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37 牙 side 渡
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お尻を弄られながらのもどかしい動きに、時間はそんなに掛かってへんかったんやろうけど気持ちは相当切羽詰まってたからな。
そこまで全然気ぃついてへんかったんが有り得へんのやけど、イク瞬間に身体がしなるくらい力が入って初めて、俺の中に陸の指が複数入ってたんを知ってん。
パチンと意識が弾けるくらい、自分史上一番気持ちが良かった射精感と。
えぇっ、いつの間に?!って言う驚きが同時に来て息が止まったわ。
陸は、仰け反った俺の身体を支えながらも指を動かすのは止めへん。
イッた後も痙攣するくらい気持ちが良かったとこに、さっきまで影に潜んでただけで実はずっと焚べられていた昂りを重ねられて掠れた悲鳴を上げてしもた。
しかも、しかもっ
一回イッたんがトリガーになったんやろか。
陸が支えるために腰を掴んでくれたんやけど、即時そこが砕けてぐにゃりと身体から力が抜ける。
抜けたら、ほら、もう陸の指を拒みようがないやん?
下がった身体が陸の指をまるで自分から引き入れるように飲み込んでくのがわかって、「怖い、怖い・・・」とうわ言みたいに呟いてた。
奥までなんて、指は一本しか入らへんかったのに。
その更に奥、俺も知らへんとこまで陸の指が二本も入ってきてる。
それやのに・・・窄まってるとこの皮膚を拡げる痛みよりも、指の根本まで飲み込んでも尚くねって誘ってんのが伝わってきて。
陸に抱かれることを望んでて、陸に挿れてもらえるように自分でも入口を拡げる練習はしてたんやけど。
こんなにあっさりうまくなんて、確かに望んでたんやけど、それは望んでただけでほんまにいけるなんて思ってへんかったからっ
「泣くな」
陸の優しい声で現実に引き戻された。
俺を片腕で支えた身体は逞しくて力強い。
覗き込まれた瞳は、熱をたっぷり含んで濡れて俺を写してる。
不安で苦しくてポロポロ涙を零してる俺を。
指が、絡みつく抵抗をあっさり払って出ていく。
陸のかて、俺のお尻の下で勃ち上がるくらいに感じてんのに態度には微塵も出さへん。
陸は、俺の漏れた声ごと食むように何度も何度も唇を重ねて、俺のイガイガ尖った心を丸く整えてくれた。
気が抜けた途端、堪らず陸に抱きついてしまう。
陸は、さっきまでとは全然違った軽い手付きでポンポンと背中を叩いた。
癇癪起こした子どもを慰めるように。
「焦らなくていぃんだ。
無理強いはぜってぇしたくねぇし、今回番にならなくても・・・」
「それは、イヤや」
そこは譲れへんと、陸の首に顔を埋もれさせながらブスッとした声で応える。
「万一、急に発情して陸以外のαと番になるのは絶対にイヤや。
その、初めてでビックリしてしもただけやし、無理強いやないもん」
陸は、楽しそうに笑ったんやけどな。
じゃあ再開って雰囲気にはとてもならんくて、その日はそのままお風呂から出てベッドで横になった。
そこまで全然気ぃついてへんかったんが有り得へんのやけど、イク瞬間に身体がしなるくらい力が入って初めて、俺の中に陸の指が複数入ってたんを知ってん。
パチンと意識が弾けるくらい、自分史上一番気持ちが良かった射精感と。
えぇっ、いつの間に?!って言う驚きが同時に来て息が止まったわ。
陸は、仰け反った俺の身体を支えながらも指を動かすのは止めへん。
イッた後も痙攣するくらい気持ちが良かったとこに、さっきまで影に潜んでただけで実はずっと焚べられていた昂りを重ねられて掠れた悲鳴を上げてしもた。
しかも、しかもっ
一回イッたんがトリガーになったんやろか。
陸が支えるために腰を掴んでくれたんやけど、即時そこが砕けてぐにゃりと身体から力が抜ける。
抜けたら、ほら、もう陸の指を拒みようがないやん?
下がった身体が陸の指をまるで自分から引き入れるように飲み込んでくのがわかって、「怖い、怖い・・・」とうわ言みたいに呟いてた。
奥までなんて、指は一本しか入らへんかったのに。
その更に奥、俺も知らへんとこまで陸の指が二本も入ってきてる。
それやのに・・・窄まってるとこの皮膚を拡げる痛みよりも、指の根本まで飲み込んでも尚くねって誘ってんのが伝わってきて。
陸に抱かれることを望んでて、陸に挿れてもらえるように自分でも入口を拡げる練習はしてたんやけど。
こんなにあっさりうまくなんて、確かに望んでたんやけど、それは望んでただけでほんまにいけるなんて思ってへんかったからっ
「泣くな」
陸の優しい声で現実に引き戻された。
俺を片腕で支えた身体は逞しくて力強い。
覗き込まれた瞳は、熱をたっぷり含んで濡れて俺を写してる。
不安で苦しくてポロポロ涙を零してる俺を。
指が、絡みつく抵抗をあっさり払って出ていく。
陸のかて、俺のお尻の下で勃ち上がるくらいに感じてんのに態度には微塵も出さへん。
陸は、俺の漏れた声ごと食むように何度も何度も唇を重ねて、俺のイガイガ尖った心を丸く整えてくれた。
気が抜けた途端、堪らず陸に抱きついてしまう。
陸は、さっきまでとは全然違った軽い手付きでポンポンと背中を叩いた。
癇癪起こした子どもを慰めるように。
「焦らなくていぃんだ。
無理強いはぜってぇしたくねぇし、今回番にならなくても・・・」
「それは、イヤや」
そこは譲れへんと、陸の首に顔を埋もれさせながらブスッとした声で応える。
「万一、急に発情して陸以外のαと番になるのは絶対にイヤや。
その、初めてでビックリしてしもただけやし、無理強いやないもん」
陸は、楽しそうに笑ったんやけどな。
じゃあ再開って雰囲気にはとてもならんくて、その日はそのままお風呂から出てベッドで横になった。
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