【R18】婚約破棄されたおかげで、幸せな結婚ができました

ほづみ

文字の大きさ
7 / 8

07.これはよくできた夢だと思う?

しおりを挟む
「もしかしてサラには経験がある?」

 一糸まとわぬ姿になったジョエルがうかがうように聞く。
 サラは首を振った。

「でも作品で男性の裸体は見たことがあります……性愛をテーマにした作品も珍しくありませんし……」
「なるほどね。それでこんな状態の僕を見ても驚かないんだ」

 ジョエルが自らの屹立をなでた。
 腹にくっつきそうなそれを生で見るのはもちろん初めてだ。これでもじゅうぶん驚いているのだが、ジョエルにはそうは見えないらしい。

「君と婚約破棄してからたくさんお見合いをしたけれど、誰にもこんなふうに触れたいとは思わなかった。そのかわり夢の中では何度もサラに触れた」

 ジョエルが顔を寄せて再び胸の頂を口に含む。
 もともと刺激に弱い場所を何度も触れられて過敏になっているから、ほんの少し触れられただけで快楽が全身を走り抜ける。

「君を手放したんだから僕にはその資格はないとわかっていても、もし君がカルネンで誰かとこういうことをしていたらどうしようと気が気ではなかった。何度もカルネンに様子を見に行こうと思った」

 でもできなかった、とジョエルが呟く。
 熱い舌先が胸から腹へと滑り降りていく。
 あっと思った時には膝を割られ、脚の付け根に顔をうずめられていた。

「待って、ジョエル殿下っ。そこは汚いですから……っ」

 サラの猛抗議など届くわけもなく、舌先が敏感な陰核をこする。さっき指先で触れられて高ぶっていたところだっただけに、舌先の刺激はあっという間にサラから思考力を奪った。
 体の奥で快楽が膨れ上がる。たまらなく気持ちいい。
 舌先が陰核を離れ蜜壺を探る。ぴちゃぴちゃという粘着質な水音が聞こえる。自分でもぬるぬるになっている自覚はあったけれど、ジョエルはわざとやっている。

 入口をくすぐられるたびにもどかしさが募る。体の奥が疼いてしかたがない。経験がなくてもこの体が何を求めているのかわかる。
 このままでは達してしまうと思い、サラは自分の脚の間で揺れる金色の髪の毛をつかんで引っ張った。遠目にはやわらかそうだと思っていた彼の髪の毛は意外に硬く、汗で湿気ていた。

 ジョエルが目を上げる。
 ジョエルと目が合う。
 青色の瞳はうるんで欲情にまみれていた。

「どうした? やめてほしい?」

 その青い瞳が不安そうに揺れる。

「違うの……そうじゃなくて……。その」

 そろそろあなたのものを。なんて、言えるわけもなく。
 サラは両手を伸ばしてジョエルの頭をわしづかみにすると自分のほうに引っ張った。
 ジョエルがよくわからないままに体勢を変える。最初と同じようにサラの体の脇に両手をついてサラを覗き込む。

 ジョエルにその場を確認されたくないので頭をつかんで視線を自分に向けさせたまま、サラは体を浮かせてジョエルの屹立に自分の腰を押し付けた。
 ジョエルが目を開く。

 二度、三度、同じことをする。
 ジョエルの顔が歪み、呻き声が漏れる。
 ジョエルが体をわずかに動かして、熱くて硬い切っ先がサラのぬかるみをくすぐる。
 陰核と肉壺の入り口を行ったり来たり。それだけで体の奥が疼いて愛液があふれてくる。でもこれでは足りない。
 サラは自分から切っ先を捕らえにいった。

「サラ」

 ジョエルが名を呼ぶ。

「痛くない?」

 切っ先がゆっくりと隘路に沈み込む。

「少し痛い」
「君が気持ちよくないならやめてもいい」
「私はやめたくない」

 ジョエルが呻いてサラの手を逃れ、頭をサラの首筋に埋める。

「サラのにおいだ。これは本物だよな? また夢か?」
「そんなに私の夢を見ていたの?」
「見たよ、何度も。何度も何度も、君を遠くに行かせるんじゃなかった。あの時ああすればよかった、こうすればよかった、そんなことばかり考えた」

 ゆっくりと腰を進めながらジョエルが囁く。声が揺れている。
 サラはジョエルの首筋に腕を回した。
 ジョエルが腰を押し付ける。結合が深まる。一番奥をぎゅっと押された途端、痺れるような快楽が体を駆け抜けた。
 ああ、これだ。ほしかったものはこれだ。

