可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

お酒に御用心 7

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 朝から御風呂なんて初めてだ。たくさん泡を作って身体を洗おう。ウキウキ楽しくなってきた。青嵐の後に押されて入った風呂場は、家族全員が入れるくらいに大きい。由良も後から来るのかな?
 青嵐は、「おふろっ、おふろっ」と声を弾ませ、浴槽に壁にかけてある網目のおもちゃ袋に手を伸ばしたんだけど。


「青嵐、今から遊ぶ時間はない。
 学校が間に合わなくなるだろう」


 後から入ってきた疾風様の手が先に伸びて取り上げられてしまった。そうなるよねぇ。学校を休んで良いなんて、疾風様は言ってなかったし。僕は気持ちがシュンと沈んだんだけど、青嵐は納得できないらしく、膨れっ面で疾風様を振り返り、睨んで・・・わめきだすかと思ったのに、疾風様そっくりの細い目を見開いて絶句。どうしたんだろう?俺も振り返って絶句した。

 風音を右手に抱え、左手で取り上げたおもちゃ袋を物干し用の棒に器用に括っていた疾風様の身体には、ハムハムじゃなくてガブガブ噛まれた歯形が幾つもついてたから。紫だったり、赤だったり。色は違っていたけど・・・歯形だよね?引っ掻いた爪痕もあるっ

 後ろにいた風花は、僕達よりも先に気付いていたみたい。こんな傷つけられた疾風様なんて見たこと無かったし、顔は真っ白。多分、僕も真っ白な顔になってると思う。疾風様は、自分達の父親であり群れのリーダー、絶対強者が傷を負わされてる姿なんて・・・
 なのに、疾風様は平然と自分達を御風呂に入れようとしている。と、言うことは。もう報復措置は完了してるってこと?疾風様をこんなにしたのは、誰?もしかして、由良?由良がここに居ないのは、もうこ、こ、殺され・・・そこに考えが至ったとき、僕の感情は大爆発を起こして声を上げて泣き出していた。風花も、青嵐も、つられて風音までが大泣き。風呂場にこだまする騒音に、疾風様はフェロモンを叩きつけた。


「やかましいっ」


 疾風様の一括、静まれと命じるフェロモンにびくんっと痙攣、口をつぐむ。喉で引っ掛かった嗚咽もなんとか飲み込む。が、我慢しなきゃ、僕達も殺されちゃうっっ
 疾風様はため息。まだフェロモンを理解しきれず、泣いたままの風音をあやしながら青嵐の前まで歩くと蛇口を捻った。壁のフックにかけていたシャワーヘッドから、水が出てくる。疾風様は温度を確かめてからシャワーヘッドを手に持ち、僕達の頭の上からザァーザァーお湯をかけた。いつもは、目に入っただけで大騒ぎする風花も今日は無言だった。
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