245 / 328
世界救済委員会
第244話 慢心
しおりを挟む
無言で歩く内にジャンヌから話し掛けられる。
「殻も強敵だけどあのコーティングマスターも厄介よ。何か手は考えてあるの?」
折角素晴らしい女性と深夜二人で歩いていても仕事の話になってしまう。
こういう所で俺はもてないんだろうな。
分かってはいるが、女性向けの話題を仕入れるじくは無し。
「お前の聖歌でどうにかならないか?」
技術と言ってるが魔術であり魔である以上ジャンヌの聖歌で問答無用で調律され無効化されるはず。
「どうかしら。下手に近付くと私も虜になっちゃうわよ。多分彼奴の射程の方が長いわよ」
感情は何で感じるか?
肌で感じ耳で聞き取り、何より目で見る。
愛しい姿を見てしまい、愛を囁かれ、優しく抱きしめられたら、愛の奴隷。
今回は乃払膜が余裕をカマしていたら何とか戦えている格好になったが、本気を出されたら相手だって動く。
影に隠れても回り込んでくる。
ふう~頭が鈍い対策は休んでから考えよう。
「お前でも強敵と感じる相手なら殻はどう対抗するつもりなんだろうな。下手すると返り討ちに遭っているかもな」
「はっそうよ。そうじゃない。どうしよう」
今更ながら自分の獲物が奪われる可能性に思い至ったのか、どうしようと顔を向けてくる。
戸惑うお顔はお可愛いことで。しかし今更で成るようにしか成らないだろ。俺を助けることを優先してくれたことには感謝するけど、目的の為に非情に徹しきれない甘さは今後考慮しておかないとな。
しかし言ってはみたが俺以上に狡猾で強い彼奴がむざむざ虜になっている姿は思い浮かばない、逆に両者が同盟を組むという最悪中の最悪の姿が思い浮かぶ。
世界を変えたい殻と技術を求める乃払膜は必ずしも対立する者じゃ無い。可能性は高いな。覚悟はしておいた方がいいかもな。
「今更焦んなよ」
やれやれと思った俺の目にヘッドライトの光が目に入る。
ん?
目を凝らせば白と黒とパンダと同じツートンカラーでありながら愛嬌どころか威圧しか感じないパトカーだった。
ここまでサイレンスサイレンで近付いて来たのであろうが、俺がヘッドライトに照らされた瞬間にサイレントを鳴らしパトランプを輝かせ、まるで暴走族の集会かのごとく騒ぎ立てて威嚇してきた。
爆弾に銃撃と幾ら人気の無い深夜のオフィス街でも派手にやり過ぎた。ここまでやれば誰か通報するだろう。
手際の良さは流石としか言いようがなく、逃げる間もなく猛スピードで接近してきたパトカーの群れに俺とジャンヌはあっというまに包囲をされてしまった。
停止したパトカーから警官達がわらわらと飛び出してくると一斉に此方に銃口を向けてくる。
「大人しく両手を挙げろ」
問答無用かよ。ただの歩行者かも知れないとは思わないのか。
ハリウッド映画の悪役にでも成った気分と気楽なことも思っていられない、あの中で誰かが暴発すれば俺は死ぬ。
とりあえずあれだな。
俺は警官隊を刺激しないように抵抗をすること無く両手を上げた。
「そのまま両手を上げていろ」
制服に身を包む警官隊の中から背広を来た中年の男が前に出てくる。
此奴がこの場の指揮官だな。
「上げているから、聞いて欲しいが俺は警察だ」
「ああ、戯言は寝てから言え。俺は寝ているところを起こされて眠いし機嫌が悪いんだよ」
「気持ちは分かるが本当だ。照会してくれ」
残念ながら警察手帳は置いてきている。
如月さんにでも身分を保障して貰うしか無い。でもこんな深夜に連絡が付くか、最悪明日の朝までは拘留されるか。
「はいはい、してやるから。取り敢えず連行する。大人しくパトカーに乗れ」
ちっ完全に此方を馬鹿にしやがって、頭にくる。
だが冷静に考えればこの対応も当たり前か、職務を忠実に果たしていると思って怒りを抑えよう。
兎に角ここで怒りにまかせて警官達と乱闘になって怪我でもさせたら後々更にめんどくさいことになる。もう少し早く気付いていれば逃げていたのに、やはり疲れで注意力が落ちている。
時間のロスは痛いが大人しく捕まって照会されるのを待つしか無い。
「抵抗はしないが、この先の袋小路で人が倒れているはずだ。要救助かも知れない、確認してくれ」
兎に角最低ラインの仕事だけでも果たしておきたい。
「言われなくてもここら辺一体は要捜査だよ」
「そうか。
悪いがジャンヌも従ってくれ」
「分かったわ。とんだドライブになりそうね」
考して俺とジャンヌは別々のパトカーに乗せられ連行されることになった。
まあ直ぐに釈放されるだろうし、後でパトカーで送って貰えると思えばタクシー代も浮いたと思うことにする。
パトカーで連行されるというのに俺に緊張感は無かった。
「殻も強敵だけどあのコーティングマスターも厄介よ。何か手は考えてあるの?」
折角素晴らしい女性と深夜二人で歩いていても仕事の話になってしまう。
こういう所で俺はもてないんだろうな。
分かってはいるが、女性向けの話題を仕入れるじくは無し。
「お前の聖歌でどうにかならないか?」
技術と言ってるが魔術であり魔である以上ジャンヌの聖歌で問答無用で調律され無効化されるはず。
「どうかしら。下手に近付くと私も虜になっちゃうわよ。多分彼奴の射程の方が長いわよ」
感情は何で感じるか?
