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僕の番サン
大学 友達
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幼稚舎の二年間は、情操教育や同年代交流の面から飛び級が認められません。
逆に、そこから進級すれば学力にあった教育を受けることが優先されます。
初等部中等部高等部を早々とスキップすると、その先の大学で一緒に学ぶ同年代の数はグッと減ってしまいました。
と、言うか、一人しか残っていないです。
「なーんか、面倒くさい教授だなぁ」
終わったばかりの講義に、早速しかめ面の鷹司 凛太郎君。
賛同を求められても、無視です。
鳳グループが、サービス業中心に手広く拡大を続けるのに対し、彼が将来引継ぐ鷹司グループは建設業分野のみで年々業績を上げています。
今更、この古臭い経営論は釈迦に説法。
気持ちはわかりますよ。
でも、わざわざ口に出すことではないと思います。
僕達のような人間が、講師の方を悪く評価すればどこでどんな影響が出るかわかりません。
何度話しかけられても僕が無視していると、凛太郎君は「無視すんなよ~」と肩をくっつけて睨んできました。
遠巻きにしている他の学生から、「きゃあ、可愛い」と歓声があがりわざわざ話題を提供してますが。
「わざとですか?」
「違うっ」
僕の呆れている問いかけを即否定して、唇を尖らせながら次の講義に備えてます。
可愛いと言われることが嫌なら、もう少し考えればよいのに。
凛太郎君とは、幼稚舎からずっと一緒ですが、僕と同じく友達を積極的に作るタイプではありません。
お互いに、上辺だけの付き合いは多いですけど、友達と言われて挙げられる名前は一人だけじゃないでしょうか。
凛太郎君は、そう、わかりにくいツンデレタイプなんですよね。
だから、幼稚舎では一番怖がられてました。
デレがわかりにくいので。
初等部でも同じくでしたが、年齢差が開きすぎた中等部以降はひたすら「可愛い」、何をしても「可愛い」
まぁ、流石に鷹司グループの跡継ぎ相手に面と向かっては言ってきませんけどね。
凛太郎は、この言葉を言われるのが大変苦手です。
無口で格好良い父親を目指しているそうです。
だったら、口を開かなかったら良いのに。
「こら、暁っ
また、失礼なこと考えてたろう?」
父親譲りの鋭い眼差し。
僕は「どうですかね」とあやふやにしておきます。
凛太郎君とは、これから先も友達でいたいので。
凛太郎君は、幼稚舎で出会ったあの幸せな家族の一人なんですよね。
口さがない保護者が、入舎式で「托卵」「出来損ないΩ」「いびつ」と噂していたのでその関係性は早々に知ることが出来ましたけれど。
僕は素直に、「三人も優しい親がいるなんて羨ましい」と凛太郎君に話しかけました。
僕が実は孤独だったことを、初めて教えてくれた相手なので出来れば友好な関係を築きたかった⋯いえ、その幸せな家族を近くで感じたかったのかもしれません。
「そんなふうに言われたのは、初めてだっ」
凛太郎君は、このときとても感動したらしく、それ以降ずっと友達で大学の進路まで一緒になったんです。
逆に、そこから進級すれば学力にあった教育を受けることが優先されます。
初等部中等部高等部を早々とスキップすると、その先の大学で一緒に学ぶ同年代の数はグッと減ってしまいました。
と、言うか、一人しか残っていないです。
「なーんか、面倒くさい教授だなぁ」
終わったばかりの講義に、早速しかめ面の鷹司 凛太郎君。
賛同を求められても、無視です。
鳳グループが、サービス業中心に手広く拡大を続けるのに対し、彼が将来引継ぐ鷹司グループは建設業分野のみで年々業績を上げています。
今更、この古臭い経営論は釈迦に説法。
気持ちはわかりますよ。
でも、わざわざ口に出すことではないと思います。
僕達のような人間が、講師の方を悪く評価すればどこでどんな影響が出るかわかりません。
何度話しかけられても僕が無視していると、凛太郎君は「無視すんなよ~」と肩をくっつけて睨んできました。
遠巻きにしている他の学生から、「きゃあ、可愛い」と歓声があがりわざわざ話題を提供してますが。
「わざとですか?」
「違うっ」
僕の呆れている問いかけを即否定して、唇を尖らせながら次の講義に備えてます。
可愛いと言われることが嫌なら、もう少し考えればよいのに。
凛太郎君とは、幼稚舎からずっと一緒ですが、僕と同じく友達を積極的に作るタイプではありません。
お互いに、上辺だけの付き合いは多いですけど、友達と言われて挙げられる名前は一人だけじゃないでしょうか。
凛太郎君は、そう、わかりにくいツンデレタイプなんですよね。
だから、幼稚舎では一番怖がられてました。
デレがわかりにくいので。
初等部でも同じくでしたが、年齢差が開きすぎた中等部以降はひたすら「可愛い」、何をしても「可愛い」
まぁ、流石に鷹司グループの跡継ぎ相手に面と向かっては言ってきませんけどね。
凛太郎は、この言葉を言われるのが大変苦手です。
無口で格好良い父親を目指しているそうです。
だったら、口を開かなかったら良いのに。
「こら、暁っ
また、失礼なこと考えてたろう?」
父親譲りの鋭い眼差し。
僕は「どうですかね」とあやふやにしておきます。
凛太郎君とは、これから先も友達でいたいので。
凛太郎君は、幼稚舎で出会ったあの幸せな家族の一人なんですよね。
口さがない保護者が、入舎式で「托卵」「出来損ないΩ」「いびつ」と噂していたのでその関係性は早々に知ることが出来ましたけれど。
僕は素直に、「三人も優しい親がいるなんて羨ましい」と凛太郎君に話しかけました。
僕が実は孤独だったことを、初めて教えてくれた相手なので出来れば友好な関係を築きたかった⋯いえ、その幸せな家族を近くで感じたかったのかもしれません。
「そんなふうに言われたのは、初めてだっ」
凛太郎君は、このときとても感動したらしく、それ以降ずっと友達で大学の進路まで一緒になったんです。
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