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第四章 鍛冶師の国
第二百二十三話 商業ギルド
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そして各ギルドの場所を聞いたナギが商業ギルドへと目指して大通りをしばらく進むと、目の前に周囲の高級店に負けない煌びやかで大きな建物が見えて来た。
「お、多分あれが商業ギルド…だと思うけど、これは…あれだな入り難い」
目の前のあまりにも高級感あふれる建物にナギは少し怖気付いていた。
なにせ現実でも高級店とかには何度か竜悟の伝手や両親の付き合いで言った事はあったが、何度経験しても高級店独特の雰囲気にはなじめないでいた。
でも今回は自分自身の用事があるので小さく深呼吸をすると勇気を出してギルドの中へと入った。
そこは冒険者ギルドとは違うのは当たり前にしても全体的な印象として一言で言うなら『純白』になるだろう。
壁から床や柱に至るまでが周囲の景気を反射しそうなほどに高級感のある白い石材で出来ていて、カウンターも綺麗な彫刻を施されて何処か博物館のような印象を与えた。
他にも地以外を上げると冒険者ギルドにはあった酒場などの提携施設が特になく、代わりに情報交換や交渉するためのスペースとしてなのかパーテーションに区切られた場所が複数存在していた。今もそのスペースではヨルにもかかわらず数組の商人らしき者達何事か話し合っていた。
それを横目に確認しながらナギは人のいない中しっかりと書類仕事をこなしている受付の元へと向かった。
「本日はどのようなご用件でしょうか」
ナギが近寄ると受付で書類仕事していた眼鏡をかけた白髪のエルフの男性はにこやかに笑顔で答えた。
もっともナギの格好は一般的な冒険者と比べても軽装で上に黒いコートを身に着けているだけなので、端的に言ってお金を持っているようには見えない。それゆえか相手の目の奥には見下してような感情が見えてナギは少し不快に思ったが、似たような経験は現実でも何度もあったことであったので深く気にしなかった。
「はい、こちらで正式な紹介状を受け取るように言われたので…これを」
「確認させていただきます」
紹介状を受け取ったエルフの男は丁寧にトレーに乗せると奥の方で精査しに向かった。
正直第一印象で微妙に思っている相手に大切な紹介状を渡すことにナギは不安そうであったが、下手に言纏めたりしてもめてもいい事は無いので成り行きに任せることにした。
しばらくしてエルフの受付は戻って来るとトレーの上に一枚の少し豪華な封筒を乗せていた。
「こちらが正式な紹介状となっています。お渡しされた紹介状が鍛冶師の方からだったので、こちらの紹介状も鍛冶道具や鉱石などの素材店の紹介状になっております。紹介状は提示すればある程度の割引などを受けられますが、再発行は致しかねますので無くさないよう注意してください」
「わかりました。ありがとうございました」
ゴド爺さんにされたのと同じ注意を受けてナギは面白そうに笑みを浮かべると紹介状を受け取り、最後にお礼を言って用も無いのでギルドから出ようとした。
しかし目の前の職員の男には用事があったのか呼び止められてしまう。
「それとギルドカードはお持ちでしょうか?」
「え、冒険者ギルドのですけどもってますよ」
「はい、ギルドカードはギルド連合で統一化されているので問題ありません。ただ登録したギルド以外で使用する場合は事前に登録する必要がありますので、問題がなけれ登録いたしますがどうしますか?」
「あぁ~そう言う事だったら、利用するかは分からないけどお願いします」
急に話を振られて困惑していたが説明を受ければ納得できたようでナギは素直に提案に乗ってギルドカードを渡した。それを受け取ったエルフの男は職員として偽造でないかを確認して丁寧にトレーに乗せた。
「確かに受け取りました、では少々お待ちください」
そう言ってギルドカードを持って再度奥へと手続きのために入っていった。
まだ最初の印象から軽く不安になるけれど紹介状を普通に持ってきて、注意までちゃんとしてくれたのでナギは信用することにしたのだ。
奥に行ってから数分程待つとギルドカードを乗せたトレーを持って戻って来た。
「これでこちらのギルドカードの登録は完了いたしました。今後もし商業ギルドを利用することがある時はご提示をお願いいたします」
「わかりました」
「それと簡単に商業ギルドの制度についても説明しておきましょう。まずギルドカードには冒険者ギルドと同じように商業ギルドでもランク付けがされていまして、ただ商業ギルドでは依頼などではなく商品の販売・購入の二つの合計金額を統計してランクを決めていきます。分かりやすく話すとF~Eに上がるためには販売で10000G、購入で10000Gをギルドを通して行ってもらえば可能です」
