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傘
第312話 順調
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流石日本の警察は何だかんだで優秀だ、本気を出せばあっという間に行方不明者達の足取りが断片ながらも掴めていく。
現状の目撃情報では行方不明者達はいずれも一人であったという。このことから捜査員達の間ではこの後で組織に誘拐されたと推測している。捜査員達は何とか組織の者達が接触してきた瞬間の目撃情報を得ようと行方不明者達の更なる足取りを追っている。
だが一人誘拐組織がでっち上げだと知っている俺は別の視点で情報を精査する。
上がってきている目撃情報では、目撃された場所はバラバラだがいずれも一人で電車に乗っていた、そして傘を大事そうに持っていたらしいとある。
傘?
またしても傘か、ここまでくれば偶然では無いだろう。相手は常識から外れた魔だ。くだらなそうでも傘が今回の魔において重要なギミックを担っているとして留意すべきだろう。
だが囚われすぎても先には進まない。一旦それはそれとして脇に置いて進めるところを進めていく。
行方不明者達が目撃された場所をタブレット上に表示した地図にマーキングしていくとバラバラすぎて点を結んだ中心があるとかの規則性を見いだせない。
だが路線図に切り替えてマーキングしていき、彼等が乗った電車を路線に沿って進めていくと、どこかの駅に収束されようとする意図が透けてくる。
なぜ行方不明者達は一応にその駅を目指す?
大金を貰えると騙された?
殺されると踊らされた?
催眠術?
傘が重要なファクターなのかもしれない。
駅を絞り込むためだけでなく、魔の正体を推測するためにももう少し情報が欲しい。基本彼奴等嵌め技だからな、事前にどんな魔か判明すれば対策が立てやすく最適な旋律士を雇う事も出来る。
騙したままで悪いが一般刑事達にはもう少し頑張って貰おう。
しかし順調。
今までの魔の退治が嘘のように順調だな。
俺が最前線で命を懸けること無く情報が集まり事件が解決に進んでいく。
後方で指揮を執り情報を集め旋律士の後方支援に徹する、これぞ本来の官僚退魔官の仕事という感じだが、順調すぎるからだろうか、小さい棘が気に掛かる。
俺の推理を妄想と引っ繰り返されてしまいそうな懸念。この黒羽 朱啼という女性、この少女だけは今まで挙げた条件に当てはまらない。彼女のことを考慮すると俺の今までの推理が崩れ去っていく。
だがまあそれほど精査すること無くリストアップした中に別物が混じっていたとしても可笑しくないか。
きっと彼女だけは本当の行方不明者なのだろう。
よし、今日はここまでにするか。これ以上は情報は入ってこないだろう、明日に備えるべきだな。
帰り支度を整え所轄署を出る。
月も雲に隠れ外はすっかり真っ暗で街灯に照らされる歩道にも人通りはほとんど無く、向こうから男が一人歩いてくるだけ。
これじゃワーカーホリックだよな。
定時で帰って家でゆっくり食事を取ってこそ合理的な俺に相応しい生活のはず。その為にももっと仕事を合理的に進めて無駄を省かないとな。
考え事をしながら歩いていたら、いつの間に目の前に男が迫っていた。このままだとぶつかるので自分からさっさと脇の避ける。
「ん!?」
俺が脇に避けるのに合わせて男も同じ方向に寄った。
互いに避け合う、あるあるだ。
ここでもう一度互いに避け合うかようところで、男はそのまま自然に俺にぶつかってきた。
「えっ!?」
男にぶつけられ俺は腹に熱い衝撃を受けた。
見れば男の手にはナイフが握られているのであった。
現状の目撃情報では行方不明者達はいずれも一人であったという。このことから捜査員達の間ではこの後で組織に誘拐されたと推測している。捜査員達は何とか組織の者達が接触してきた瞬間の目撃情報を得ようと行方不明者達の更なる足取りを追っている。
だが一人誘拐組織がでっち上げだと知っている俺は別の視点で情報を精査する。
上がってきている目撃情報では、目撃された場所はバラバラだがいずれも一人で電車に乗っていた、そして傘を大事そうに持っていたらしいとある。
傘?
またしても傘か、ここまでくれば偶然では無いだろう。相手は常識から外れた魔だ。くだらなそうでも傘が今回の魔において重要なギミックを担っているとして留意すべきだろう。
だが囚われすぎても先には進まない。一旦それはそれとして脇に置いて進めるところを進めていく。
行方不明者達が目撃された場所をタブレット上に表示した地図にマーキングしていくとバラバラすぎて点を結んだ中心があるとかの規則性を見いだせない。
だが路線図に切り替えてマーキングしていき、彼等が乗った電車を路線に沿って進めていくと、どこかの駅に収束されようとする意図が透けてくる。
なぜ行方不明者達は一応にその駅を目指す?
大金を貰えると騙された?
殺されると踊らされた?
催眠術?
傘が重要なファクターなのかもしれない。
駅を絞り込むためだけでなく、魔の正体を推測するためにももう少し情報が欲しい。基本彼奴等嵌め技だからな、事前にどんな魔か判明すれば対策が立てやすく最適な旋律士を雇う事も出来る。
騙したままで悪いが一般刑事達にはもう少し頑張って貰おう。
しかし順調。
今までの魔の退治が嘘のように順調だな。
俺が最前線で命を懸けること無く情報が集まり事件が解決に進んでいく。
後方で指揮を執り情報を集め旋律士の後方支援に徹する、これぞ本来の官僚退魔官の仕事という感じだが、順調すぎるからだろうか、小さい棘が気に掛かる。
俺の推理を妄想と引っ繰り返されてしまいそうな懸念。この黒羽 朱啼という女性、この少女だけは今まで挙げた条件に当てはまらない。彼女のことを考慮すると俺の今までの推理が崩れ去っていく。
だがまあそれほど精査すること無くリストアップした中に別物が混じっていたとしても可笑しくないか。
きっと彼女だけは本当の行方不明者なのだろう。
よし、今日はここまでにするか。これ以上は情報は入ってこないだろう、明日に備えるべきだな。
帰り支度を整え所轄署を出る。
月も雲に隠れ外はすっかり真っ暗で街灯に照らされる歩道にも人通りはほとんど無く、向こうから男が一人歩いてくるだけ。
これじゃワーカーホリックだよな。
定時で帰って家でゆっくり食事を取ってこそ合理的な俺に相応しい生活のはず。その為にももっと仕事を合理的に進めて無駄を省かないとな。
考え事をしながら歩いていたら、いつの間に目の前に男が迫っていた。このままだとぶつかるので自分からさっさと脇の避ける。
「ん!?」
俺が脇に避けるのに合わせて男も同じ方向に寄った。
互いに避け合う、あるあるだ。
ここでもう一度互いに避け合うかようところで、男はそのまま自然に俺にぶつかってきた。
「えっ!?」
男にぶつけられ俺は腹に熱い衝撃を受けた。
見れば男の手にはナイフが握られているのであった。
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