好きな幼馴染がバスケ部OBのチャラ男に寝取られたので、猛勉強して難関私立に合格しました。「父さん再婚したいんだ」継母の娘は超絶美少女でした
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
文字の大きさ
大中小
2 / 46
第2話麦は踏まれて強くなる
しおりを挟む
「あー ほんとーに ごめん! そーいうのムリだから。
容保のこと、恋愛の対象に思えないから……」
流れるようなサラサラの黒髪をかき上げながら、幼馴染の長南すずが告げた言葉に、俺は思わず呆けた声をあげてしまった。
「なんで……」
絞り出した言葉は小さく細いものだった。
「容保とは昔から一緒にいるのが当たり前で……何ていうか血の繋がって無い家族と一緒っていうか……あ、ほら家族と恋愛や結婚はできないよね?」
取り繕うために、今考えたとしか思えない理由を語る。
「それに身長だって特別高い訳でもないし、顔もイマイチパッとしないし、オマケに太ってるし……」
「うぐっ……」
彼女の言う通り身長は170センチと少し、ギリ人権がある程度。
顔は自称フツメン、趣味が『美味しい物を食べる』というせいでぽっちゃり系と、モテ要素がないことぐらい自分でだってわかっている。
「勉強が特別できる訳でもないし……何て言うかーカレシにするには面白みがないのよね」
「……」
「だからごめんね。容保の気持ちは嬉しいけど、今まで通りの関係で行こ? ね? ……容保には言ってなかったんだけど私、カレシいるんだよね。ほら、バスケ部OBの田辺センパイ」
「――――」
いつもすずの後ろを付いてまわっていた僕に、彼女を丸め込める話術はなく、僕は黙って頷くしかなかった。
中学二年の夏休み前、つい夏休みマジックを夢見て告白してみたけど、主人公的ムーブは出来なかった。
フラれる以前の問題で、スタートラインにすら立たせてもらえなかったようなものだ。
幼馴染にはカレシがいた、きっと暇を持て余した夏休みに彼女は少女から女への階段を昇っていくのだろう。
そんなことを考えると気持ちが沈んだ。
………
……
…
僕の家が父子家庭となったのは割と早く、一人で留守番することが多かったので、ご近所の皆さんの声掛けは正直ありがたかった。
特に同年代の子供がいるすずのお母さんは、何かと気をかけてくれ、ありがたいことに夕食に招いてくれることも多かった。
普段、スーパーの総菜や冷凍食品を常食としてた僕には心温まる美味しい家庭のご飯は、何よりも嬉しいものだった。
そうすると必然的にすずと顔を合わせることが増える。
身近な異性に惹かれた僕は、多分なんにも悪くない、と思う。
中二の夏、度々招かれた食事の席で感じるフラれた気恥かしさと、まるで蕾がほころぶかに華ひらいてゆく、僕の知らないすずの女としての一面が垣間見える度、込上げてくる複雑な思いに潰されそうになっていた。
何とかそこから脱却するため、おばさんに料理のいろはを習い、総菜や冷食・デリバリーを止め、中二の夏休み中料理に向き合い。家事全般のスキル向上と、塾での勉強に打ち込んだ。
そんな感じで主婦業と学業に打ち込んで、凡そ一年。
あまり勉強の得意ではない、すずでは通えない高校を目指すことにした……中学三年の夏、料理に至っては勉強の息抜きにまでなっていた。
「二年の秋頃は成績が落ち心配したが、冬・春と成績も上昇している。志望校もより上位を狙えるぞ。」
――――と2、3年と担任を引き継いだ教師にも御墨付きをもらい、志望校を変更。
無事試験も終わり、後は結果を待っている。
そんな不安定なある日のことだった。
………
……
…
容保のこと、恋愛の対象に思えないから……」
流れるようなサラサラの黒髪をかき上げながら、幼馴染の長南すずが告げた言葉に、俺は思わず呆けた声をあげてしまった。
「なんで……」
絞り出した言葉は小さく細いものだった。
「容保とは昔から一緒にいるのが当たり前で……何ていうか血の繋がって無い家族と一緒っていうか……あ、ほら家族と恋愛や結婚はできないよね?」
取り繕うために、今考えたとしか思えない理由を語る。
「それに身長だって特別高い訳でもないし、顔もイマイチパッとしないし、オマケに太ってるし……」
「うぐっ……」
彼女の言う通り身長は170センチと少し、ギリ人権がある程度。
顔は自称フツメン、趣味が『美味しい物を食べる』というせいでぽっちゃり系と、モテ要素がないことぐらい自分でだってわかっている。
「勉強が特別できる訳でもないし……何て言うかーカレシにするには面白みがないのよね」
「……」
「だからごめんね。容保の気持ちは嬉しいけど、今まで通りの関係で行こ? ね? ……容保には言ってなかったんだけど私、カレシいるんだよね。ほら、バスケ部OBの田辺センパイ」
「――――」
いつもすずの後ろを付いてまわっていた僕に、彼女を丸め込める話術はなく、僕は黙って頷くしかなかった。
中学二年の夏休み前、つい夏休みマジックを夢見て告白してみたけど、主人公的ムーブは出来なかった。
フラれる以前の問題で、スタートラインにすら立たせてもらえなかったようなものだ。
幼馴染にはカレシがいた、きっと暇を持て余した夏休みに彼女は少女から女への階段を昇っていくのだろう。
そんなことを考えると気持ちが沈んだ。
………
……
…
僕の家が父子家庭となったのは割と早く、一人で留守番することが多かったので、ご近所の皆さんの声掛けは正直ありがたかった。
特に同年代の子供がいるすずのお母さんは、何かと気をかけてくれ、ありがたいことに夕食に招いてくれることも多かった。
普段、スーパーの総菜や冷凍食品を常食としてた僕には心温まる美味しい家庭のご飯は、何よりも嬉しいものだった。
そうすると必然的にすずと顔を合わせることが増える。
身近な異性に惹かれた僕は、多分なんにも悪くない、と思う。
中二の夏、度々招かれた食事の席で感じるフラれた気恥かしさと、まるで蕾がほころぶかに華ひらいてゆく、僕の知らないすずの女としての一面が垣間見える度、込上げてくる複雑な思いに潰されそうになっていた。
何とかそこから脱却するため、おばさんに料理のいろはを習い、総菜や冷食・デリバリーを止め、中二の夏休み中料理に向き合い。家事全般のスキル向上と、塾での勉強に打ち込んだ。
そんな感じで主婦業と学業に打ち込んで、凡そ一年。
あまり勉強の得意ではない、すずでは通えない高校を目指すことにした……中学三年の夏、料理に至っては勉強の息抜きにまでなっていた。
「二年の秋頃は成績が落ち心配したが、冬・春と成績も上昇している。志望校もより上位を狙えるぞ。」
――――と2、3年と担任を引き継いだ教師にも御墨付きをもらい、志望校を変更。
無事試験も終わり、後は結果を待っている。
そんな不安定なある日のことだった。
………
……
…
15
あなたにおすすめの小説
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる