気が付いたら大きなベッドの真ん中で仰向けになっており、ジョエルがのしかかるような姿勢で上からサラを見下ろす。
「待って、ジョエル殿下っ! せめて湯を浴びたあとに……っ」
「あとでいいよ。サラのにおいが薄くなる」
言いながらジョエルが顔を寄せ、サラの首元で大きく深呼吸する。
「におっ……!?」
「こっちは何年も君を想ってきたんだ、余裕なんか全然ないんだよ」
言いながら唇を奪われる。差し込まれた舌がサラの口腔内をなめまわし、サラの舌を負う。飢餓感丸出しの口づけだ。やがて唇は耳や首筋をくすぐり、サラをとろけさせた。
最初はくすぐったいだけだったのに、唇や舌先でくすぐられているうちに体の奥が熱くなり、四肢から力が抜けていく。
恥ずかしいけれど抵抗する気にならないのは、やはりジョエルだからだ。
「君は人の感情にとても敏感だから、僕がこんな邪な感情を抱いていると知ったら絶対に怖がると思って」
ベッドの上でぐったりしたサラを見下ろしながら、サラをまたぐようにしてベッドに膝立ちしているジョエルがサラの作業着のボタンを外していく。
「君の前ではとにかく聖人君子でいようと思った。決して、君にこんなことをしたいなんて思っていないって」
言いながら作業着をはぎ取り、その下の下着もはぎ取り。
あらわになった白い乳房をジョエルの大きな手が揉む。
男の人の手だった。手のひらは大きく、節くれだった指は長く、サラの決して大きくはない胸をすべて包み込めてしまう。ジョエルの手のひらは熱かった。
「気持ちを隠すことに必死だった」
「それでなのね。あの頃のジョエル殿下は何を考えているのかちっともわからなかった。私はそれが不安だった」
「僕は下心が透けていないか不安だった」
両手で乳房の柔らかさを堪能したあと、ジョエルは両方の乳首を同時に指先でつまんだ。
強い刺激に思わず背中がのけぞる。
指先が乳首の先端をひっかく。
「はあ……っ」
さっきとは違う甘い刺激に思わず声がこぼれる。
「先が硬くなってきた。感じてるってことかな……」
よくわからないんだよな、経験がないから、ととてもそうは思えないことを呟きながら、ジョエルが顔を寄せてきて片方の乳首を口に含む。指とは違う熱くぬめった刺激にサラは再び声をあげた。背筋を逸らしたいところだが、体を押さえこまれていてできない。体に入った力をどこにも逃がすことができなくて、力いっぱい突っ張るしかない。
ジョエルは口にくわえた乳首を舌先で転がしたり唇で引っ張ったりと、サラを追い込むことに余念がない。
甘い刺激に体の奥がどんどん熱くなり、どろりと何かが溶け出す。じわりと下着に熱いものが広がるのを感じる。
まるでその反応に気が付いたかのように、そこにジョエルの手が忍び込む。
「ま、待ってって!」
そんな恥ずかしい場所を他人に触られるなんて! というサラの抗議はまったく用をなさない。ジョエルの長い指先はするすると下着に忍び込み、陰毛をかき分けてサラの秘所に到達した。指先がぬかるみをなで、その上にある陰核をこする。
「やだ、やめ……っ、そこは汚いから……っ」
サラの抗議はもちろん無視され、指の腹があふれる蜜でぬるぬるになった陰核をなで続ける。もっとも感じる場所なだけに一気に体の中に快楽が膨らんでいく。
ああだめ、人前で恥ずかしい姿をさらしてしまう。
そう思ったとき、スッと指先が陰核を離れた。
胸元からも唇を離して、ジョエルが体を起こす。
「もっとサラをよく見たい」
そう言って、サラの下半身に残っている衣類をも赤ちゃんの着替えの要領ではぎとっていく。あっという間の出来事だった。
ひぇっ、と思ってあわてて下半身を手で隠す。
その様子にジョエルが小さく笑い、ジョエル自身も着ていたものを脱いでいった。
「やだ……まって、まだ心の準備が……っ」
「どれだけ待ったと思っているんだ」
サラの抗議は口づけであっさり封じられる。
あのあと、サラは「ギャラリーの修復責任者として国王に挨拶するべきだ」と促され、それもそうかとサラはジョエルと王宮の本館に向かった。
国王夫妻と会うのはいったい何年振りだろう。
お久しぶりです……と型通りの挨拶をしようとしたところでなぜか感極まった二人に「どうかジョエルをよろしくね!」と頼まれ、修復士として挨拶しに来たはずなのにこの態度は妙だな? と思っていたら一緒に食事をすることになり。
