【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇「周知」

「意味わかんねーけど」*玲央

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 卵料理の店があるビルに入って、駐車場に車を止める。

「……優月」
「ん?」

 シートベルトを外しながら、オレを見つめる優月の肩に手を回して、抱き込んでキスした。


「――――……っん……?」

 人が通ったら丸見え――――……でもねえか、暗いし。……まあいいや。
 抱き込んだから、優月の事は、見えねえだろうし。


「……っ…………ン……っ」

 ぎゅう、と目をつむってる。

 ――――……ああ、マジで可愛い。


 しばらくの間、思う存分キスして。
 まあでも、そんなにエロくならないように少しだけ加減して。

 そっと、舌を離すと、閉じてた瞳を、ゆっくりと開いて。
 優月がまっすぐにオレを見つめる。



「――――……玲央……?」

 キスでぼうっとした顔を、見つめていると、かぁっと赤くなる。


「……ありがとな、優月」

「――――……何が……?」


「お前がオレの事好きなんだなーとか……オレもそうなんだとか思うとさ」
「――――……」


「なんか。よくわかんねえけど、気分がすげー上がる」

「――――……」


 頬に触れて、撫でてると。
 優月はオレをまっすぐに見つめて。それから、嬉しそうに微笑んで。


 それがあんまり可愛く見えて、じっと見つめ返していると。



「――――……?」


 両頬を、優月の手で挟まれたと思ったら。
 ぐい、と引っ張られて。


「――――……」


 ちゅ、とキスされた。
 少しだけ触れて。 それから少しだけ離れて。

 触れそうな位、近くのままで。優月がまた、ふわ、と微笑む。



「大好きだってば」



 そう言って、もう一度、触れるだけのキスが、唇に重なってきた。


 なんか、もう、よく分かんねー感覚。
 体の奥から、ほわっと、あっついものが全身に巡るというか。

 ――――……もう抱き締めて、くっついて。
 もう1ミリも離したくないと、思うというか。



 キスが離れて。

 ――――……なんか、オレからめちゃくちゃキスしたいような。
 優月のキスの感触、無くしたくないような。


 どっちも、心の中にあって。


 結局、オレは、そのまま、ぎゅ、と優月を抱き締めた。



「――――……あーもう…… お前、ほんと、可愛いな……」

「――――……」


 腕の中の優月が、クスクス笑ってる。



「玲央ってさ……今まで、そういうこと、言ってないんだよね……?」
「ん。言ってねーな」


「……今、言ってるのって、どう思ってるの?」


 どう思ってる?
 オレが自分の事をって事だよな……。


「……まあ。自分では、意味がわかんねえってとこかな……」
「――――……そうなんだ」

 また優月、クスクス笑ってる。


「意味わかんないけど、言ってくれてるんだね」


 笑み交じりでそんな風に言われて。
 抱き締めて、その背をポンポン撫でていると。



「……好きって、言われるのってさ――――……」


 ぎゅー、と抱き付かれて。




「……すごい、嬉しいよね……」



 腕の中に居る優月が愛しすぎて、ほんと困る。


 自分でも自分のこと、ほんとお前誰だ?と思ってしまう。




 

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