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20 夏休み side 翔
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今日の対戦相手は、インハイ常連校で茅野学園が勝つ可能性はかなり低いらしい。
今朝のバスの中でも、お母さん方は「それでも息子は負けないっ」と燃えていた。
三枝先輩は、いくら相手が強豪校でも手を抜くような人じゃないから、勝ちたい気持ちが強くて身体が強ばっているのかもしれない。
こんなとき、何か緊張を上手く解せるようなことが言えたら良いんだけどな。
もし、恋人になれていたら。
誰も来ない場所に呼び出して、抱き締めて。
「三枝先輩なら大丈夫です」と何度も何度も自信がつくまで励ませるのに。
未だに俺と三枝先輩は『友達』で、物理的にも二階席からでは手が届かない。
三枝先輩に、もっと近付きたいな。
「今日の調子はどうですか?」
「めっちゃえぇで!
先生にも、絶対出してって朝からアピールしまくってるしっ」
「そりゃ、毎日だろうが!」
三枝先輩の後ろから、「出してほしいなら、いい加減戻ってこい!」と槇地先生が呼んでいる。
三枝先輩は、振り向いて「はーい!」と元気よく返事。
「今日も、頑張ってくださいね」
「うん、ありがとう!」
うわぁ・・・俺に向かって手を振り、ニッコリ浮かべた三枝先輩の笑顔に思わず胸の当たりを押さえた。
もぉ、本当に可愛いなっ
三枝先輩が、βでも男でも関係ない。
こんなに、笑顔を見るだけで心臓がバクンッと音をたてるなんてことは今まで一度も無かった。
三枝先輩に好きになって貰える方法があるなら、何だってやり遂げてみせるのに。
俺は柵を握ったまま、ズリズリ身体を下げてその場にしゃがみこんだ。
今朝のバスの中でも、お母さん方は「それでも息子は負けないっ」と燃えていた。
三枝先輩は、いくら相手が強豪校でも手を抜くような人じゃないから、勝ちたい気持ちが強くて身体が強ばっているのかもしれない。
こんなとき、何か緊張を上手く解せるようなことが言えたら良いんだけどな。
もし、恋人になれていたら。
誰も来ない場所に呼び出して、抱き締めて。
「三枝先輩なら大丈夫です」と何度も何度も自信がつくまで励ませるのに。
未だに俺と三枝先輩は『友達』で、物理的にも二階席からでは手が届かない。
三枝先輩に、もっと近付きたいな。
「今日の調子はどうですか?」
「めっちゃえぇで!
先生にも、絶対出してって朝からアピールしまくってるしっ」
「そりゃ、毎日だろうが!」
三枝先輩の後ろから、「出してほしいなら、いい加減戻ってこい!」と槇地先生が呼んでいる。
三枝先輩は、振り向いて「はーい!」と元気よく返事。
「今日も、頑張ってくださいね」
「うん、ありがとう!」
うわぁ・・・俺に向かって手を振り、ニッコリ浮かべた三枝先輩の笑顔に思わず胸の当たりを押さえた。
もぉ、本当に可愛いなっ
三枝先輩が、βでも男でも関係ない。
こんなに、笑顔を見るだけで心臓がバクンッと音をたてるなんてことは今まで一度も無かった。
三枝先輩に好きになって貰える方法があるなら、何だってやり遂げてみせるのに。
俺は柵を握ったまま、ズリズリ身体を下げてその場にしゃがみこんだ。
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