肌で感じ耳で聞き取り、何より目で見る。
愛しい姿を見てしまい、愛を囁かれ、優しく抱きしめられたら、愛の奴隷。
今回は乃払膜が余裕をカマしていたら何とか戦えている格好になったが、本気を出されたら相手だって動く。
影に隠れても回り込んでくる。
ふう~頭が鈍い対策は休んでから考えよう。
「お前でも強敵と感じる相手なら殻はどう対抗するつもりなんだろうな。下手すると返り討ちに遭っているかもな」
「はっそうよ。そうじゃない。どうしよう」
今更ながら自分の獲物が奪われる可能性に思い至ったのか、どうしようと顔を向けてくる。
戸惑うお顔はお可愛いことで。しかし今更で成るようにしか成らないだろ。俺を助けることを優先してくれたことには感謝するけど、目的の為に非情に徹しきれない甘さは今後考慮しておかないとな。
しかし言ってはみたが俺以上に狡猾で強い彼奴がむざむざ虜になっている姿は思い浮かばない、逆に両者が同盟を組むという最悪中の最悪の姿が思い浮かぶ。
世界を変えたい殻と技術を求める乃払膜は必ずしも対立する者じゃ無い。可能性は高いな。覚悟はしておいた方がいいかもな。
「今更焦んなよ」
やれやれと思った俺の目にヘッドライトの光が目に入る。
ん?
目を凝らせば白と黒とパンダと同じツートンカラーでありながら愛嬌どころか威圧しか感じないパトカーだった。
ここまでサイレンスサイレンで近付いて来たのであろうが、俺がヘッドライトに照らされた瞬間にサイレントを鳴らしパトランプを輝かせ、まるで暴走族の集会かのごとく騒ぎ立てて威嚇してきた。
爆弾に銃撃と幾ら人気の無い深夜のオフィス街でも派手にやり過ぎた。ここまでやれば誰か通報するだろう。
手際の良さは流石としか言いようがなく、逃げる間もなく猛スピードで接近してきたパトカーの群れに俺とジャンヌはあっというまに包囲をされてしまった。
停止したパトカーから警官達がわらわらと飛び出してくると一斉に此方に銃口を向けてくる。
「大人しく両手を挙げろ」
問答無用かよ。ただの歩行者かも知れないとは思わないのか。
ハリウッド映画の悪役にでも成った気分と気楽なことも思っていられない、あの中で誰かが暴発すれば俺は死ぬ。
とりあえずあれだな。
俺は警官隊を刺激しないように抵抗をすること無く両手を上げた。
「そのまま両手を上げていろ」
制服に身を包む警官隊の中から背広を来た中年の男が前に出てくる。
此奴がこの場の指揮官だな。
「上げているから、聞いて欲しいが俺は警察だ」
「ああ、戯言は寝てから言え。俺は寝ているところを起こされて眠いし機嫌が悪いんだよ」
「気持ちは分かるが本当だ。照会してくれ」
残念ながら警察手帳は置いてきている。
如月さんにでも身分を保障して貰うしか無い。でもこんな深夜に連絡が付くか、最悪明日の朝までは拘留されるか。
「はいはい、してやるから。取り敢えず連行する。大人しくパトカーに乗れ」
ちっ完全に此方を馬鹿にしやがって、頭にくる。
だが冷静に考えればこの対応も当たり前か、職務を忠実に果たしていると思って怒りを抑えよう。
兎に角ここで怒りにまかせて警官達と乱闘になって怪我でもさせたら後々更にめんどくさいことになる。もう少し早く気付いていれば逃げていたのに、やはり疲れで注意力が落ちている。
時間のロスは痛いが大人しく捕まって照会されるのを待つしか無い。
「抵抗はしないが、この先の袋小路で人が倒れているはずだ。要救助かも知れない、確認してくれ」
兎に角最低ラインの仕事だけでも果たしておきたい。
「言われなくてもここら辺一体は要捜査だよ」
「そうか。
悪いがジャンヌも従ってくれ」
「分かったわ。とんだドライブになりそうね」
考して俺とジャンヌは別々のパトカーに乗せられ連行されることになった。
まあ直ぐに釈放されるだろうし、後でパトカーで送って貰えると思えばタクシー代も浮いたと思うことにする。
パトカーで連行されるというのに俺に緊張感は無かった。
0
あなたにおすすめの小説
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
都市街下奇譚
碧
ホラー
とある都市。
人の溢れる街の下で起こる不可思議で、時に忌まわしい時に幸いな出来事の数々。
多くの人間が無意識に避けて通る筈の出来事に、間違って足を踏み入れてしまった時、その人間はどうするのだろうか?
多くの人間が気がつかずに過ぎる出来事に、気がついた時人間はどうするのだろうか?それが、どうしても避けられない時何が起こったのか。
忌憚は忌み嫌い避けて通る事。
奇譚は奇妙な出来事を綴ると言う事。
そんな話がとある喫茶店のマスターの元に集まるという。客足がフッと途絶えた時に居合わせると、彼は思い出したように口を開く。それは忌憚を語る奇譚の始まりだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる