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◇「周知」
「好きすぎて」*優月
しおりを挟むお風呂で、玲央に洗われて。キスされて。
あっという間に……ほんと容易く。玲央のと一緒にイかされてしまって。
くったり、玲央に抱き付いてたら。
このままここでするのと、ベッドでと、どっちがいい?と聞かれた。
すごく色々考えて。立ってられなくなりそうだから、「ベッドがいい」と答えたら、すぐバスルームは出る事になった。玲央が用意してくれていたバスローブを着させられて。
「どうせまたシャワー浴びるから、ドライヤーはあとでいい?」
そんな事を言われて、うん、と頷くと。
玲央に抱き上げられて運ばれる。しょっちゅう運ばれるから慣れてきてしまったような……。いいのかなと悩みながら、寝室のベッドに降ろされて。
「ちょっと待ってな」
玲央が部屋を出て行ってしまって、少しそのまま待つ。
なんか。……待ってな、って。
オレ、ここで待ってて、それで玲央が戻ってきて。
これからすること、考えると。
待ってる、って。
うぅ。なんかすごく、恥ずかしい気がする。
すぐに玲央が戻ってきて。ベッドの上で、玲央に置かれたままの形で座ってるオレに気付くと、一瞬じっと見られて。
それから、ふ、と笑われた。
「なんか……ただ待ってるだけで可愛いとか、何なの、お前」
クスクス笑い続けながら近くに寄ってきて、よしよしと頭を撫でられる。
「固まってた?」
「……うん、ちょっと……」
「とりあえず、水飲みな、優月」
笑う玲央に、ペットボトルを渡される。
「……ありがと」
「あぁ」
水を飲みながら玲央を見守っていると。
部屋の隅のライトを付けて、灯りを消す玲央を見つめる。
――――……ほんと。カッコいいなあ。
何してても、絵になる。というか。
毎日毎日、こんなに何時間も一緒に居て。
それでも、見惚れる位。ずーっとカッコいいって凄いなぁ……。
いつも、そんな風に思ってるオレ。
「――――……なに?」
じっと見てると、玲央が、ふ、と笑う。
……カッコ良すぎて、困るんだけど。って、言ったら、何て言うのかな。
笑うだけ?かなあ?
玲央がベッドに腰かけると、ギシ、とベッドが軋む。
オレが水のキャップを閉めたら、ペットボトルを受け取って、ベッドの下に置いてくれる。
体を起こした玲央と目が合うと、「ん?」と、笑まれて。
「なんか……玲央がね」
「うん?」
「カッコ良くて、いっつも見惚れちゃうんだよね……」
「――――……」
「どうして、そんな、カッコいいのかなあ??」
そう言うと。
マジマジと見つめられて、それから、やっぱり、くす、と少しだけ笑う。
「――――……優月」
腕を取られて、少し引き寄せられる。
じっと見つめられて。
「――――……オレよりカッコいいと思う奴、居ないの?」
「居ないよ?」
言われた瞬間に即答したら、ふ、と笑った玲央に更に抱き寄せられて、そのままベッドにゆっくり、押し倒された。
「優月」
ちゅ、と頬にキスされる。
毎日のように、こんな風に、過ごしてるのにな。
ドキドキで、死にそうで。
だって上に居る玲央って。死ぬほど、色っぽく見える、し。
これから、何されるか、どうなるか、分かってきてるから、日々、余計にドキドキが増えていくんだと、思う。
「ちょっとプレッシャーかも」
「……??」
「……カッコ悪い事、したくないとか思うなー」
オレは玲央をまっすぐに見つめて。
プルプル首を振った。
「何してても、カッコいいから大丈夫。気にしないで」
「――――……何してても?」
玲央が可笑しそうに目を細めて。オレを見つめる。
「カッコ悪い事してても、絶対カッコいいから」
「――――……」
「ていうか、大好きだから、余計カッコよく見えると思うし。あ、でも好きじゃなくても、玲央の事、カッコ悪いって言える人は、居ないと思うけど」
「……何だそれ」
「だって……居ないと、思うよ?」
近づいてくる玲央の顔。好きすぎて。
「――――……」
唇、重なっても。
瞳、閉じるのがもったいないなーと思ってしまう位。
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