【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇「周知」

「毎日」*優月

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 ちゅ、とキスしたら。
 玲央が黙って、オレを見つめて。頬から滑った手が耳の下、首に触れて。
 そのまま玲央に引き寄せられて。

「……ん」

 優しく、キスされる。
 何度も、重なっては離れて。

 見つめ合ったまま、とか。
 ドキドキしすぎて。もう。死にそう。


「……っ」

 めちゃくちゃにキス、されて。
 何も分からなくなった方が、楽なんだけど……。

 ドキドキが、すごすぎて、絶対聞こえてると……。
 ぎゅ、と瞳を閉じてしまった瞬間。

「――――……」

 玲央が、笑った気がして。また瞳を開けて、玲央を見上げた。

「ちょっと静かにしてて」

 囁かれて。ぐい、と頭を引き寄せられて、玲央の胸に抱き寄せられ。

「……?」

 そのまま、じっとしてたら。
 少しして、玲央が何がしたいのか、分かった。

「玲央、ドキドキ、してる?」
「――――……すげえ、ドキドキしてる」

 そのまま、ぎゅー、と抱き締められて。密着して。
 ああ、なんか。ドキドキがもうどっちのか分かんない。

 玲央が、オレにドキドキするのって。何回聞いても、不思議。
 
 でも、ドキドキするのって、嘘つけないから。
 ――――……好きって思ってくれてるのが、実感できて、嬉しい。

「……優月」
「ん」

「………すげー好き」
「――――……」

 もうホワホワしすぎて、浮くんじゃないかと、思ってしまう。

「オレも。大好きだよ、玲央……」

 ぎゅー、と抱き付いてそう言うと。


「……優月は何話してた?」
「……んと……? 美咲とご飯行こうて話とか……」
「ん」

「あとは……玲央が、浮気したら、とか?」
「――――……稔の話の続きか?」

 苦笑いで玲央が聞いてくる。

「うん、そう」

 すっぽり玲央の腕の中に納まったまま。玲央を見上げると、まっすぐ見つめ返された。

「どーすんの、オレが浮気したら」
「……聞きたい?」
「――――……」

 少しの間、んー、と考えてから。
 玲央は、いいや、と首を振った。

「しないから」

 ちゅ、とキスされる。


「……2週間位しか居ないけどさ」
「――――……」

「20年近く生きてきて、初めてこんなに好きだと思ってるから。そんな簡単に他の奴に行かねーよ」
「……ん」

「――――……? 優月?」

 そっと手を伸ばして、玲央の両頬を包む。


「――――……オレね、今、好きだし。 明日も好きだと思うし……」
「――――……」

「……このままなら、ずっと毎日、好きだと思う」


 ぷに、と玲央の頬を摘まむ。
 ちょっと可愛い顔になる。ふ、と笑みが浮かんでしまう。


「……あのね? 玲央」
「ん?」

「……引っ越すのは親にも話さないとだけど…… 玲央の家で過ごせるように、荷物ある程度、運んでもいい?」

「――――……」


 玲央は、じっと、オレを見つめてから。


「当たり前。いつ運ぶ? 明日?」

 ……明日って。
 くす、と笑ってしまう。


「週末かなと思ってたんだけど……いつでも」

「じゃ明日」


 ふ、と笑う玲央に、またまた、ぎゅーーー、と抱き締められて。

 笑んでしまいながら。玲央の背中に手を回して、抱き付いた。



 
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