好きな幼馴染がバスケ部OBのチャラ男に寝取られたので、猛勉強して難関私立に合格しました。「父さん再婚したいんだ」継母の娘は超絶美少女でした
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
文字の大きさ
大中小
13 / 46
第13話母の温かさ
しおりを挟むいかん、いかん、病人相手に劣情を抱くなんて情けない……
そうだ。飲み物でも出してあげよう……しかし、何を出すべきか……
「飲み物、なにか要る?」
「じゃぁあったかい紅茶を……」
電気ケトルで沸騰させた湯を150mlほどコップにティーバッグと一緒に淹れ、蓋をして蒸らす蒸らし終われば数回ティーバッグを振って取り出すと、クッキーと一緒にソファーの前のテーブルの上に置く。
両の手で抱え込むようにコップを持つ。
「暖かい……」
不意に口を付くように零れた言葉の語気は弱々しい。
短い付き合いではあるが、見知っている『鎌倉菜月』と言う人物に比べても体調のせいかいつになく静かだ。
目的もなくただ誰かといたい。
けど自分からは何もしない。
何と言うか、猫みたいだ。
いつもなら、俺から話題を振ると言うよりは菜月さんは話題を提供してくれるから、彼女が黙れば俺達が言葉を交わすことは少ない。
こういう変化した一面を味わうと、俺は菜月さんに甘えているのだと強く実感する。
暦の上ではもうすぐ “春” とはいえどまだ冷える。
俺も麦茶ではなく、カフェオレにするべきだったと反省する。
「……」
「えっと……テレビでも見る? って言っても、この時間だと報道バライティとか街をぶらついている番組が多いと思うけど……」
「えっとじゃぁお願いしようかな……出来るだけ煩くないヤツ」
チャンネルを回すが予想通り、中高生が面白いと思うような番組はやっていない。
窓ガラスの反射で、菜月さんの顔が見えるが露骨につまらなそうな表情を浮かべている。
「テレビはやっぱりゴールデンタイムとか土日の7~10しかだめだな……」
「最近はゴールデンタイムも予算が掛からなさそうな、クイズ番組とか番付番組とか、歌番組とかが多いですけどね……」
最近のテレビは、取り合えず付けて置くには、煩い。
「体調が悪いと毒舌ですね……」
「女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ているのだから、きっとその毒舌はスパイスの刺激でしょうね……」
マザーグース、ナーサリーライムとも言われる童謡・歌謡は、聖書、シェイクスピアと並ぶ英米人の基礎教養であものの、日本の学校教育ではあまりその出番はない。
「上手いこといいますね」
「インドではスパイスの配合が家庭の味と聞きます。お菓子にも料理にも香辛料は切っても切り離せない関係にあるのは、マザーグースの辿り付いた真実なのかもしれません」
「……そんな今日は毒舌の菜月さんでもご満足いただけるような番組があるかもしれませんよ?」
俺はテレビのリモコンを押す。
画面にはスマートテレビ特有のUIが表示される。
「動画配信サービスか……」
「ウチは四つのサービスを使っていますけど、月額5000円いかないぐらいで数十万本の動画を楽しめるので便利ですよ?」
「おじさんが言っていた通り、お家に籠る方がいいんですね……」
「新型感染症で外で娯楽を楽しむことが難しかったですから……スマホでも見れるのでまた後日、アカウントの共有をしておきましょう……何か見たい番組はありますか?」
無料をサイトを含めれば8サービスを使っているのできっと菜月さんの気に入る番組もあるハズだ。
彼女もどんな番組があるのか分かっていないようなので、映画……特に恋愛映画とドラマをメインでスクロールしていく……
「……ではジャンルはなんでもいいので、容保くんのおすすめの作品を……」
と、言われも基本的にはアニメや特撮、戦争映画をメインで見る俺にオススメの作品と言われても……一般人受けする作品には明るくない。
恋愛アニメならまだいいか……実写映画もやった有名な作品を付ける。
「じゃぁこれで……」
全十二話のアニメを付ける……
内容としては王道の男女同数の多角関係の作品で互いのスレ違いを描いた作品だ。
………
……
…
「面白かったです……」
「映画版だと端折ってる内容をそのままやれるのは尺に余裕のあるアニメやドラマ版の強みだよな……」
一番人気があるのは当然、メインヒロインなのだが個人的にはメインヒロインというのは中庸なキャラ……言い方を変えれば作者の性癖が籠っていないキャラが多く二番目、三番目とヒロインが増える毎に作者の癖度とその作品にまだいない属性のヒロインが増えていく……
そして大体俺が好きになるのは、二番目か三番目のヒロインや幼馴染やお姉さんタイプで大体ヒロインレースで負ける。
この作品でも負ける。
そうして作者は、俺のお気に入りを滑り台送りにするのんだ(憤怒)
「映画版はそんなに違うものなんですか?」
原作やアニメ版を知らない人間からすれば、唯一のメディア作品である映画版、よしんば見ても原作の漫画版しか見たことはないのだから原作、アニメ、映画版とあってもその細かな違いにまで、知っている人間は少ないだろう。
「よかったら見てみます?」
「いいの?」
「はい。確かこのサービスで……ほらあった」
映画版を再生する。
ふとスマホに目をやると、そろそろ時刻は少し遅めの昼食ごろ、作るのも食べるのも楽なものにしようか……
俺はソファーから立ち上がると、キッチンの方へ向かい冷蔵庫を開けた。
すると書置きと共に昼食が中には入っていた。
『二人分の昼食です。レンジで温めて食べてください
ははより』
義理とは言え流石母、俺達の思考をよく理解している。
総菜や小鉢の作り置きは二人の舌に合わないといけないので、二人が越してくると決まった時に全て終わらせてあるので、今日は一から料理を作らないといけないと思ったのだが、義母が料理を作って置いてくれてあるのは有難い。
小鉢や料理を作って置くにしても、比較対象がほしいからな……
誰かに作って貰った”家庭料理”は酷く温かい味がした。
0
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる