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第2章

◇カッコいいまま*圭

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「須長は昔の面倒くさい記憶があるから、余計心配だったけどさ」
「……高瀬オレさ、普通の男だからさ……可愛いって一体……」

「……すげえ可愛いけど」
「……んー……可愛い……?」

 ……高瀬って。
 ……どうしてだか、ほんとにオレが可愛く見えてるんだろうか。

 ほんと、何を思ってるんだろうと、目の前の高瀬を見つめていたら。

「……っ」

 ……やば。
 なんか急に恥ずかしくなってきた。 
 
 やっぱりカッコよすぎるし。
 濡れてるとますます……。

 なんでオレこんな真正面から見つめちゃったかな。
 かぁぁぁっと、熱くなる。

 いまだ一目惚れした時のままの感覚で高瀬を見てる自分に、ああ、もうどうしよう、と焦る。

こんなに一緒に居るのに。
そろそろ見慣れるかなと思う位に、ずっと一緒に居るのに。

なんでこんなにカッコいいままなんだろう……。


「……織田?」
「……あの」
「ん」

「――――……オレ……今また再確認、なんだけど……オレ、高瀬が大好き、なんだよね……」
「……うん?」

 突然言ったオレのセリフに、きょとん、として。
 高瀬が少し首を傾げてる。

「……一目惚れした時のまんま……カッコいいままだし」
「――――……」

「……声とか、話す事とか、する事とか、全部好きだし」
「うん……?」

「だからオレ、高瀬に絶対嫌われたくないし、嫌な思いもさせたくないからさ」
「ん……」

「酔ってても、もし万が一、襲われても、大丈夫だから……心配しないでいいよ?」 
「だから、万が一じゃないって」

「んー……万が一、の話だと思うけど」

 苦笑いしか浮かんでこない。


「だから心配しないでいいよ」


 目の前の、めちゃくちゃカッコいい、すごーく、過保護に心配性な恋人が。
何だかすごく、可愛く見えてしまう。


「でもさ、オレが男に襲われる可能性よりも、高瀬が女の子に迫られる可能性の方が、何百万倍も高いと思うんだけどな?」

 そう言うと。


「それは迫られてもオレがその気にならないから大丈夫」

 即答してくれる、高瀬に。

 もうここまで来ると。

 オレたち、お風呂で向かい合って、まじめに何話してるんだろと、おかしくなってきて笑ってしまうけれど。

 でもそれよりも、
 大好きすぎて。


「高瀬、キス、したい」

 むぎゅ、と抱きついて言うと。
 すぐに、唇を重ねてくれる。


「……大好き、高瀬」


 なんか、こうしてくっついてると、ここ数日、すごく離れてたなと、ほんとに実感する。

 ……ほんと、会いたかった。


「――――……ン」

 高瀬のキスは、気持ち良すぎる。 
 舌が、溶けそう。
 いつも、そう思う。

 頭ん中、真っ白になって。

 オレ、男なのに。
 なんか完全に「される側」で、高瀬についてくのがやっとで。ていうか、多分ついていけても、なくて。


 ついてはいけてないんだけど……。
 ……ずっと、高瀬とこうしてたいなと、思ってしまう。



 ――――……大好き。







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