登録を行った際の説明のためかナギの返答を聞く前にすでにエルフの職員は説明を始めてしまったが、説明を聞いたナギは興味深そうに頷いていたので問題はなかった。
「つまり冒険者ギルドでは依頼達成などによる貢献度、商業ギルドは商売としての売り上げと客としての消費を基準にランクを決めていると言う事ですか?」
「はい、概ねその認識で大丈夫です。他にはランクごとにギルドを通しての取り引きにおいての値引きや、商業ギルドが独占的に取り扱っているアイテムなどの購入権が手に入ります。ランクによっては買える商品も増えていきますので、機会がありましたらランクを上げてみるといいと思います」
「なるほど、それは確かに興味はありますね。では機会が有ったら考えてみます」
説明された商業ギルドのランクなどに関する制度にナギは興味を持ったようで小さく笑みを浮かべながらそう言った。もっとも今すぐに上げようにも売れる物は今のところ手元になく、お金に関しても何気に材料やポーション類を買い足していたらあっという間になくなって手元には今回の買い物用のお金しかもっていなかった。
なので今回は話を聞けただけで満足して何か商品などを用意してから再度訪れることにした。
「それじゃ今日はいろいろ説明ありがとうございました。また今度改めて来させてもらいますね」
「またのご利用をお待ちしております」
そしてやる事が終わったナギは最後にお礼と別れの挨拶をして商業ギルドを後にした。
ただ出る時に何組か話し合っていた商人達の様子をバレない程度にチラ見して何を売っているのかを確認して、気が付かれる前に速足で後にする。さすがに態々囲ってある場所を覗き見るなんて事が非常識な行為なのはナギにも分かっていたので、注意されたくなかったのだ。
ギルドを出てしばらく進んだところでナギは先程確認した交渉の場に出されていた商品を思い出していた。
「鉱石と宝石の原石、他には加工済みの装飾品が多数…やっぱり武具よりも装飾品の方が需要は高いと言う事かな。武具は冒険者なんかの戦う者達が買って、装飾品は金の持つ者達が一度に大量に買ったりするし効果しだいでは冒険者でも余裕のある者は買うからな」
のぞき見のような形で確認したのは何を商人達が交渉してまで取引しているのかを確認したかったのだ。
理由としては単純で先ほど聞いた商業ギルドのランクアップの方法で販売が有ったので、何が売れるのかナギはある程度把握しておきたかったということだ。
なので目的は達成できてナギは次に売りに来るときに何を持ってくるかを決めると、今回は別の用件があって来たので考えるのはここまでにして紹介状の店をめぐることにした。
「お、多分あれが商業ギルド…だと思うけど、これは…あれだな入り難い」
目の前のあまりにも高級感あふれる建物にナギは少し怖気付いていた。
なにせ現実でも高級店とかには何度か竜悟の伝手や両親の付き合いで言った事はあったが、何度経験しても高級店独特の雰囲気にはなじめないでいた。
でも今回は自分自身の用事があるので小さく深呼吸をすると勇気を出してギルドの中へと入った。
そこは冒険者ギルドとは違うのは当たり前にしても全体的な印象として一言で言うなら『純白』になるだろう。
壁から床や柱に至るまでが周囲の景気を反射しそうなほどに高級感のある白い石材で出来ていて、カウンターも綺麗な彫刻を施されて何処か博物館のような印象を与えた。
他にも地以外を上げると冒険者ギルドにはあった酒場などの提携施設が特になく、代わりに情報交換や交渉するためのスペースとしてなのかパーテーションに区切られた場所が複数存在していた。今もそのスペースではヨルにもかかわらず数組の商人らしき者達何事か話し合っていた。
それを横目に確認しながらナギは人のいない中しっかりと書類仕事をこなしている受付の元へと向かった。
「本日はどのようなご用件でしょうか」
ナギが近寄ると受付で書類仕事していた眼鏡をかけた白髪のエルフの男性はにこやかに笑顔で答えた。
もっともナギの格好は一般的な冒険者と比べても軽装で上に黒いコートを身に着けているだけなので、端的に言ってお金を持っているようには見えない。それゆえか相手の目の奥には見下してような感情が見えてナギは少し不快に思ったが、似たような経験は現実でも何度もあったことであったので深く気にしなかった。
「はい、こちらで正式な紹介状を受け取るように言われたので…これを」
「確認させていただきます」
紹介状を受け取ったエルフの男は丁寧にトレーに乗せると奥の方で精査しに向かった。
正直第一印象で微妙に思っている相手に大切な紹介状を渡すことにナギは不安そうであったが、下手に言纏めたりしてもめてもいい事は無いので成り行きに任せることにした。
しばらくしてエルフの受付は戻って来るとトレーの上に一枚の少し豪華な封筒を乗せていた。