「今日はもう遅いから泊まっていきなさい。部屋はいくらでもあるからね」
という国王の笑顔に押し切られたあと、ジョエルに「案内するよ」と言われおとなしくついていった部屋が、なぜかジョエルの部屋。
「渡そうと思っていたんだけど、結局その機会がこなくて」
そう言ってジョエルが部屋の奥から指輪を取ってきてくれたので、このためにジョエルの部屋に案内されたのかなぁと思っていたのだが、ジョエルの求婚に頷いた途端、抱きしめられて口づけされた。
それはいい。まだわかる。
わからないのはそのあと、ジョエルのベッドに引きずり込まれたことだ。
気が付いたら大きなベッドの真ん中で仰向けになっており、ジョエルがのしかかるような姿勢で上からサラを見下ろす。
「待って、ジョエル殿下っ! せめて湯を浴びたあとに……っ」
「あとでいいよ。サラのにおいが薄くなる」
言いながらジョエルが顔を寄せ、サラの首元で大きく深呼吸する。
「におっ……!?」
「こっちは何年も君を想ってきたんだ、余裕なんか全然ないんだよ」
言いながら唇を奪われる。差し込まれた舌がサラの口腔内をなめまわし、サラの舌を負う。飢餓感丸出しの口づけだ。やがて唇は耳や首筋をくすぐり、サラをとろけさせた。
最初はくすぐったいだけだったのに、唇や舌先でくすぐられているうちに体の奥が熱くなり、四肢から力が抜けていく。
恥ずかしいけれど抵抗する気にならないのは、やはりジョエルだからだ。
「君は人の感情にとても敏感だから、僕がこんな邪な感情を抱いていると知ったら絶対に怖がると思って」
ベッドの上でぐったりしたサラを見下ろしながら、サラをまたぐようにしてベッドに膝立ちしているジョエルがサラの作業着のボタンを外していく。
「君の前ではとにかく聖人君子でいようと思った。決して、君にこんなことをしたいなんて思っていないって」
言いながら作業着をはぎ取り、その下の下着もはぎ取り。
あらわになった白い乳房をジョエルの大きな手が揉む。
男の人の手だった。手のひらは大きく、節くれだった指は長く、サラの決して大きくはない胸をすべて包み込めてしまう。ジョエルの手のひらは熱かった。
「気持ちを隠すことに必死だった」
「それでなのね。あの頃のジョエル殿下は何を考えているのかちっともわからなかった。私はそれが不安だった」
「僕は下心が透けていないか不安だった」
両手で乳房の柔らかさを堪能したあと、ジョエルは両方の乳首を同時に指先でつまんだ。
強い刺激に思わず背中がのけぞる。
指先が乳首の先端をひっかく。
「はあ……っ」
さっきとは違う甘い刺激に思わず声がこぼれる。
「先が硬くなってきた。感じてるってことかな……」
よくわからないんだよな、経験がないから、ととてもそうは思えないことを呟きながら、ジョエルが顔を寄せてきて片方の乳首を口に含む。指とは違う熱くぬめった刺激にサラは再び声をあげた。背筋を逸らしたいところだが、体を押さえこまれていてできない。体に入った力をどこにも逃がすことができなくて、力いっぱい突っ張るしかない。
ジョエルは口にくわえた乳首を舌先で転がしたり唇で引っ張ったりと、サラを追い込むことに余念がない。
甘い刺激に体の奥がどんどん熱くなり、どろりと何かが溶け出す。じわりと下着に熱いものが広がるのを感じる。
まるでその反応に気が付いたかのように、そこにジョエルの手が忍び込む。
「ま、待ってって!」
そんな恥ずかしい場所を他人に触られるなんて! というサラの抗議はまったく用をなさない。ジョエルの長い指先はするすると下着に忍び込み、陰毛をかき分けてサラの秘所に到達した。指先がぬかるみをなで、その上にある陰核をこする。
「やだ、やめ……っ、そこは汚いから……っ」
サラの抗議はもちろん無視され、指の腹があふれる蜜でぬるぬるになった陰核をなで続ける。もっとも感じる場所なだけに一気に体の中に快楽が膨らんでいく。
ああだめ、人前で恥ずかしい姿をさらしてしまう。
そう思ったとき、スッと指先が陰核を離れた。
胸元からも唇を離して、ジョエルが体を起こす。
「もっとサラをよく見たい」
そう言って、サラの下半身に残っている衣類をも赤ちゃんの着替えの要領ではぎとっていく。あっという間の出来事だった。
ひぇっ、と思ってあわてて下半身を手で隠す。
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