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第二話

俺、勝利する

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「な、ぇ……ぁ、れ?」
「どうしたぁ」

 困惑し、股をモジモジとするサラドナイト。
 そして自分の身体の異変を実感すると、狂ったように吠えた。

「なんで……なんでなんでなんでぇぇえ゛!!」
「気持ちいいのにイケないのは、さぞ辛いことだろうなぁ」
「き、貴様ッ!! 貴様ぁぁあッ!!」

 触手を引きちぎるような勢いで暴れ、俺に牙を向ける。凄まじい力だ。
 だが、触手の本数を増やし更にキツく縛り上げた。
 それでもギリギリ……これが、本当に殺すことに特化した反発派の女王か。
 クルアーンの助けがなければ、淫夢の中でなければ、間違いなく負けていただろう。

「危ない危ない」
「ぐッ──ッ、ふぅー……ふぅ……!」

 唸るような声。赤い瞳は血のように輝き、殺意がビンビンに肌を刺す。

「まるで獰猛な獣だな」
「やめろ、よせ! 私からサキュバスの尊厳を奪いと──んひぃぃいいい゛ッ!!♡♡」
「もういい、喘いでろ」

 触手のブツブツした肌で激しく陰核を擦り失禁させた。もう、喋らせたくない。
 コイツと話をしていると自分の中にある闇の部分を抉り出されているみたいだった。
 
「奪うさ。邪魔なら全部奪う。お前が思い出させてくれたんだろ?」
「ああ゛ッ!♡ く、そッがぁあ゛!♡ 最高にぃ、気持ちいいのにぃ、全くイケない……イケないのぉおお゛ッ!!♡♡」

 苦しみ、唸り、喘ぐ。
 甘い声を上げながら、悲鳴を上げるという異様な光景。
 踠いている姿を見ていると、少しだけ気分が晴れていく。
 もっと、もっと苦しめ。

「イキたいか? なら、心の底から俺に忠誠を誓え。魔族と人間、一度主従の誓いを交わせば簡単に解けるものでもない」
「だッ、誰がぁぁああ゛、貴様何かと……ぅぅあ゛ッ!♡♡」
「なら、ずっーと苦しむことだな」
「へッ……時間がないくせにぃッ、やせ我慢をおお゛!♡」

 勿論、助けがこないということはツィオーネ達もピンチつーことだ。
 早く助けに行かなければならない。だから、こーさせてもらった。

「ん? あぁ、言い忘れていたが、お前は三時間絶頂を続けたと思っているだろうが、実際は三分程度しか経過して無いぞ?」
「え……ま、さきゃあ!?♡」
「体感時間を遅らせてもらった。例え、丸一日我慢したとしてもたったの24分……沢山楽しめるなぁ! なぁ!」

 因みにこれ以上は夢だと言えど遅くできなかった。
 なんでもありの世界だが、どうやら夢を生成している宿主の想像力によってできる範囲は変わるようだな。
 けど、それだけでも十分サラドナイトにはダメージがあったようだ。

「ぐぎッ……あ゛、悪魔ぁぁあ゛ッ!!♡♡」
「……悪魔にもなるさ。ツィオーネが掲げる、人魔平等の手助けになるならな」

 覚悟している。いや、覚悟を固めた。
 徹底する。
 コイツは俺にとって悪影響だ。
 絶対に、絶対に許さない。
 ツィオーネを馬鹿にして、邪魔して。
 トラウマを呼び起こして。
 ヨガれ、苦しめ。
 服従しろ。身体も、心も。
 お前の苦しんでる顔を、もっと長くみてやる。

☆☆☆

 744分……サラドナイトの時間だと44640分、連続絶頂止めを眺め続けた。

「んひぃぃぃいいいい゛!!!♡♡♡」
「……よく持ち堪える。だが、限界みたいだな」

 そして、これだけ長時間苛め続けた結果、徐々に姿に変化が現れてくる。
 身長は縮み、幼女のような体型に。膨らんだ胸はそのままだが、性格も体感と同じように子供っぽくなっていく。
 俯いたまま頬には涙が伝い、押し殺した声で泣いていた。
 
「へ……ひぐっ、ひぐ」
「やれやれ、それがお前の本当の姿か……存外と可愛らしいじゃないか」

 魔族は人間と歳の取り方が違う。
 見たところ、ツィオーネと同じくらいか。
 それでも俺よりかなり年上だが。

「もぅやだぁ……やなのぉ……助けて……」

 いいじゃないか、その顔、身体。
 加虐心が唆られるねぇ。

「もう一度だ。もう一度、俺に忠誠を誓え。心の底から従うと、その魂を捧げると誓え。そうすれば、一ヶ月分の絶頂がまとめてお前を襲うだろう」

 単刀直入に、死ぬかもしれない、という事だ。
 サラドナイトもよく理解しているだろう。
 一ヶ月、ずーっと絶頂を続けていたのだ。
 普通の人間なら行為中に死んでいる。
 流石のサキュバスでも、ただでは済まない筈だ。
 だが、その言葉を聞いた彼女は満面の笑みを浮かべて叫んだ。

「は、はぃ……わ、わかりましたぁ!」
「よし、なら同じようにやってみろ」

 拘束を解き地べたに落とす。
 ガクガクの足で地面に顔を埋め、這いつくばりながら俺の元へ近寄ると尻を突き上げ土下座した。

「私サーキュラ・サラドナイトは、リベール様に心から忠誠を誓います……だから、お願いです! イかせて下さい、お願いします!!」

 あぁ、これだ。これこそ本当の服従だ。
 媚び諂い、足を舐め、マンコを擦り付けてくる。
 発情した雌犬が如き哀れな姿。反発派の女王の末路だ。

「はっ、はっ、リベール様ぁん♡ お願いしましゅ、お願いしましゅぅ!♡♡♡」
「クク、いいだろう。ほらよ」
「はひッ!♡♡」

 パチンッと指を鳴らし絶頂抑制を解除する。
 刹那、ピンッと背を伸ばし口を開いたまま静止するサラドナイト。
 一呼吸置いた次の瞬間、声にならない絶叫と涙と愛汁と潮が噴き出した。
 
「──ッッッッ、ッ──ッ!!?!?♡♡♡ お゛ッ──ッん゛ッ!? おごおおおお゛ッ!!!♡♡♡」

 一度止まったと思えば直ぐにイキ狂い、頭を抱え舌を垂らし、白目を剥き出しにしてのたうち回る。
 それが数分間続いた後、ピタッと糸が切れた人形のように動きが止まった。
 体液の泉に、まるでカエルの死骸みたいに倒れるサラドナイト。
 俺は、勝利を確信し一人拳を握る。
 
「長く苦しい戦いだった……サラドナイト、強敵だったぜ」

 だが、これで終わりじゃない。
 待ってろツィオーネ、クルアーン、カタリナ、街の皆……今、俺が行くッ!!
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