 自分の中に埋まっているものの形を確かめたくて少しだけ腰を動かしたら、ジョエルが再びうめき声をもらした。どうしたのかと思ったら、「締め付けがきつい」という答え。

「ゆ……緩め方がわからないの」

 言ったそばからギュッとおなかに力が入り、自分でもジョエルの屹立を締め上げたのがわかった。案の定、ジョエルがまたも呻いた。顔の横に置かれたジョエルの大きな手がシーツを握り締める。呼吸が荒い。

 どうしよう。初めてで作法がわからない。自分は何か大きな間違いをおかしているのだろうか。かつて見た男女交合を描いた作品と同じ姿勢になっているとは思うものの、やっぱり絵で見ただけでは知っているうちに入らない。

 その呼吸を整えるように、ジョエルが深呼吸を繰り返す。
 その音を聞いているうちに、ジョエルの屹立を咥え込んでいる体の奥が強く疼き出した。
 くさびを打ち込まれただけでは足りないと本能が訴える。まだこの先がある。

 疼く体を持て余し、サラは少しだけ体の位置を変えてみた。切っ先が体の奥を突き、快楽が突き抜ける。ほしいのはこれだ。でもどうしよう、ジョエルはつらそう。自分のほしいものを一方的に求めることはジョエルに対してあまりにも失礼。そう思うのに、サラは腰が揺れてしまうのを止められなかった。だって、とてもとても気持ちいいから。

「すまないサラ」

 突然、ジョエルがサラの背中に腕をまわした。背中が軽く反ると屹立の角度が変わり、ビリッと強い快楽の波が駆け抜ける。

「すまない、サラ。本当はもっと君を気持ちよくしてあげたかった」

 ジョエルが腰を引く。差し込まれたものが引き出され、内側をひっかく。奥を押されるのとは違う刺激にサラは息を呑んだ。
 ジョエルが屹立を押し込む。強く奥を押されて目の前で星が散る。

 最初の何回かこそゆっくり出し入れしていたジョエルだが、やがてそのスピードが増していく。与えられる刺激があまりにもよすぎて、どんどん蜜があふれる。静かな室内に、卑猥な水音と荒い呼吸音、腰を打ち付けられた時の肉のぶつかり合う音だけが響く。
 一番いい場所を責め立てられ、急速に体の奥で快楽が膨らんでいく。

 サラ、サラとジョエルが名を呼ぶ。
 サラはジョエルの首筋に回す腕に力をこめた。
 ジョエルが、あのいつも微笑を浮かべてこちらを見つめていた王子様が、髪の毛を汗に濡らしてひたすらにサラを求め続けている。あの姿からは想像もできない。私こそ都合のいい夢を見ているのかもしれない。

「サラ……っ、もう……っ」
「ジョエルさま……っ!」

 ジョエルの叫びとサラの絶頂はほぼ同時だった。
 今まで感じたことのないほど強い衝撃に歯を食いしばり、ジョエルに強くしがみつく。
 心臓があり得ないほど早鐘を打ち、体が燃えるように熱い。
 それはジョエルも一緒のようで、汗びっしょりだ。

「愛しているよ、サラ」

 しばらくしてジョエルがそう囁いて、額に口づけてきた。

「私もです」

 ジョエルがサラを覗き込む。

「これはよくできた夢だと思う? 目が覚めたらいつも通りに君が消えているかな?」
「消えていないと思います」

 サラが微笑むと、ジョエルも応えるように微笑んだ。
 ようやく長い夜が開ける……と。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー

【完結】夢見たものは…

伽羅
恋愛
公爵令嬢であるリリアーナは王太子アロイスが好きだったが、彼は恋愛関係にあった伯爵令嬢ルイーズを選んだ。 アロイスを諦めきれないまま、家の為に何処かに嫁がされるのを覚悟していたが、何故か父親はそれをしなかった。 そんな父親を訝しく思っていたが、アロイスの結婚から三年後、父親がある行動に出た。 「みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る」で出てきたガヴェニャック王国の国王の側妃リリアーナの話を掘り下げてみました。 ハッピーエンドではありません。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る

小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」 政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。 9年前の約束を叶えるために……。 豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。 「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。 本作は小説家になろうにも投稿しています。

これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜

涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください 「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」 呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。 その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。 希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。 アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。 自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。 そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。 アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が…… 切ない→ハッピーエンドです ※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています 後日談追加しました

【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました

ユユ
恋愛
婚姻4年。夫が他界した。 夫は婚約前から病弱だった。 王妃様は、愛する息子である第三王子の婚約者に 私を指名した。 本当は私にはお慕いする人がいた。 だけど平凡な子爵家の令嬢の私にとって 彼は高嶺の花。 しかも王家からの打診を断る自由などなかった。 実家に戻ると、高嶺の花の彼の妻にと縁談が…。 * 作り話です。 * 完結保証つき。 * R18

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

処理中です...