「こちらが正式な紹介状となっています。お渡しされた紹介状が鍛冶師の方からだったので、こちらの紹介状も鍛冶道具や鉱石などの素材店の紹介状になっております。紹介状は提示すればある程度の割引などを受けられますが、再発行は致しかねますので無くさないよう注意してください」
「わかりました。ありがとうございました」
ゴド爺さんにされたのと同じ注意を受けてナギは面白そうに笑みを浮かべると紹介状を受け取り、最後にお礼を言って用も無いのでギルドから出ようとした。
しかし目の前の職員の男には用事があったのか呼び止められてしまう。
「それとギルドカードはお持ちでしょうか?」
「え、冒険者ギルドのですけどもってますよ」
「はい、ギルドカードはギルド連合で統一化されているので問題ありません。ただ登録したギルド以外で使用する場合は事前に登録する必要がありますので、問題がなけれ登録いたしますがどうしますか?」
「あぁ~そう言う事だったら、利用するかは分からないけどお願いします」
急に話を振られて困惑していたが説明を受ければ納得できたようでナギは素直に提案に乗ってギルドカードを渡した。それを受け取ったエルフの男は職員として偽造でないかを確認して丁寧にトレーに乗せた。
「確かに受け取りました、では少々お待ちください」
そう言ってギルドカードを持って再度奥へと手続きのために入っていった。
まだ最初の印象から軽く不安になるけれど紹介状を普通に持ってきて、注意までちゃんとしてくれたのでナギは信用することにしたのだ。
奥に行ってから数分程待つとギルドカードを乗せたトレーを持って戻って来た。
「これでこちらのギルドカードの登録は完了いたしました。今後もし商業ギルドを利用することがある時はご提示をお願いいたします」
「わかりました」
「それと簡単に商業ギルドの制度についても説明しておきましょう。まずギルドカードには冒険者ギルドと同じように商業ギルドでもランク付けがされていまして、ただ商業ギルドでは依頼などではなく商品の販売・購入の二つの合計金額を統計してランクを決めていきます。分かりやすく話すとF~Eに上がるためには販売で10000G、購入で10000Gをギルドを通して行ってもらえば可能です」
登録を行った際の説明のためかナギの返答を聞く前にすでにエルフの職員は説明を始めてしまったが、説明を聞いたナギは興味深そうに頷いていたので問題はなかった。
「つまり冒険者ギルドでは依頼達成などによる貢献度、商業ギルドは商売としての売り上げと客としての消費を基準にランクを決めていると言う事ですか?」
「はい、概ねその認識で大丈夫です。他にはランクごとにギルドを通しての取り引きにおいての値引きや、商業ギルドが独占的に取り扱っているアイテムなどの購入権が手に入ります。ランクによっては買える商品も増えていきますので、機会がありましたらランクを上げてみるといいと思います」
「なるほど、それは確かに興味はありますね。では機会が有ったら考えてみます」
説明された商業ギルドのランクなどに関する制度にナギは興味を持ったようで小さく笑みを浮かべながらそう言った。もっとも今すぐに上げようにも売れる物は今のところ手元になく、お金に関しても何気に材料やポーション類を買い足していたらあっという間になくなって手元には今回の買い物用のお金しかもっていなかった。
なので今回は話を聞けただけで満足して何か商品などを用意してから再度訪れることにした。
「それじゃ今日はいろいろ説明ありがとうございました。また今度改めて来させてもらいますね」
「またのご利用をお待ちしております」
そしてやる事が終わったナギは最後にお礼と別れの挨拶をして商業ギルドを後にした。
ただ出る時に何組か話し合っていた商人達の様子をバレない程度にチラ見して何を売っているのかを確認して、気が付かれる前に速足で後にする。さすがに態々囲ってある場所を覗き見るなんて事が非常識な行為なのはナギにも分かっていたので、注意されたくなかったのだ。
ギルドを出てしばらく進んだところでナギは先程確認した交渉の場に出されていた商品を思い出していた。
「鉱石と宝石の原石、他には加工済みの装飾品が多数…やっぱり武具よりも装飾品の方が需要は高いと言う事かな。武具は冒険者なんかの戦う者達が買って、装飾品は金の持つ者達が一度に大量に買ったりするし効果しだいでは冒険者でも余裕のある者は買うからな」
のぞき見のような形で確認したのは何を商人達が交渉してまで取引しているのかを確認したかったのだ。
理由としては単純で先ほど聞いた商業ギルドのランクアップの方法で販売が有ったので、何が売れるのかナギはある程度把握しておきたかったということだ。
なので目的は達成できてナギは次に売りに来るときに何を持ってくるかを決めると、今回は別の用件があって来たので考えるのはここまでにして紹介状の店をめぐることにした。
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